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ももクロ至極の15曲を語る

ももクロ15周年ツアー「QUEEN OF STAGE」が始まりましたね。
わたしはそのユーザーネームに違わぬ豪運を発揮し、ツアー最初のライブを神戸で観覧することができました。
できることならその感想についても捲し立てたいところですが、それはももクロちゃんとの約束に悖る上に、このタイミングでそれをやると一部過激派から一斉に袋叩きに遭いそうなので、それはまた今度の話ってことで。
ただライブで心の中に生まれたこの熱量を持て余したくもないので、密かに企んでいた「15周年にあやかって、ももクロ至極の15曲について書こう」を実行しようと思い立ったのです。

というわけでももクロの曲リストをネットで探したのですが…

えぐいて

よんひゃくななじゅうろくっっっっっ??!!!!!

いや多いわ。
Z verやZZ verも重複してカウントしているので実際これよりは少ないんでしょうが、にしてもよ…
ここでも5475日の重さを実感したらっくすとーんでありました。

途方に暮れていると、ももクロ愛が超強火なフォロワーさん(@saku_momotama)から情報をご提供いただき、ももクロの楽曲リストを手に入れることができました。ありがたやありがたや…
さすがに何の許可もなしに貼っつけることはできないのでここでどーんと載せたりはしませんが、すごいわまじで…
というわけで、そのリストの中からとりあえずビビッときたものを選び、そこから厳選に厳選を重ねて15曲に絞りました。

走れ!

「『君が好き』 それだけで世界を変える?変わる?」

この歌詞にノフになって以降の中高時代の青春の思い出が詰め込まれてます。
こんなことを言うようになるなんて我ながら歳をとりましたね(22歳)。
モノノフになって本当に最初の頃に2010年のTIFの「走れ!」を見て、それが本当に印象的でした。
あと2010年のももクリ。ピンキージョーンズの衣装で歌ってるアレです。
落ちサビの夏菜子ちゃんの全身全霊で歌っている感じがめちゃくちゃ好き。はにかみながらウィンクしてるのも最高です。
こういう夏菜子ちゃんの曲中のさりげない仕草フェチなんですよ、わたし。(結構ネタ扱いされがちですが)ムンプラの「あなたに恋をする」のところとか、いつか君がの「この手離さないでね」とか。

この曲を聴きながら、どれだけ当時片想いしていた子のことを考えたか。
結局報われることはありませんでしたが、この曲を聴く度、中学3年生の夏から高校卒業までに至るその片想いの日々が青春の思い出として鮮やかに蘇ります。

最近のライブにおける、走れ!の演出もめっちゃ粋ですよね。
最後のサビで照明全部消して、ライブ名物の「ペンライトの海」でこの曲を聴く愉悦をようやくももクリ2022で味わうことができました。

あの空へ向かって

「希望信じて進めば どんな壁も乗り越えられる」
まさに原点にして頂点とはこのことでしょう。
ももいろクローバーが持った最初の曲にして、自らが作詞に関わり、そしてその後15年にわたって数多くのライブで歌われ続けている名曲です。
本当にたくさんの名場面にこの曲は絡んでいますよね。
特に印象的なのはももクリ2013、杏果の脱退ライブ、そして桃響導夢でしょうか。
ももクリ2013とかさあ…しげるのあの衝撃的な発表があってからの、原点の「あの空へ向かって」ですよ。もうこんなん泣かせにきてるやん。国立に至るまでのドラマとして最高すぎる演出じゃないですか。
優しさに溢れた旋律、希望に溢れた歌詞、そして間奏でのモノノフの「世界のももクロNo.1」コール、全て合わさって感動を生み出す芸術品と言っても過言ではないでしょう。
「世界のももクロNo.1」コール、どこかで絶対やりたいものです。
わたしにはまだモノノフとして叶えたい夢は山ほどありますが、特にその中でもそれを望む気持ちが強いです。
歌詞を当時ももクロにいた6人が書いたとのことですが、サビの歌詞を書いたのはなんとわたしの人生最初の推し、伊倉愛美ちゃんだそうです。
人生最初の推しに導かれるように今モノノフをやっていることに、事実の妙を感じています。

