テーブルマナー 1
◆テーブルマナーVol.1
ホテルの大宴会場に沢山のテーブルが配置されている。
テーブルには白いクロスがかけられ、プレート、グラス、カトラリーがもうこれ以上置けません…
とばかりに並んでいる。
まだゲストは入っていない。
私は、テーブルでウエイティングしている。
そんな夢をみた。
そう、私は若い頃からホテルのF&B Dpt.で仕事をしてきた。
F&B とは、Food&Beverage 料飲部門のことである。
宴会もレストランも経験している。
皆さんは、フランス料理の正餐スタイル(フルコース)の食事を何回くらい経験しているだろうか?
ナイフとフォークは、どこから使っていくか知っているだろうか?
パンは、右と左のどちらのパンが自分のパンか知っているだろうか?
そんなの知ってるわい!常識だろ!!
と言われそうであるが、
ウエイターが、ビールやワインをサービスしようとしたらグラスを持ち上げたりしていないだろうか?
これ絶対タブーである。
お茶の「つくばい」で、ひしゃくに口をつける人みたいに恥ずかしいことなのである。
バタークーラーというのは3人で一つくらいを一緒に使うことが多い。
バタークーラーから自分のパンの皿に、バターを取る際に使うバターナイフがバタークーラーのソーサーにのせてある(先がとがっている)。
パンの皿に取り分けたバターを、自分のパンに塗る際は個々のパン皿の上にセットされているバタースプレッダーを使う。
しかし、バターを取り分けたバターナイフをそのまま自分のものとして使う人が多い。困ったものである。
次の人は、バターを取る道具が無くなるわけで、、、
パンは、左側のパンが自分のパンである。
しかし、一番最初にパンを食べた人が、右のパンを食べたとする。
それに倣って、全員が右のパンを食べればまだ良いが(本当はよくないが)、
たいていの場合、きちんとルールを知っている人が一人くらい居て、迷うことなく左のパンを食べる。
そうすると、丸いテーブルの場合、どこかでパンを食べられない人が出てくる。
こういう場合、笑いそうになるが笑ってもいられない。
本当に困ったものである。
こういったことが起きた場合、その責任は私には無いが、
パンが無い人があまりにも可愛そうなので、手助けをしてあげなくてはならない事態となる。
「え~皆さま、パンなんですが、左側のパンが皆さんのパンなんです!
右のパンを食べた方は、それを左に動かしていただけますか?」
というような説明をしてあげないとならないわけである。
しかし、最初にそのような説明をするわけにはいかない。
馬鹿にされた!と思う人が居るからである。
中々ややこしい…