その13「これは世界とつながるボタン。」

一向に来ない看護師さん。何せ人生で初めて押したボタンがどうなるのか全く想像がつかない。まして反応が無いなら尚更だ。

(もしかしたか気が付かなかったのかもしれない。きっとそうに違いない)

気を取り直し、もう一度赤いボタンを(気持ち強めに)押した。

そして再び待つ事5分。

遠くの方で戸の開閉音が聴こえ、足音がこちらに近付いてくる。やがて私の部屋の前で止まり扉がノックされた。

「まつながさん、どうしましたか?」

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