CONTRADICTION

「だから目を開けて拳を固めろ」

この曲といえば、やはりももクリ2021の1日目、久方の有観客ライブでいの一番に炸裂したコントラが印象的でしょう。
PRIDEのテーマで高まってきたところに、ももクロの曲で一番スピード感に溢れているといっても過言ではないコントラのイントロが流れてきて…
…なんでこの時声出しできなかったんでしょうね…
ライブ映像で見たことしかないですが、コントラのコールも好きなんですよね。このようなオラオラな曲にはコールが本当によく合う。
早く自分もライブでコントラのイントロで血を沸き立てて、クソデカ声でコールを叫びたいものですね。

ところでなんですが、皆さんはコントラは旧版とZZ verのどちらがお好みでしょうか?
わたしはもちろん旧版のシンセサイザーメインのメロディやオラオラしつつもどこか不思議な雰囲気のある感じも好きです。
それでもわたしは言いたい。
ZZ verのゴリゴリにエレキギターなイントロ最高すぎませんか?あれめちゃくちゃテンション上がりません?
以前にも増して戦闘用BGMみが出てきて、ZZ verシリーズでで一番好きな改変です。

歌詞にも、アイドル戦国時代に我が道を貫き続けた「ももクロらしさ」が存分に出ていると思います。
「夢は迷うものでも迷わない ブレーキなんかいらない」
「アクセルベタ踏みでいけ」

紅白出場を目標に突き進んでいたあの頃の前のめりさが本当によく体現されているなあと思います。
(モノノフになったの国立ライブの後なんですけどね(小声))
別の曲ではありますが、ダンシングタンクの「戦う得意技は体当たり」と似たものを感じますね。これがももクロの本質なのかなあと思ったり。
あと、上記の歌詞もそうですし「穴が開いたハートは塞げばいい 笑える思い出丸めて詰めとけ」という歌詞も個人的に好きなんですよ。
本当は向き合いたくないものや挫折に対する向き合い方を教えてもらっている気がします。
モノノフになってからも数えられないくらい挫折や嫌な出来事に直面して来ました。
そんな時にも「笑える思い出」で何とか心に応急処置をちゃんと目を開いてファイティングポーズを取る、そういう戦う姿勢をこの曲に教えてもらいました。
余談:間奏の振り付けで、意図したものではないとはいえ、1人で舞っているしおりんが可愛くてかなり好きです。曲とのギャップよ。

ちょっとシュールさもあり。

白い風

「心にヒカリをくれた君とならば こえていく どんな今日も」

中高時代、「走れ!」と共に意中の子を想って聴いていた個人的二大ももクロ恋愛曲の片割れです。
んー、まあでも実際そんなにゴリゴリに恋愛曲というよりかは、友愛といったニュアンスも歌詞に感じてます。そこがまたいいんですけど。
ももクロの冬曲はどれも名曲ばかりですが、その中でも、昔の思い出も相まって群を抜いた神曲だと思っています。
冬が近づくと無性に聴きたくなります。

「キミに笑顔が消えないように 遠くの空にかけた願い」
この歌詞には、わたしの青春が詰まってて、万感の思いで毎回聴いています。
わたしにとって「キミ」とは当時はもちろん意中の子のことでしたし、今では、そういう意味ではなくても「大切な人たち」や、あるいはももクロの4人のことです。
ほんとね、最近4人の心が曇ってないかなって不安になること多いですからね。ずっと笑顔でいてほしいんだわ。

この曲でわたしが特に好きなのは、2番のサビ以降の作り込みです。
杏果のあの気張る歌い方があそこまで綺麗にハマると、すごく気持ち盛り上がるんですね。しかも年々洗練されていった感じが本当に良かった。
ももクリ2017とか、切なさ補正もあれど、まさに「5人のももクロ」の極致よ。
そして4人になった後のそのパートの振り分けが、なんとりんりんというね。
りんりんのユニゾンめちゃくちゃ好きなんですよ。パート割りした人の「ゼウスの選択」に感謝しかない。
そしてその後の夏菜子ちゃんのソロがまたいい。
何度も引き合いに出しますが、ももクリ2017の白い風は夏菜子ちゃんのソロパートが、切なさとか悲壮感とかを堪えて必死に気持ち込めている感じが本当にたまらないです。
というか、ももクリ2017の白い風は本当に全てが神がかっている。エモいが過ぎます。
わたしが初参戦したももクリ2022で、この曲はまさに最後の一曲に採用されました。あの時の最後のアカペラユニゾンも美しすぎて最高でしたね。

