その4「始めは豚と。」

新しい世界の最初のイベントは昼ごはんだった。
看護師さんが運んできたのは、段ボール製のテーブルにプラスチックのお盆。そこには冷たい豚ごぼうそばが乗っていた。床に敷いていた布団から少し離れてテーブルを受け取る。

緊張していたのかお腹が空いているとは思っていなかったが、冷たい蕎麦でも胃の中に入ると何となく身体の芯に血液が回る感覚がある。

食べ終わって数分、再び看護師さんがやってきてテーブルを片付けてくれた。

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