【2025年1月】【議会?一般質問?】地域おこし協力隊が議会定例会の一般質問された理由は?地方フロンティア自治体が抱える課題・現状を現役協力隊の視点で考える【日本/埼玉県/秩父/横瀬町/地域おこし協力隊】
皆さん、おはようございます。
横瀬町地域おこし協力隊として
人の「生き方」や「幸せ」をテーマに
【人類学的】ウェルビーイングを実施している
やすこです。
早起きは仕事がはかどります。
12月がめちゃくちゃ忙しかったので、
発信したかったできごとを少しずつしていきたいと思います。
1.地域おこし協力隊ウェルビーイング担当が大切にしていること……政治とは一定の距離を置くこと
人生の節目には、必ず大学院時代の恩師にご挨拶に伺っています。地域おこし協力隊に着任する前にも、事前にその旨をご報告しました。一般的に大学教授というと偉そうで上から目線というイメージを抱かれがちですが、その先生はいつも朗らかで優しく、私に多くの気づきを与えてくださる存在です。卒業した今でも、心から尊敬しています。
先生は覚えていらっしゃらないかもしれませんが、私が「ウェルビーイングを担当します」とお伝えした際、「政治にはあまり関心を持たない方がいいかもね」と優しい表情でおっしゃいました。当時、私は政治に特に興味がなく、関わるつもりもなかったため、その言葉の真意を深く考えることはありませんでした。しかし、後になって先生が何気なくおっしゃったいくつかの言葉が、驚くほど核心をついていたことに気づき始めています。
そのため、自治体、団体、政治が「評価や指標の達成」をウェルビーイングのゴールとする中、私自身は委託型(個人事業主)という立場を活かし、横瀬町の人々の「生き方」や「幸せ」に焦点を当てた【人類学的】ウェルビーイングの実践に取り組んでいます。
大学院ではフィールド調査を軸にした教育人類学の領域で研究を行っていたため、横瀬町に着任してから3ヵ月で自身の活動の方向性を決めました。その結果、忖度や損得を気にせず、この2年間横瀬町で活動を続けられたことを本当に良かったと感じています。
私は政治家にあまり良い印象がありません。
以前通っていた講座で、テーマ「【要注意】天才的変態の絶妙なボーダーラインの果て」でその経緯の一環を書いています。もし、興味があれば読んで頂けると理解して頂けるかと思いますw
と言いつつ、横瀬町は人口約8000人とあって、小さな町だけに、すべてが身近にあるので、自分ごとで町づくりについて考える機会が多くあります。横瀬町の議員さんとも自身の企画やプライベート等を通し、お話を伺う機会が何度もあります。
実は、12月の横瀬町議会定例会にて「地域おこし協力隊」等が一般質問されました。それについて、現役、地域おこし協力隊がどのように想ったのかを発信していきたいと思います。
2.地域に密着した議員さんの活躍紹介
【きっかけ】
●向井議員:「近藤さん、12月の議会で地域おこし協力隊について一般質問をすることにしたよ……」と、11月26日(火)に行われた県議の県政報告会&座談会で、秘書として手伝いに来ていた向井議員が私に話しかけてきました。
●近藤:「えっ、地域おこし協力隊が横瀬町で住みにくくなるような質問はご遠慮ください」とお伝えした記憶があります。
●向井議員:「そんな質問はしないよ。ただ、地域おこし協力隊についていろいろ質問すると思うけど、よろしくね」と言われ、
●近藤:「分かりました! 以前、向井さんが気にしていたことはすでに調べて、noteに公開していますよ! さらに、紙版のウェルビーイング通信『ぬくとまる』でも『地域おこし協力隊』について書いています。私で良ければなんでも協力しますよ!」とお伝えし、以下のリンクを向井議員に共有しました。
久しぶりに向井議員とお会いし、会話する機会をいただきましたが、実は私はこういう日がいつか来ると直感的に感じていました。