LOST CHILD

「でもこの世界生まれた限り イノチを使うことが使命ならば」

皆さんにも「うまく言語化できないけどなんか好きな曲」ってありません?
それです。
猛烈のカップリングで、どちらかといえばスピリチュアルで不思議系な曲だと思うんですが、でもこの曲を聴くと、不思議とコントラとかDNA狂詩曲とかそういう曲を聴いたのと同じ感情が湧くんですよ。
その理由はきっと、上記の歌詞に集約されているのかなと思います。
「イノチを使うこと」を使命として宇宙を彷徨い続ける、そんなイメージで胸が熱くなります。
あと、最後のサビの転調の仕方が盛り上がるのかなって思います。
最後のサビで転調する曲が好きだし、その中でも特に大好物なパターンがアレです。
転調以前の雰囲気も普通に好きです。聴いててドキドキワクワクできるし。
ZZ verはよ。

泣いてもいいんだよ

「泣き虫な強い奴なんてのがいてもいいんじゃないか」

「走れ!」「CONTRADICTION」「白い風」の項をお読みになった読者諸賢は既にお気づきだと思いますが、わたしはももクロの4人と彼女たちの曲から在らん限りの元気と勇気をもらっています。
この曲にも元気や勇気をもらっているわけなんですが、ちょっとベクトルが違う勇気をもらっているんです。
大人になるにつれ、社会的にも感情を露わにすることが敬遠されてきて、嫌なことや悲しい気持ちを素直に表現することが難しくなってきました。
それでも、以前よりも激しさを増した「悲しさ」はもはや不可抗力として降りかかってくるときがあり、感情を出さないことで必死になることも多くなりました。
そんな時にこの曲を聴くと、その悲しい感情を解放できて、安心できるんです。

モノノフになりたての中学3年生のタイミングではいまいちこの曲の歌詞が持つ深さを理解できずにいました。
しかし8年間の中で悲しみを繰り返して、その後だからこそ歌詞には共感しかないです。
「逃げたらいい」って簡単に言う人はいますが、そんなに容易く逃げ道なんか見つからんのですよ。そんなものはなく耐え忍ぶことを強いられることの方が圧倒的に多い。
その中で、自己防衛のためにいつしか心は麻痺していくんです。
こんな約束一体誰がしたんですか?誰もこんなことしてないですよね?
悲しみや憂い、悲しくなることに「冗談じゃない」と憤る気持ちが、この曲を聴くことで許されている気がしているんです。
1年の中に1日を詰め込むようなまさに「忙殺されるような生活」の中で、人間として必要なはずの欲望さえも鈍っていく生活をわたしも経験しました。
それでもなお乗り越えることが必要で、そのために悲しみをいっぺん吐き出してリセットするきっかけをこの曲が与えてくれている気がします。

そして、こんな曲を今までも助けてくれたももクロが歌っていることに大きな意味があるのです。
ZZ verの音源をとまでは言わないんで、またライブで歌われてほしいものですね…。

【追記】
こないだのロッキンで久々に披露されたそうで…。
4人の単独ライブで披露してくれる日もそう遠くはないという期待が持てますね…。
と、そんな話を京橋の場末バーのマスターとお話ししていたら、朝日新聞のYouTubeチャンネルが公開している「父の日バージョン」のMVを見る流れになりました。
僕も本当に久しぶりにこっちのMVを見たんですが
これがねえ…めちゃくちゃいいんですよ。
子どもが産まれてすぐに妻を亡くしたお父さんが、男手一つで娘を甲斐甲斐しく育てる様を映したMVの良さはやはり年齢を重ねるとわかってくるものなんだなあと思いました。
このお父さんの1日が見てて本当に切ない…。
娘を抱えて保育園まで爆走して送り届け、そこから爆走して会社に赴き、会社では上司や取引先にどやされながらボロボロになって夜遅くまで働いて、また爆走して子どもを迎えに行って疲労困憊…
そんな生活をしていれば当然子ども側も寂しい気持ちになり挙句反抗期でグレるとまさに踏んだり蹴ったりな有様が落ちサビ付近まで描かれます。
最後の方はちゃんとお父さんが報われることになりますが、ここまでの生々しいストーリーとAメロ・Bメロの歌詞のリンク度合いたるや。
「逃げ道のない戦いの日々が いつか人類を疲れさせていく」
「危ぶみながら見ぬふりの未来が いつか本能を痺れさせていく」
「一日の中に一年を詰め込む 急ぎすぎる日々が欲望を蝕む」
「隙も見せられない警戒の夜が いつか涙さえも孤立させていく」

