失恋して落ち込んだた異世界に来たので世界を救うことにした第七話

そんな運動部バリバリのことを続けて一週間すぎた日のこと。
私は筋肉痛に悩まされていた。遅くに筋肉痛が出るのは歳のせいだろうか
学生時代みたいに底なしの元気なんてない。
まあ昔も体力はなかったけどね!
けれど着実に体力はついてきたとジャックさんは言う。
魔法のコントロールも少しずつまっすぐ、威力も抑えながらできるようになっていた。威力は単純に感情的にならないことを意識すれば難なくできた。
そんな中リバーから食事のお誘いを受けた。
食事に誘われるのは嬉しいけど、、二人ってことじゃないから視線は感じるけどね

その日の夜
「お待ちしておりました。ゆかり様」とリバーがすでに部屋で待っていてくれた。
レトさんに案内されて向かったのは初めて一緒に食事した時のような大広間ではなく小さなテーブルと椅子二つのこぢんまりとした部屋だった。
料理もすでに並んでいて、私のはお子様プレートぐらいの量だった。
「お誘いありがとうございます」といつものように敬語では話すと
「大丈夫ですよ。今夜は敬語じゃなくて、ここにはもう二人しかいないので」
と言われ辺りを見渡してみるとついさっきまで近くにいたレトさんまでもいなくなっていた。
「あ、、うん?」と言うと
「まだ慣れてないね。さあ料理も冷めるし、頂こうか。量は少なめにと料理長に言ったのだけど、足りなかったら言ってね」
「あ、ありがとう?」
まあ、私、極端に食べる量少ないもんね。
食事が終わり、食後の飲み物まで飲んでいるとさっきまで楽しく談笑してたのが嘘のようにリバーは腕をテーブルに立て何とも悩ましげな表情をしていた。
え、なにこれ突然どうしたんだ!?なんか声かけなきゃいけない系かな?
え〜〜っつと一人慌てていると
「ここに呼んだのはね聞いて欲しいことがあって呼んだんだ。」
リバーの口調は柔らかいが雰囲気は重いままだ。
「何でしょう?」
「あなたは一週間前私に勇者になると言ってくれた。」
「うん」
「あなたが来るちょうど二週間ぐらい前私の父。この国の王が誘拐された。
その時、魔王に言われたのがこの国が欲しいとコソコソ生きるのではなく堂々と生きたいと。魔王は今、山奥に魔族ともに暮らしています。私も魔王のことを知ったのはつい最近で二十歳になった頃に現国王から知らされました。」
てことは
「じゃあ、魔王は長年ひっそり生きてきたけど我慢の限界。表舞台に出るために反撃に出たと。でも普通にこの国で生活することはできなかったの?」
て言うかここに来て魔族という言葉を聞いたことがない。まあ、あっている人数こそ少ないからだろうけど、、
「魔族のことは歴代王によって隠され続けていたんだ。山奥の方に本来だったら少し不気味な城があるんだがあれも魔法で見えなくなっている。だからこの国で知っているのは現国王と20歳になった王太子だけなんだが、攫われた時に貴族もその場に多くいてな混乱は大きかった。」
でもそこに疑問が生まれた。
「なんで魔族のことを隠そうとしたの?」
というとリバーは一瞬目を瞑り
「人間と違い魔族の大半は見た目が人間とは異なる存在だ。あとは性質的に
交戦的のが多いらしい。魔族は強いものが魔王となると聞いているからな。昔の王はそれらを嫌がったんだろう。なのでその場所から出られないようにした。何とも身勝手な理由だけどね」
それっていわゆる、、、
「よくはないね」
「で、ここから本題なのだけど魔王は二ヶ月後にこの国をくれないと王の命はどうなっても知らないと」
あ、、、それってもしかして
リバーは言葉を続けた。
「あと一ヶ月でその日になる。何としてもそこまでには止めたい。この日を過ぎると国王様の命だけでなくこの国に住む国民の命も危ない。その前に魔王城に乗り込んで国王様をお助けし、魔族と話し合いがしたいと思っている。」
口調はいつになく真剣そのものでいつものテンションがかなり下がっている。
どちらかと言うと平和的解決がしたいって感じだな。じゃあ何で私、呼ばれたんだ?
「でもそれじゃあ私、いらないんじゃ、、、」
「それなんだよ!私は魔王と話し合いがしたいと言うだけなのだが周りの貴族が危険だとあなたの命に何かあったらどうするなんて言うまあ、本心じゃないのだろうけど、そんな時に私は禁書である召喚術の本を見つけたんだ。
そこには勇者が召喚できる術式が書いてあった。もう時間もあまり無い中
だったからもうこれに頼るしか無いと思ったんだ。そしてあなたが現れた。
自分でもこれじゃ昔の王と同じだと思うよ。なんて身勝手なやつなんだってね。」
だから召喚されたんだ私。立場上、自分一人では決められないこともたくさんあるだろうからね。
「そこはもう仕方のないことだと思うよ。他に方法があったわけじゃないんだし。一応この国にいてまで少しだけど私が出会った人はリバーのことを信頼しているように見えたけどな。ほぼほぼ初対面の私にも優しくしてくれた
から。まあ、それは勇者だからと言うこともあるのだろうけど」
「そ、それは、、、なかったとは言い切れないけど今は、、、違う
あなたの素の部分が見れて、私のことを王太子としてではなくリバーとして扱ってくれた。周りの人は信頼を置いている人でも部下みたいな立ち位置にいるから」
よし!じゃあ私も一踏ん張り頑張るかな。こんなに悩んでくれたんだし
もうここからはヤケクソじゃなくて思いに応えたい
「いいこと言ってくれるね。ありがと。じゃあ私は明日あたり魔王の城に向かえばいいかな?」
「え、、、急なことなのにそんなにあっさり決めていいの?」
「だってもう、時間ないんでしょ、行くしかないじゃん」
「それは、、そうなんだけど、、、」
リバーすごく焦ってる。
「私、少しは魔法上達したよ。体力も上がった。頼りないと言われればそれまでだけど、新米勇者だし」
リバーは優しい性格だから始めから一ヶ月後になんて言わなかったんだろう。言われてたら言われてたでパニックになる自分が想像できるけど。
「頼りないなんて、、、」
まだ、、押しが足りないか。じゃあこれでどうだ!
「行くったら行くそれでよし!わかった!?」
と立ち上がり勢いよくリバーに放った。
「はい!わかりました!」
驚いたのか反射神経の如くリバーも立ち直立姿勢でピシッとなっていた。
「では、明日だと皆にも伝えられないので明後日にしようかそれまでに
心構え、、、はできているようなのでレトと準備をお願い。」

と言うことで私は魔王城に行くこととなった。
さてこれからどうなるのか全くもって検討はつかないけど

多分どうにかなると思う!






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