そのため、「地域おこし協力隊」について、全国的なトラブルの傾向から横瀬町の現状までを、マクロとミクロの両視点で分析しました。それが実際に役立つ形になったのは、とても良かったと思いますw
ちなみに、私の直感は意外とよく当たります……
そして、今、別件ではありますが、横瀬町について他にも感じていることがあります。これは、数年先ではありますが……w
【向井議員からの想い】
向井議員に今回なぜ横瀬町議会定例会の一般質問で「地域おこし協力隊」等について質問しようと思ったのかを伺いました。
【横瀬町の想い】
当日、一般質問を受け、横瀬町側の回答は以下の通りです。
① **横瀬町の役割** 町として大切にしているのは、「隊員のやりたいことを実現する」ことです。地域との関わりや隊員の困りごとには積極的に対応していきたいと考えています。
② **協力隊の報告会** 今年は自発的な提案をいただいています。来年度以降は横瀬町として主体的に実施したいと考えています。
③ **職員のマンパワー不足** 横瀬町らしい最適なバランスを追求していきたいと考えています。
④ **地域との関わり** 地域おこし協力隊に対する住民の理解をさらに深めていけるよう努めていきます。
⑤ **海士町との関連** 海士町では地域おこし協力隊が69名おり、100人以上の外部人材が活躍しています。若い人材が多く活気があり、危機感を基盤とした行動が取れています。この事例を参考に、横瀬町でも外部人材をより積極的に活用していきたいと考えています。
※地域おこし協力隊の活動を通じて、町にどのような効果(耕作放棄地の活用、秩父メープルの樹液採取、鳥獣被害対策、森林の伐採、ウェルビーイング活動など)がもたらされているかも紹介されました。
【私からの想い】
町では、地域おこし協力隊として1年目7名、2年目7名、3年目9名の計23名が横瀬町で活動しています。私自身もフィールド調査や地域活動に取り組んできたため、向井議員の疑問には深く共感しており、1年目から町民と協力隊をつなぐ役割を果たしたいと考えていました。
発信に力を入れてきた理由は、「地域おこし協力隊は何をしているの?」という町民の疑問に対し、「ここを見れば活動内容がわかります」と示せる場を作りたかったからです。その後、それを見るかどうか、興味を持つかどうかは町民自身の選択次第です。私は自分にできることをしようと決意し、取り組んできました。
現在、横瀬町の地域おこし協力隊は23名に増加し、埼玉県内で最多の町となっています。これは横瀬町にとって大きなPRポイントである一方、今後は地域と隊員をどのように結びつけていくかが重要な課題となると思います。
今回の一般質問は、受け入れ自治体として「横瀬町がどうしたいのか」という真剣な想いを再確認するために向井議員が質問されたと感じています。この想いは、地域に密着している人であれば誰もが感じる重要なテーマだと思います。
議会当日、私は「一般質問」の様子を実際に見ていました。向井議員は、全国的な地域おこし協力隊のトラブルがなぜ起こるのか、その原因を丁寧に掘り下げ、総務省が発信しているハンドブックも読み込んだ上で、知識に裏付けられた形で町に問題提起をしていました。
私自身、この横瀬町で2年間活動してきましたが、ここまで自分事として制度を深く調べ、町民目線や地域おこし協力隊(外部人材)目線で言葉を紡ぎ出す方に出会ったことはなく、そのやりとりには感銘を受けました。
向井議員のことはプライベートでは「向井さん」と呼んでいます。奥様のとんこちゃんや、そのお母様であるえつこママ、そして娘さんのあやちゃんなど、向井ファミリーの皆さんには本当にお世話になりました。私が横瀬町で活動を順調に進めることができたのは、地域の人々との橋渡し役を担ってくださった向井ファミリーのおかげだと心から感謝しています。きっと私以外にも、協力隊として向井ファミリーに助けられた方は多いことでしょう。横瀬町の人々を好きになり、この町そのものを好きになるきっかけをくれた大切な存在です。