…このような歌詞とともに疲れ切っているお父さんを見せられると「もうやめたってくれ…楽になってくれ…」と感情移入せずにはいられません。

てかね、このMVのお父さんガチで聖人すぎるんよ。
少なくとも平日はプライベート皆無で、それだけでも相当なストレスのはずなのに、子どもに八つ当たりをするわけでもなく、一人で瓶ビールを飲んでそのやるせない気持ちを無理やり紛らわそうとするだけって…。
しかも下世話な話ですけど、不倫とか一切してそうに見えないのがなおすごい。
どこまでも家族に一途な様を見て思うところが生まれるのは、やはりそういう人間関係の闇を知ってしまったがゆえでしょう。
とにかくこっちのMVも是非見てください。この曲の切なさが10倍になって伝わってくると思います。

モノクロデッサン

「希望に涙を足して 緑の色ができる」
「情熱に光が差して ピンクの色ができる」

この曲の一番特筆すべきポイントは「メンバーカラーの表現の仕方」だと思います。
「情熱」を赤、「希望」を黄として、そこに「涙を足して」紫と緑と表現する歌詞は聴いた当初、とても美しくて素敵な歌詞だと感じました。
作詞家もしかして村上春樹とかだったりします?
すごく個人的な話ですが、わたしは上記の「緑」の歌詞が大好きです。
この曲を聴いて以降、私物を割と緑系統の色のもので統一するようになりました。それくらいこの歌詞が好きです。
そしてそのメンバーカラーを使って、まっさらなキャンパスに絵を描いていく曲の世界観もとても綺麗です。

ただ、杏果脱退以降、「緑」と露骨に入っているこの曲が聴けることはもう2度とないだろう…そう思っていた時期が僕にもありました
まさかこの曲がZZ verで復活するとは思わなかったですし、あんなに優しい世界が広がるリリックビデオが観れるとも思いませんでした。
「緑」だった歌詞は「ピンク」に置き換えられていて、その表現もまた「情熱に光が差す」という秀逸なものでした。作詞家マジで文豪が過ぎる。
そして!あのリリックビデオがまたいいんですよ!!!
画用紙にライブの風景を描くような映像は、穏やかな曲調と相まってめちゃくちゃ映えるなあと。
サビのところで使っている映像がドームトレックの時のもので、懐古厨もニッコリの仕上がりになってましたね。
そして、一番最後の「どの色が欠けてもこの夢の続き描けてないから〜」からがグッときてたまらないんですよ。
あの何も加工されてない、4人の本当の意味でのユニゾンがわたしは大好物なんです。
CD音源も十分いいんですよ。でも編集された音源にはない、声の尖った箇所とか少し無理をしているところとか、そういう生の音にしかない良さがちゃんと反映されているのが好きなんです。
レコーディングの映像を見ていると、おそらくユニゾンの箇所って本来
「4人それぞれが歌っているのを別々に撮り、それを編集の段階で統合する」
というスタンスが取られているところを、「4人が同時に歌っている」音を拾っていてライブ感が強いなって思いました。
その箇所のレコーディング映像も公開されていますが、4人がマイクを中心にして仲良く手を繋いで輪になって歌っていましたね。
尊すぎんか?????????

この曲についてもっと解像度高めで語ってくれている動画がありましたので、貼っておきますね(他力本願)

白金の夜明け

「でもヤメる勇気なんかない なんとなくそれはダメな気がする」

オタクになりたての時に、そのタイミングで出てきたものってやっぱり印象に残りやすいんですよ。
わたしにとってはそれがZ誓であり、アマランサスであり、そして白金の夜明けなんです。
それまでハイコンセプトな曲やアルバムもあれど、比較的エネルギッシュな曲が多かったももクロが、苦悩や弱さが垣間見えるような曲をこのタイミングで打ち出してきたのは、アマランサス/白金の夜明けのテーマが「人生」だったからでしょうか。
生きている以上憂いは避けられないですし、その人生の悲哀を表現する挑戦が始まったのがこのアルバムでありこの曲だと思います。

そしてこの曲はまあ、レコーディングに関するエピソードがなんとも切ない。
紅白落選の報が届いた翌日、オタクじゃなくても明確な挫折と認識できる初めての出来事で失意の中で
「なんかちょっとずつ上手くいかない」
「ずっと笑顔ばかりを選んで 泣き顔見せるのを迷ってた」
「諦めすぎるとバカになるから 僕は何一つ諦めない」

