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貧乏神は誰!?

私ってなんでこんなに運が悪いんだろう?
いつもいつも、お金のことで困ってばっかりだし、
ちっともいいことないし…
みんなはあんなに幸せそうだし、裕福そうなのになあ…
なんでこんなに不公平なんだろう?
もっとお金があったらきっと幸せな人生なんだろうなあ…

けいこさんは、ここの所ずっとこんなことばかり考えています。
普段は仕事や家事のことでバタバタして忘れているのですが、ちょっと一息ついた時や、寝る時布団に入った時いつも頭に浮かんでくるのです。
そうなると不満やぐちがなかなか頭から離れてくれません。
せっかくゆっくりできてリラックスする時間のはずなのに、最近は逆に
ストレスのたまる時間になってしまい、ちょっと不眠気味でまいってしまいます。


「あーあ、明日も早いから眠らないといけないのに…」
頭の隅から離れない不幸な思いをうっとうしく思いながら、布団の中で何回も寝返りをうっていたその時です。

「ちょっと、ちょっと!」

どこからか声がするではありませんか。
「…?」
「ここだよ、ここ!」
バックの中から声がするのです。
「私不幸なことばかり考え過ぎて、頭どうにかなっちゃったの!?」 

幻聴?それとも幻覚??
こんな状況にもかかわらず、案外冷静なことを考えながらけいこさんは
の出所を探します。

「財布!財布の中だよ!」
声の主はなんと財布の中のお札だったのです。

「ここんとこ、けいこさんが私のことを嫌ってるようだから、とても気になって…
いっつもすごい目で私のことにらんでたでしょ?いったい私のことどう思ってるの?」

この言葉を聞いたとたん、お金と話をしてるなんて普通じゃない…
なんてことはけいこさんの頭から吹っ飛んでいました。

私がお金を嫌っている?
そんなはずはない!こんなにお金が欲しいのに!

そう思いながらお札を手に取り見ていると、確かにいい気分ではないのです。
嫌っている訳ではないのですが、なんと言ったらいいのか嫌な気持ち…

「私がけいこさんを裏切ってどこかに行っちゃうって思ってない?」


そう言われたとたん、もやもやしていた頭の中の霧が晴れてくるような感覚が起こり、けいこさんは思わず、叫んでいました。

「あーっ!!そうそう!それぴったり!
なんか、お金見てると私の所から離れていくようにしか思えないのよね…
なんでこんなこと思っちゃうんだろう?」


確かに私はいつもお金には苦労してる…
欲しいものがあると我慢できずにいくつもローン組んで買っちゃうし、
少しゆとりがあるとすぐいい顔して人におごってしまうし、お金が足りなくなってくるとすっごく不安になって余計に買い物したくなってしまうし、
使ってしまえばなくなるのに、使ってないととても不安になるのはなぜなん
だろう?


「それはね、小さい頃にお父さんとお母さんがそう教えてくれたからだよ。」

「び、びっくりしたあ…急に話しかけないでよ…それってどういうこと?」
すっかり、自分の考えに没頭していたところに再び声をかけられて、
声を詰まらせながらも、興味を引かれたけいこさんはお札にたずねました。

「小さい時のこと、覚えてないの?お父さんとお母さん、いつも私のことでケンカしてたじゃない。」

…そうそう、うちのお父さん、パチンコとお酒が大好きで、お人好しなほど気前が良くて、お金がないお金がないっていつもお母さんがぐちってしまいにはケンカばっかりしてたなあ。
お金がないってケンカしてるのを見るのとっても辛かった。
腹が立つっていうか、なんかすごく悲しかった…

「思い出した?けいこさん「お金は人をケンカさせて不幸にするもの」って小さい頃から思ってたでしょ?最近ますます、お金に困るようなことばっかりして私のこと怖い目で見るようになってきてたから、いつか話さなくっちゃって思ってたんだ。
お父さんとお母さんがケンカしてたことは辛かったと思うけど、けいこさんまで不幸になることないんだよ。もっと私と仲良くしようよ。」

…そっか、お金が欲しい欲しいって思いながら、その裏ではお金のこと恨んでたんだね。
お父さんとお母さんがケンカするのお金のせいだって思って。
何か私、かわいそうだったんだなあ…

気がつくと、けいこさんはお財布を握りしめたまま眠っていたようでした。カーテンの隙間から眩しい朝日が差し込んでいて握りしめたお財布と一枚だけ外に出たお札に降り注いでいました。

「なんか、変な夢見てたような??私、お金出して何してたんだろう?」
布団から体を起こしながら、お財布の中にお札をしまおうとして視線を落とした時、けいこさんはこう思いました。
「…何かこのお札の顔笑ってるように見える…
なんの夢だったかよく覚えてないけど、今日はいいことありそう!」


(ちょっと一言)
お金が欲しい欲しいと思いながらも、気がつくといつもお金に苦労するような状況になっている…心当たりのある方、案外多いかもしれません。

お話の中でも言ったように、小さい頃に家の中がお金のことでいつもケンカになっていた・お金がないことで大人達が不幸な顔をしていた…このようなことからお金に関してネガティブな思いを持った人が知らず知らずのうちに自分もお金に困るような行動(買い物のしすぎ・支払い能力以上のローン・人におごりすぎる、貢ぐ・過度のお酒や嗜好品、パチンコなどのギャンブル)をしてしまうようになることがあります。

これを「貧乏ゲーム」と呼んでいます。
これをくりかえしていやな気持になりお金に困ることで、

「やっぱりお金は人を不幸にする」


という思いを強めていき思い込みから逃れられなくなることをいいます。
「お金=不幸になる」と思い込みを抱えた脳はそれに沿った人生を送るしか道がないと思っています。でも、道は無限にあり選びなおせます。

人には「幸せに生きていきたい」と考える動物とは違った新しい脳を持っています。
思い込みやトラウマにがんじがらめになった幼い頃のあなたを
大人になって客観性も経験も身につけたあなたが助けることができます!
あなたの中に刷り込まれた脚本、書き換えてみませんか?


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