失恋して落ち込んだら異世界に来たので世界を救うことにした第二話
光が目に入ってくる。朝だ。
あぁやっぱりあれは夢だったんじゃないか。と起きあがろうとすると
何だか横が重い。それにベットがいつもよりもふかふかなような気がする。
待って待ってこれって私の予想が正しければここって
一思いにベットをめくるとそこにはいかにもお姫様の部屋みたいなものがあった。大きなベット、ソファ、装飾品も何もかもが豪華に見える。
とベットの横で何かが動いた。
「う〜ん」
おそるおそる、その場所を見てみると何だか見たことのある顔が、、
そう王太子と言っていたリバーさんである、、、
確定だ。ここはもう私の住んでいた場所じゃない。異世界だ。
こう言うことはアニメとかゲームの話だと思ってたよ!
現実に起こるとか聞いてないけど〜
「お目覚めですか?すみません私も一緒に寝てしまったようで
あ!何もしていませんからね!決して!」
朝から王子様オーラが眩しい。供給過多だ。
「いや私も眠らせていただいたので、、、」
というかここに来るまでの記憶があまりないような服は昨日のままだし、、
「後でメイドに着替えと朝食を持って来させますね」
メイドだって〜日常会話ではあまり用いないやつだよ〜
ああもうだめだ。頭が現実逃避しようとしてる。
と両手で顔を覆っていたら。
「まだ眠いですか?昨日は色々ありましたからね。お疲れですよね」
一応もう分かってるけど確認しとかなきゃな
「え〜と。確認なんですけどここは?」
するとリバーさんはニッコリ笑って
「はい。ここはマジック国になります。」
「、、、、。」
分かってましたよ〜いやね。確認しただけだから。ね。
「ちなみに何ですが、、元のところに帰れたりとかってできるんですか?」
と私が言い終えると、リバーさんがシュンと下を向いてしまった。
まるで飼い主さんに叱ってくださいと言っているワンコのように
これはまずいかも、、、
そして言いづらそうに口を開いた。
「それが今はないのです。勇者様を呼び出す方法は禁術でその解き方というのが国王様しか知らず、、、その国王様なのですが魔族に攫われてしまって
身勝手なことをしたことはわかっています。ですが、我が国のために勇者になっていただきたいのです!」
いや流石に強引すぎやしないかい。それも結構な大役じゃん。
こちとら、ただの25歳なんだけど〜!ムリ!と言いたいところではあるのだけど、、そんなこと言える度胸もない。そんで断ったらこの先路頭に迷う未来がなんか見える気がする。ていうか帰れないからね!まあ帰ったところでまた色々と悲しくなるだけかも、、、こうなったら仕方がない。
「あの、、勇者様、、、?」
「勇者引き受けます。」
「え。」
リバーさんがフリーズしてしまった。
いやね。こっちがそれ言いたいからね。フリーズしないでよ!
「あのー王太子様?」
私の言葉にハッとなったのか頭をふるふるさせてこちらに向き直った。
そんなところも犬っぽい。
「すみません。驚いてしまって勇者というのが嫌なのかと思ってました。
もちろん断られてもこちらでの移住食は保証しますが、、我々が勝手にお呼びだてしてしまったにで、、、それでも勇者になってくださいますか?」
そうか、、、それが保証されれば、、と思うけれどここで私のやることがない
正義感は人並みにある方だと思うけれど世界救ったる!見たいのはない。
う〜ん。まぁでもストレス発散っていちゃいけないけど何かしてないと
な。そんなことよりイケメンのお願いにやられそうだけどね!
「はい。やります。勇者。勇者っぽいことはできないかもしれませんけど、、、」
と私が言い終えるとリバーさんが急に私の両手を掴んだ。
「ありがとうございます!そして必ずや勇者様を元の世界へと帰すと誓います!」
私は元の世界に帰してくれる宣言よりもイケメンに手を握られていることで
もうオーバーヒートしそうだった。
そんな私を見て「ああ、すみません。嬉しくなって手を握ってしまいました。」と言って私の手を解放してくれた。
「あの今更なのですがお名前お聞きしても宜しいでしょうか。いつまでも
勇者様というのもお嫌なのかなと思いまして、、、」
まあ嫌といえば嫌だけどそれやめてくれない?なんて雰囲気的に言えない
感じだったし、そんな度胸もございません。
「はい。ゆかり・田中です、、、」
「ゆかりさんですか。いいお名前ですね。ゆかりさんと呼ばせていただいても宜しいでしょうか?」
な、名前呼びだと、、振られたあの人にも苗字呼びだったのに!
これだからイケメンは、、でも!呼ばれてみたい!
「大丈夫です、、、」
「では呼ばせていただきますね。今日は昨日のこともありますからこのまま
一日ゆっくりしていてください。明日になりましたらまた色々と説明させてください。」
とにっこりスマイルで私に言い「では私はやることがあるのでこれで失礼します。」
と去っていった。
。。。異世界か。ここ誰もいないよね。防音とか、、はわかんないよね。
よし!と思い枕を口にあて私は言った。
「どういうことーーー!」とその瞬間、枕が青白い光に包まれて ビリっ
枕が破れた、、、「えっ」どうしよどうしよ。「えーーー!」
という私の大声に反応して外に構えていたであろうメイドさん?
が「どうされましたか!」と大きいドアを開けながら入ってきた。
とても背が高く長い黒髪にメガネをかけてる女の人だ。
私はというとびっくりしすぎて「あ、え。あ。」としか声が出なかった。
これが私の異世界生活の始まりだった。