って歌うのってめちゃくちゃメンタルキツくないですか????
事実は小説よりも奇なり、と言いますが、神様はここまで数奇で残酷な運命をももクロに投げつけるのか…とこのエピソードを聞いたときに思いました。
思えばそんな挫折の先にもまた残酷すぎる運命が待ち構えていたわけなんですが、8年後もなお笑顔と歌声で世界を照らし出しているももクロの強さにはただ感服です。

下に貼ってある動画は2016年のお正月に公開されたMVです。
年「明け」に白金の「夜明け」とはなんとも粋ですよね。
これまでの映像を繋ぎ合わせたシンプルなものですが、過去を振り返ってこんなこともあったよね、でもこれからは未来へ向かっていこうねという趣があっていいなあと思います。

Hanabi

「逃げなかった強さを 僕は知ってるよ」

モノノフが嵩じると、ももクロの曲で四季を感じるようになります。
春なら「行く春来る春」「オレンジノート」、秋なら「いつか君が」、冬なら「白い風」をはじめとした数多のバラード、そして個人的にココ☆ナツやワニシャン以上に夏を感じるのがこのHanabiです。
灼熱の日中でも、これを聴けば夏の夜に花火を見ている時のあの切ない雰囲気が脳裏に浮かんで少し涼しい気持ちになれます。まあ歌詞だけ読むとめちゃくちゃ胸が熱くなるんですが。
歌詞を書き出したらキリがないくらい、言い回し全てが美しいです。
同時にリリースされたゴルヒスやDECORATIONが極彩色で楽しい雰囲気だったのと対照的に、色は感じるけれど「静」の趣深い感じがあります。

脱線しますけど、この時期のももクロのめっちゃ色鮮やかな雰囲気が好きなんですよ。
「和」を感じる色鮮やかさとでも言うんですかね。
よく考えたらGOUNNの衣装も好きだったし、結構和風なももクロが好きなのかもしれません。

リバイバル

「また翼が折れようとも 燃え尽きようとも」

ももクロから一時的に離れていたタイミングでリリースされた曲だったので、実は存在を知ったのは結構最近です。
それでもわたしはこの曲が至極だと言いたい。
なんといっても上記の歌詞が、それを力強く歌うれにちゃんが好きすぎる。
人一倍繊細(なように見えて)で、これより前にも後にも、普通の人なら折れてしまうほど嫌なことにも向き合ってきたれにちゃんが歌うとめちゃくちゃ説得力あるなあって思うんですよね。
挫折からの再起を図る時、心に火がつくような熱い曲もいいんですが、このように優しくも力強く再起する力を与えてくれる曲の存在は救いになります。

stay gold

「誰かを頼る自分に トドメ刺せ 明日を撃て」

まあ入るよね。Twitterでも何度この曲が好きだって言ったことか。
もはやこの曲には、好きを通り越して、在らん限りの恩義すら感じています。
たった独りでやって来た宮崎の地で、本当の意味で孤独になりかけた大学1年生の冬。もう二度と立ち上がれないほどの挫折が目前に迫る中で、この曲がどれほど助けになったことか。
「君は間違ってなんかいない」
「君を諦めるんじゃない」
「思うままに往け」

周りの人たちに言ってほしくても言ってもらえなかった言葉を、この4人に言ってもらえたことがどれほど救いになったか。
以降もこの曲は、自分を信じられなくなるほどの逆境や大きな挑戦をする時に心の支えになってきました。
医学部での生活で一番の正念場だったCBT当日の朝も、大学に向かう道で聴いた曲は「stay gold」でした。
ゴリゴリの私的コメントはこれくらいにして、MVもスタイリッシュ、歌詞も疾走感溢れるロックな感じで、主観抜きにしてもかっこいいなって思います。

このビジュ、好きという感情しか湧いてこない

この二面性のある衣装いいですよね。半分はキラキラな、半分はシックで大人な感じで。
映像もまた、4人が自分の影?ドッペルゲンガー?と向き合って打ち克つといったもので歌詞とのシナジーは抜群。
4人が背中を押してくれて、自分と戦う姿を見せてくれて、とにかく励みになる1曲です。

余談ですが、ツアー神戸のMCであーりんが
「ステゴの玉さんの髪型が優勝」
と言っていました。
めっっっっっっっっっっっっっっっっちゃわかる。
熱海五郎一座の時のりんりんの写真見てても思いましたけど、もしかしてあーりんって一番のタマノフだったりします?

