失恋して落ち込んだら異世界に来たので世界を救うことにした第三話

メイドさんに見られてしまった。見た目的には私がめちゃめちゃ怪力だと思われてるかこの枕が元々脆いのか。いやいや脆い枕って。ていうか私どちらかというと力弱い方だし!りんごとか素手で潰せるタイプの人間じゃないんだけど、、、でもここは、、、
「すみません!枕がその真っ二つになってしまって決して破ろうとしたわけではないんです!」
言い訳くさい。これじゃあ逆に最初から破る気満々の人の発言じゃん!
すると黒髪メイドさんが
「大丈夫ですよ。勇者様それよりお怪我の程はございませんか?」
やさしっ!え、でも勇者だからこれくらいはできるよねなんて思ってたりするのかな?
「あ、怪我はないです。ほんとすみませんっ」
「新しい枕は今日中にお持ちします。そんなことよりもそのお召し物、昨日
と同じものと聞き及んでおります。お着替えの方のご準備もありますが
どうされますか?」
なんか目上の人にする言い方だ〜なんか慣れない〜
着替えって中世風のドレスなのかな?そのようなものは小さい頃に来たことがあるけど、、、重そう。でも、そろそろ匂ったらやだな。
「じゃあ、お願いしてもいいですか?」そう言うとメイドさんが笑顔で
「はい。かしこまりました。それと、私めのことはレトとお呼びください
敬語も不要ですので」と言った。
「え、あ、あの、まだ慣れないので敬語でもいいですか?」
「構いませんがそのうち慣れてくださいね♪」
ああ、なんか優しそうなお姉さんでよかった〜
そう言いながら部屋の中にある大きなクローゼットを開けるとそこには
私の想像した通りの中世風ドレスから元いた世界でも着れるであろうワンピースがずらりとあった。
で、ここで問題があった。私の身長である。私は比較的身長が低い方であり、元いた世界でも大人用のワンピースを着るとずってしまう。着てみたい気持ちはあったのだけれども。なのでやばい。
好みとかそう言うのじゃなくて着れるものがあるかと言う感じになってきたな〜やばいやばい。
「あの〜私の身長に合うものとかってありますかね?」
するとメイドさんじゃなくてレトさんは
「ご心配なさらないでくださいこちら魔法糸となっておりましてどれを着ても勇者様のサイズになるので」
ここでも魔法か!いいなこんなシステムあったら何でも着れるじゃん。
夢じゃん。
「こちらのものなどいかがでしょうか?」
と言ってレトさんが見せてくれたのは襟のついた紺色のワンピースだった。襟のところに様々な色の刺繍が施されていてとても可愛い。
「はい!とても可愛いと思います!その服お借りしても宜しいですか?」
「はい。では着替えていきましょうか?」
え、服くれる系じゃない?試着室系じゃない?
「あ、自分で着替えられるので、、」
「いえいえ。これも慣れてもらわなくてはなりませんので♪」
笑顔が怖い。これは諦めるか、、、。
そして私はあれよあれよと言う間に着替えさせられてしまった。


その夜。私は晩餐会と言うものに招かれていた。長細いテーブルの上にはたくさんの料理
絶対に食べきれない。元々少食なのに。身長と比例してるんですよ。と言いたい。
そしてテーブルの両端には二つの椅子が置かれていた。遠い。長さからして私の身長ぐらいあるぞこのテーブル。どうやって話すんだろう。
と思っていると後ろのドアからリバーさんが登場した。
「お待たせしました。今宵はささやかですが勇者様っいや失礼。ゆかり様の
歓迎会としてお料理をご用意いたしました。楽しんでいただけると幸いです」と言いこちらどうぞと椅子を引いてくれた。私が座ると遠くの方に座ってしまった。
「ではいただきましょうか」と言ってずっとこちらを見てくる。これは先に食べてくれと言うことなんだろうか、仕方がないので「いただきます」と小声で言い目の前にあった肉料理を一口。美味しい。やっぱりシェフが作っているんだろうか。ほんとに美味しい。だけど、、視線を感じる。目の前にいるリバーさんだけじゃないその周りに数人いるメイドさん執事さんと見受けられる人たちからも視線を感じる。
「あの〜そんなに見られましても、、、」
と私が一言、言うと「すみません、こちらの料理がお気に召したか気になってしまいまして、、、味の方はどうでしょうか?」とリバーさん言う
「とても美味しいですよ」
「それはよかった!ぜひたくさん食べてくださいね!」
飼い主に褒められたワンコかな。すごく喜んでる。
でもこのままだとずっと見られる気がするな。じゃあ、、
「あの、一ついいですか?もうちょっと近くで一緒に食べませんか?
なんだか遠く感じるんですが、、、」
でも、ちょっと待てよ。これがこの国では一般的なんですなんて言われたら
失礼に当たるんじゃ。よく考えなくてもこの人この国の王太子って言ってたよね!?うん。やばい。
「え、いいんですか!?いやゆかり様は私のことをお嫌いなのかと思い近くには座らなかったのですが、、あまりこちらを見てくれませんし、、」
あ、そういう!?いやついイケメンだったから見れませんでした!なんて言えないからな。ここは
「嫌いではないですよ。しかもこんなに遠いとお話もしずらいので、、」
「ではご一緒させていただきますね!」
とリバーさんが言うと執事さんらしき人が指を一つパチンと鳴らした
とみるみるうちにテーブルの長さが短くなりダイニングテーブルくらいの大きさになった。その間にあった料理たちはなぜかどこかに消えてしまったが
目の前を見ると、さっきよりかなり近くなったイケメンいやリバーさんが座っていた。顔が眩しい。
「では、食べましょうか。料理も冷めてしまいますからね」と言いニコッと笑った。

