序章「鉛色の空と。」

6月が涼しいなんて嘘だ。

曇りの日は湿度も高いし、黙って立っているだけで汗をかく。何だったら蝉も鳴く。
そんな蒸し暑さを感じる日に、私は精神科の病院にやってきた。

それから1時間。
今の現状を説明すると、医師の面談を終え、今は暑さを全く感じない程に空調の効いた部屋に通されている。

何も無い部屋と何もかも失いたかった自分。

何をしたらいいのか
何が出来るのか
そしていつまでここにいるのか

何もかもわからない。

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