HAND

「受け入れた弱さは力になる」

ここまで情緒をガンガン揺さぶる曲が多めでしたが、HANDみたいな穏やかでスローな、でも芯のある曲がももクロを語る上で不可欠だと思います。
この曲もまた、ももたかぎ×りんりんというパート割りで構成されていてそれぞれの良さが、スローな曲調だからこそガッツリ反映されていると思います。
サビ前の2人でのユニゾンが
りんりん:透き通るしおりんの声と甘めのあーりんの声が上手く調和が取れていてお互いのいいとこどりになっている
ももたかぎ:2人の声質が若干似通っていることもあり、その共通している要素が倍プッシュで表出されている
といった感じで、良さが出ていると思います。

歌詞は「自分や人の弱さを受け入れて、人同士のつながりによって補完する」というメッセージが随所に散りばめられていて、自分の弱さに辟易したり、人の弱さに向き合って疲れた時に元気と癒しを与えてくれます。

MVはシンプルにビジュアルが好みです。
大人だなあ、シックな感じでいいなあ、って思いながら見てます。

一味同心

「失ったものがある だから負けない」

…これだけの超大作、歌詞を夏菜子ちゃんが全部書いたってマジ?
夏菜子ちゃんの書く歌詞ってこんなにエネルギーに満ちたものなんだ、夏菜子ちゃんの人となりがめちゃくちゃ反映されているなあって思いました。
「こんな悲しい時代に僕たち何ができるだろう」
という歌詞はコロナ禍末期という背景も相まって、多くのモノノフの心にぶっ刺さったんじゃないでしょうか。
声出しどころかライブをする機会すら、目に見えないほどちっぽけなものにことごとく潰された「悲しさ」がももクロちゃんにも我々モノノフにもありました。
でもそんな悲しみも乗り越えて、できることをやろうと言う力強さに満ちたこの歌詞が大好きです。
もしかしたらこれが夏菜子ちゃんの決意だったりするのかな、と思います。

さて、ここからはゴリゴリに私的事情を織り交ぜた話になります(n回目)。
この曲がリリースされた時期、わたしはOSCE、そしてCBTを目前に控えていました。
勉強しに図書館に向かう道でstay goldよろしくこの曲もめちゃくちゃ聴きました。
その中で上記の「失ったものがある だから負けない」という歌詞が深く心に沁みました。

わたしが宮崎にやって来たのは決して本意によるものではありませんでした。
たった7点、それだけ点数が足りずわたしは地元の医学部に落ちてしまいました。それでも医者になりたい一心でわたしは後期試験で宮崎大学に挑戦しました。
その選択自体に何一つ後悔はありませんし、決して地元ではできなかった体験が現在進行形でできていると思います。
しかし、この選択によってわたしはあまりにも多くのものを失いました。
18年間過ごしてきて大好きだった地元での生活、車なしでも生活が成り立つというQOLの高さ、そして地元で関わってきた人とこれから発展させていくはずだった繋がり
特に人間関係に関して、わたしが地元を離れたことで、やはり多くの旧友にとってわたしの存在は時間と共にフェードアウトしていったと思います。それはもしかしたらわたしが前期試験で踏ん張れていたなら、今も続く関係だったのかもしれない。
宮崎に行く選択に後悔はないが、それ以前にたった7点を重ねることができなかった後悔、人との繋がりや地元での生活を守りきれなかった後悔は今でもわたしの心に根強く残っています。

何の話か分かんなくなってきましたが。
とにかく、そのような「失ったもの」がこの曲を聴く度に思い出され、「だから負けない」と思わせてくれました。
多くのものを失って宮崎に来たからこそ、CBTやOSCEで結果を出したい。そしてその先に待つポリクリや国家試験でも結果を出したい。
そう、わたしが今医学生として頑張る原動力としてこの曲はかけがえのないものなのです。

いちごいちえ

「今度は僕の番だ 君が助けてくれたから」

サムネがいちごいちえだから絶対15曲の中に入ってるとおもいました?

