【探偵はパシられる】を読んだ
【ある日、真面目な印象の同級生が金髪で登校してきて、数日後退学してしまった。】
これは本書とはまったく関係のない私の実体験だ。思い返すとそんな日があった学校生活だった。なんだったんだ、あれ?とは思うものの、いまだにこの事件の真相はわからないままだ。
そう、あれは事件だったのだ。
急に退職した人気の先生、図書室にいつ行っても貸出中の本、みんなに恐れられている不良がなぜか仲良くしているイケてない同級生、、、などなど、実は学校生活というのは小さな違和を感じる事件ばかり。
そんな事件の裏に存在感の薄いクラスメイトが関わっているとしたら?そして事件に隠された少し悲しいストーリーがあったとしたら…?「探偵はパシられる」はそんな物語です。
自分はパシリでも番長でもなく、犯人でも、はたまた脇役として登場してくる生徒でもない、そのクラスにいた「調理部が作ってくれたポテトサラダ、妙に美味しかったなあ。なんか不思議な風味がしたんだけど、まあいいか~」と思っている名前のない誰かとして、本書を楽しむことができました。
もしかしたら金髪にしてきた同級生にも、両親が離婚して感情が爆発し急に学業がどうでもよくなってしまった~とか、実は音楽が大好きで卒業まで待たずにバンドで世に出るチャレンジをする決意をした~とか、なんと本当はハーフで地毛が金髪!いままでが黒に染めてただけなのに退学にさせられた~!とか…いまとなっては知りえないストーリーが隠されていたのかも。
自分は名探偵にはなれません。でも誰かのちょっとした共感できない行動への反応が野暮になりすぎないように気をつけないとなあ…探偵の名推理を待つだけの名も無きクラスメイトとして。
そんなことを思った一冊でした。
そして頭脳明晰な主人公というキャラクター設定や、お笑いや書店からは離れたシチュエーションを選ぶ、"せぶん"を名乗っているのに9編執筆、このあたりに、作家カモシダせぶんのワイルドさを感じました。次回作にも期待~!
どうもありがとうございました!
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サンデー岡本(@maipan8823)
ナオ・デストラーデ(@yoshida_nao0427)
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サンデー岡本
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