その20「答えはまだ出ていない。」

時計は20時の少し前、看護師さんが入ってきた。眠剤を飲む時間だ。不眠症になって14年。眠剤を飲んでしまえばあとはもう眠るのを待つだけなので、一番ホッとする時間でもある。飲み終わって横になり薄い掛け布団を身体に掛けながら明日はどうなるのだろう?という先の見えない不安に駆られるけれど、「この(入院という)選択は間違っていなかった」と自分に言い聞かせて目を閉じる。21時に灯りが消えた事は気が付かなかった。

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