ご明察です。
「いちごいちえ」と「ヒカリミチ」って対になっていると思うんですよ。「時間」のディアルガと「空間」のパルキアみたいな(隠せてない世代感)。
「ヒカリミチ」がこれまでの歩みを振り返る「過去」の側面が強いとするならば、「いちごいちえ」はこれから歩んでいく道に思いを馳せる「未来」の側面が強いと思います。
わたしはもちろんこれまでのももクロの歴史を振り返ってエモさに浸るのも好きです。
しかしそれ以上に、わたしはももクロの常に未来を見据えている感じが、未来性が好きなんです
まさに「生きたコンテンツ」であるももクロが好きなんです。
常に未知の世界を切り拓く4人に導かれて8年間モノノフやってきました。

MVもまた…粋な演出ばかりで感動が止まらないです。
路上ライブを彷彿とさせるラジカセ、国立のミニチュアにそっと触れるあーりん、サイリウムに見立てた4色の電灯に4人が触れて明かりが灯る様子、そしてセンターステージを囲む6色のサイリウム。
今までの歩みを大事にしつつ、未来へと歩みを進めていくというメッセージがビンビンに感じ取れるものでした。
2番で流れる、4人がサイリウムに触れて灯っていく様子と
「弱いところ たまに見せてもいいよ
僕でいいならここに 僕がいるから」
「辛い心のまま ぶつけていいよ
今度は僕の番だ 君が助けてくれたから」

この歌詞がリンクして、ももクロのホスピタリティ?寄り添う姿勢?が現れていると思います。
今まで勝手にももクロ見てひとりでに元気になっていたつもりでいましたが、その元気って実はももクロがモノノフの辛い心も浄化してくれていたからなんだなって感じました。
4人と面識があるわけじゃないですが、実はずっと寄り添ってくれていたんだなあと。

そしてこのライブ映像もとてもいいですよね…
これを見ると、なーんでこれが休日じゃないんだ行きたかったなあってめっちゃ後悔しちゃいますね。
「きやがるんだな」コールの後のモノノフの歓声と誇らしげにするももクロちゃん。よきかな…(語彙力崩壊)

Re:volution

「後悔も傷も悲しみも 全てが血となりこの心臓動かす」

リリースしたてほやほやの曲ですが、1日に何度も繰り返して聴くくらいには、わたしはこの曲にどハマりしています。
曲そのものは4月ごろからマー君の登場曲として存在しており、早くリリースされてほしいと心待ちにしていたことも大きかったでしょう。

メロディはSCANDALの「瞬間センチメンタル」みたいな雰囲気を感じました。お分かりの通り、瞬間センチメンタル好きだからここまでハマるんですが。

歌詞について、「LOCK ON!」から始まるキャッチーなフレーズの繰り返しが小気味よくて印象的です。
その流れにある「豪快に足掻くぞ」「心震えるまで叫べ」こういった言い回しがやはりももクロイズムを感じさせて、ももクロにズブズブに浸かった心にはとても沁みます。
歌割りが基本的にりんりん、ももたかぎで対応するパートを交互に歌い合う構成になっているのも、りんりん推しとしては非常に燃えました。
そして、しおりんに振られている歌詞が、とにかく綺麗で美しくて、そして力強くてとてもいいんです…!
「かき集めた憂いをそっと握りしめて 「運命」と名づけた壁に挑むため 振りかぶった」
「後悔も傷も悲しみも 全てが血となりこの心臓動かす」
これがしおりんのあの透き通るような声で歌われているのがいいんですよ!!!!!!!!
SHIORITAMAI 12colorsの7月曲の「HAPPY-END」もそんな感じでしたが、何か大きな壁や運命に立ち向かう反骨精神や、もっと言うならルサンチマンがここまで爽やかに美麗に歌い上げられているのが好きです。
こういった「抗う」感情って、表現の仕方を間違えるととても惨めな形になってしまうのが、しっかりソリッドな言葉で言語化されているととても気持ちいいですね。

参考:

最後に

15曲、ももクロの楽曲に対する気持ちを精一杯ぶつけてみました。
でも正直、何がとは言いませんがツアーに関することで言いたいこともあって、十分にお気持ち表明できなかったものもあります。
ですので多分、ツアーの進行とそれに伴うネタバレの許容され具合によって追記をちょいちょいすると思います。
そして自分で文章を書いて、自分のももクロに対する感情も自己分析できた気がします。
・りんりんコンビが映える曲が好き
・やっぱり戦闘用BGMな曲が一番の大好物
・笑顔と勇気と元気の源はいつだってももクロ
これからもそんな曲たちにたくさん出会えることを願ってやみません。
追記:Another Worldさん(@Get_naZ_Go)さんとまみちゃんさん(@mamicha29258832)の動画を僭越ながら引用させていただきました。勝手に載せてすみません😇