料理を食べ終えやっと解放されるかと思ったら食後のティータイムと言うものにお茶を出され強制参加みたいだ。
やばい。会話がない。このイケメンそういえばほぼほぼ初対面みたいなもんだしな。と一人気まずくなっていると
「そう言えばゆかり様メイドのレトから聞きましたよ。ご自身で枕をお破りになられたとか」とニコニコしながら言ってきた。
ひえっっもうそんなこと知ってるの!?何もう全部筒抜け?
「いや、あのわざととかじゃないんですけど、、、」
「ああ、怒ってるとかではないので安心してください。レトが勇者様はすごいですねと報告してくれたものですから。」
それは力技がすごいとと言うことなのかな〜やっぱりそう思ってたんだ〜
「いやあれは全然自分の力じゃないというかなんかいきなり青い光見たいのが出てきて真っ二つに、、、」
「ゆかり様、そのお話詳しくお聞かせ願えますか?」
と和やかムードから真剣な眼差しでリバーさんがこちらを見るので
私は今朝あったことを話した。
「なるほど。言葉を叫んだら枕が割れたと」
「そう言うことになりますね」
「だとしたらそれは魔法の可能性が強いと思われます。」
でた!魔法!そう言えば魔法使えるみたいなこと序盤で言ってたけ
えっと私が使えるのは、、
「この前みたいにオープンと言ってみてくださいますか?」
「はい。わかりました。オープン?」
と一度見たことのあるような画面が目の前に映し出される
「前にお話をしたと思いますがステータスは自分でしか見れないことになってるのでその魔法の部分だけお教え願いますか?」
「えっと、魔法<言葉>強火って出てますけど、、」
何なんだ強火って料理じゃないんだからさ〜
「い、以上ですか?」
「はい、、、そのようですね、、、」
これにはリバーさんも困惑して腕を組んでいる。私の魔法がご迷惑を、、
「普通に会話をしてる分には何も起こらないのですが、、」
「ではその時どのような気持ちで言葉を発せられたのですか?」
えっこれ正直に言っていいやつなのかな。いや言うしかないのか
「「何なんだよーーーー」って感じです。」
かなり大きい声が出てしまった。もう全員がびっくりしてるよ。
おとなしめの感じの人からこんな感じの大きい声が出ればそうなるよね
「すみませんこんな大きな声を出して、でもこんな感じです」
と目の前を見るとリバーさんがシュンとなっていた犬の垂れ下がった耳」まで見えそうだ。
「いや、大丈夫です、、そう思われた原因は私ですから、、、ちょっとグサッと
きただけです。」
やっぱりグサッと来てるんだ。
「ああ、でもそうですね。強い気持ちがあったから魔法が発動したのではないのでしょうか?ステータスにもそう書いてある通りに強火ということで」
まあ、強い気持ちと言えば強い気持ちだよね。
「そうなんですかね、、、」
「では明日からはそこの所は実戦で確かめてみましょうか。魔法専門の騎士もつけますので」
「あ、はい。わかりました、、」
魔法なんてほんとに使えるんだな〜よくわかんないやつだけどさ
もうちょい便利な魔法がよかったな〜なんて思いながらこの日の夜は過ぎていった。







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