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ビジュアル系バンドglamscureのライブに行った話
私の人生を変えたアーティストがいる。
amazarashi、秋田ひろむという名の。
その声、歌詞、曲、全てが衝撃で、雷に打たれ一瞬で恋に落ちたのと同じ感覚。
(恋に落ちた、と言いきってしまってもいい。)
乙女な私が確かにあの時存在した。
初めは怖くてとても一人では行けなかったライブも、会場で友達が出来たりライブハウスの雰囲気に慣れてきたりで、amazarashiが出る『フェス』というものにまで参加するようになった。
その過程で一人の男子と知り合う。
同じamazarashi好きとしてSNSでほんの少しやり取りしただけの彼と、ひょんなことから一緒に幕張の会場に向かうこととなった。
実際会うまでは、勝手に女の子だと思っていた。どちらとも取れる名前と柔らかい言葉使いでイメージは完全に女子だったので、新宿駅で背の高い男性を見た瞬間、男かーい!と大声で叫んでしまった程である。あの時はごめんなさい。
しかし彼は本当に物静かで、SNSでやり取りした雰囲気そのままであった。話していると人柄がにじみ出てくる。年齢性別隔たりなく誰に対してもリスペクトができる人だった。
フェスの入場列でも同行の友達と皆で並んだ。
amazarashiの事、お酒が好きな事、だいぶ歳下であろう彼なのに何故か話は尽きなかった。
「自分、バンドやってるんです。」という話があった。バンド名も聞いた。
その時は「へーすごいねー!」なんてつまらない返しをする程度で正直、友達と趣味でバンドやってる音楽好きな若い人、程度の認識であった。
帰りの電車内で友人と、若いのにオバチャンの相手をしてくれるいい人だったね!なんて思い出しながら、彼が在籍しているというバンドを検索してみた。
「……えっ?ちょっ…これ!」
「凄い!ゴリゴリのビジュアル系だ!」
本人とのギャップで大いに盛り上がった。
あんなに穏やかで癒しの雰囲気を纏った人が、こんなにダークなキャラクターに?!しかもCDやグッズも売ってるし、ただの趣味じゃなかった!
これはライブに行かないと!と言ってはみたものの、自分からは遠い世界すぎて恐ろしい事この上なかった。やっと慣れたamazarashiのライブとは違う、きっと激しい会場だろう…。ゴシックな黒い服を着飾ったファンの女の子が首を振ったり奇声をあげたりするんだろう…。行ったことの無いビジュアル系のライブのイメージはそんなものであった。
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glamscure。グラムスキュアと読む。それが検索したバンドだった。まずは恐る恐るYouTubeを見てみる。一番初めに思った『趣味のバンド』のイメージは欠片も無くMVはしっかりと作られていて、きらびやかでダークな世界観は何度も見たくなるものだった。曲も何故だろうすんなりと入ってくる。それどころかむしろ心地いい。受け取りやすいメロディーでいつの間にか口ずさんでいたほど。ヴォーカルのケイオスさんは日本人離れした美しさで(後にイタリア出身と聞く)冷たく気高い感じがした。ギターのハルイさんは、まんまるで可愛らしい、愛らしい見た目だった。でも笑顔がないので、やっぱり冷たくあしらわれそうなイメージだった。ベースの祈~いのり~さんは、〈祈ちゃん〉と呼びたいゴシック調の可愛らしい姿でロングヘアーが似合っていた。度々YouTubeで曲を聴くようになり、そのうちCDを購入。初めて聴く曲もすんなり入ってきた。ビジュアル系バンドのライブ。まだまだ自分には敷居が高くて行くのは怖い。でもこの人たちを生で見てみたい!この曲を生で聴いてみたい!という気持ちが湧き上がったのは、もう6年も前のこと。
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池袋の〈手刀〉と書いて〈チョップ〉と読む、地下の小さなライブハウスにひとりで行けるようになった。始めは、それはそれは勇気を振り絞ったけれど。
度々行くようになって気づいたのは、ファン層が思いのほか幅広いということ。仕事帰りのサラリーマン、清楚なワンピースの女の子、オタク感のある男子。買い物帰りの主婦感が拭えない私がいてもあまり気にならない。それでも多分場違いな私が何度も通うのは、glamscureのライブが楽しいからに他ならない。
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私なんかが会場にいたら鼻で笑われそうな気がしていた、冷たく気高い感じがしていたケイオスさんは、外人(ご自分でおっしゃる)なので言葉が微妙にたどたどしい。可愛い。返事を求めても祈さんに目をそらされたりする。可愛い。
祈さんは基本喋らないキャラで、たまに言葉を発するのはレアだ。
ハルイさんがもう完全にツボに入ってしまっている。食べることが大好きで炭水化物を愛する。生誕祭ライブではステージで米を炊いた。湯気と米の甘い匂いの中でのライブは、そのカオス感に笑いを堪えきれなかった。
ゴリゴリのビジュアル系なのになんとも癒される。イベント毎に変わる衣装も楽しみだ。
キャラの立っている3人だが、演奏が始まると痺れる。ムチムチまんまるの認識だったハルイさんが何故こんなにもカッコよく見えるのか……。
それぞれ他にバンドを掛け持ちしていたりするけれど、今年10周年を迎えたglamscureのこれからをひっそりと見ていきたい。最近はサポートドラムでmadokaさんという美形もいらっしゃる。彼らの良さはライブでこそ発揮されると思うので、是非一度足を運んで頂きたい。
大丈夫。怖くないから。面白いから!