【※ネタバレあり!※】追記

うん、ツアー千秋楽どころか8月の武蔵野まで待てんわ。
上記の至極の15曲について、ツアーの内容(主に神戸)と絡めて語りたいことがあるんですが、少なくとも8月の武蔵野公演が終わるまであまり大っぴらに言えない空気があるので、最後の最後に追記として書こうと思います。
ここの内容は状況に合わせて、順次上の方に繰り上げていこうと思います。
というわけで…

⚠️以降、ツアー神戸のネタバレを含みます!閲覧はご自身の責任で!⚠️

「HANDとリバイバルについて」
「QUEEN OF STAGE」と銘打たれたこのライブ、4人が文字通りQUEENの風格を存分に発揮していたことはもはや言うに及びません。
15年の時を経て、現在進行形で進化を続けているももクロの未来性と、そんな4人の歩んできた過去への回想、そんな両面性のあるライブの中で、まさに未来性の極致とも言える側面が窺えたのが、
HAND、そしてリバイバルです。
(この2曲が本編で淡白な言い方しかできなかったのは、本当に語りたかったのはここだからなんですよ…)
「ここまでももクロは進化したのか…!」
8年間ももクロを見続けていて、それでも心を揺り動かすものがこの2曲にはありました。

アカペラ
アドリブ
コーラス
これらの演出って、歌唱力に相当な自信がなければ、その演出をして見ている人が大満足になるという確固たる自信がなければ、なかなか勇気を持って演出として加えることできなくないですか?

それを今回さらっとやってのけて、それでしっかり見ている人たちが感動していることが、まさにQUEENの証左であると感じました。
それでいて本人たちはそれを誇示するでもなく
「わたしたちにこんなことさせようとしたのやばくな〜い?(笑)」
とケロッとしているのが、ももクロらしくて、そこがまたかっこよくてすげえなあ、と言う一言に尽きます。

なんというか、HANDとかリバイバルとか、はたまた桃色空とか白金の夜明けとか、そういう穏やかな曲ってある意味MYSTERIONと同じくらいに表現の難易度が高い、少なくともわたしにはできないことだと思うんです。
怪盗少女やココ☆ナツみたいにキャッチーさが売りととか、コールでめちゃくちゃ盛り上がる曲ではないが故に割と歌っている人の地力が出るのかなあって思います。
そういう曲で元のものよりもさらにレベルアップしたバージョンになっているのって純粋にすごいことだと思うんです。

そして、我々モノノフは頭の隅っこに置き去りにしがちなんですが
ももクロって元々アイドルに全く明るくない事務所が新しいプロジェクトと銘打って、事務所をクビになりかけの少女たちを寄せ集めて作ったグループなんですよ。
いやその時から推してたわけじゃないので、ここまで上から目線で言うのも大変恐縮なのですが。
それでも、そういう背景を知っているから、15年の時を経てここまで楽しくて熱くなれて、そしてオタクが「すごいでしょ!」って自慢できるコンテンツができあがって、そしてそれを目の前にできていることが嬉しくて仕方がないんです。
やっぱり人間、こういうストーリー性に弱いんですよ。
世代丸出しの例えをもう1回ぶっ込みますが、
拾ったカードの寄せ集めデッキを繰っていた不動遊星が、切り札のスターダストドラゴンを取り戻して、そしてそれがセイヴァー・スター・ドラゴン、シューティング・スター・ドラゴン、そしてシグナーの仲間たちの力を経てシューティング・クエーサー・ドラゴンに進化し、地縛神、機皇帝、時戒神といった強大な敵を打ち破る
この『遊戯王5D's』のストーリーと全く同じ要素とアツさを感じているわけです。
そして、こんなストーリーを我々モノノフはこれからも見続けられるという確信が得られたことが嬉しくてしょうがない。
明確にアイドルとして売り出そうとして世に出たグループが、どれだけ心血注がれても10年かそこらで終わってしまうような残酷な世の中において、15年でもなお終わらずにその先があることの尊さを噛み締めています。

はい、盛大に脱線してしまいました。もはやツアーの話じゃんね。
とにかく、15年進化を続けてきたももクロが携えてきた全く新しい魅せ方、その象徴としてHANDとリバイバルがあり、それゆえこの2曲はわたしにとって至極と言えるのです。

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