本音で話せる関係だと思っているので、嫌なことがあれば率直にお伝えすることもあります。その際も逃げることなく、いつも誠実に対応してくれます。
プライベートな土台がある中で、今回は公私混同を避けつつも、町民や協力隊の想いを向井議員が町の課題としてしっかり届けてくださいました。そのため、見えないところで横瀬町のために尽力されている方を紹介したく、向井議員の許可を得てnoteで発信することにしました。町の皆さんからも「いつも謙虚で親身に話を聞いてくれる」といった声をよく耳にします。また、人によって態度を変えないその一貫した姿勢には、人としての尊敬の念を抱かずにはいられません。町民の皆さんは、派手なパフォーマンスではなく、日常生活に根ざした地道な姿勢にこそ「人の誠実さ」を感じているのだと思います。
向井議員によれば、このような課題については過去10年にわたり議会で訴え続けてきたとのことです。今回の「一般質問」が、なぜ重要なのかが横瀬町にしっかりと伝わることを願っています。
これからも、向井議員のご活躍を祈っています。
3.重要なのでもう一度掲載
総務省が発信している「地域おこし協力隊」の手引き・ハンドブックには、次の通り書かれています。
「地域おこし協力隊員」は、それぞれの人生における大きな決断をして移住し、慣れない生活の中で地域協力活動に従事します。隊員を受け入れる地方自治体は、業務面のみならず生活面も含めてサポートする必要があります。
また、受入自治体が隊員を受入地域につなぎ、受入自治体・受入地域・隊員の三者で「想い」を共有することで、隊員の円滑かつ有意義な地域協力活動を実現することが重要です。
「地域おこし協力隊」制度は、各自治体や地域のニーズに合わせ、隊員が自身の才能や能力を活かして活動する機会を提供します。また、地方で理想とする暮らしや生きがいを見つける場としても活用されています。
「地域おこし協力隊」「地域」「地方公共団体(自治体)」の「三方良し」の取り組みにより、この制度の導入効果が高まると考えられています。
全国的に、この制度に関するトラブルや「地域おこし協力隊」の退任は、受入地域・受入自治体・隊員の三者のミスマッチが原因であることが多いです。
横瀬町は、この制度を利用して移住・定住(個人の選択であり、必須ではない)する隊員が多いため、選ばれている良い「地域(地方)」といえます。
近い将来、人口減少や少子高齢化により、地域の存続が厳しい時代に突入すると予測されています。「地域おこし協力隊」制度は、他人ごとではなく、自分ごととして、横瀬町(地域)の未来を地域全体で一緒に考えるきっかけになるのではないかと私は考えています。
ポイント:「各立場の視点に立つこと」
地域おこし協力隊制度に関する課題は常に、
「地域おこし協力隊」
「地域」
「地方公共団体(自治体)」の各立場で考えること。
3者の「想い」の
バランスが上手くとれた場合に限り
この制度の効果が最大限に近づく。
4.横瀬町で3年目を迎える私のスタンス
横瀬町での日常はとても充実していて、心地よく過ごせています。ただ、2024年には町民同士の政治的なしがらみに巻き込まれたと感じ、悩む場面もありました。
しかし、私のスタンスは特定の派閥に属することではなく、「しがらみなど関係なく、好きな人たちと関わる」ことを大切にすることです。自分の大切な時間をできる限り楽しく過ごしたいという思いから、この姿勢をこれからも変えずに続けていきたいと思っています。
良いことも悪いことも、すべて自分の責任。
自分が嫌だと感じることは、他人にはしない。
噂話に流されず、相手を直接見て、自分自身で判断することを大切にする。 人生はシンプルだからこそ、それを心に留めて生きていきたいと思います。
恩師に言われた通り、これからも政治には適度な距離を保っていきたいと思いますw
本日も、長文を読んでくださりありがとうございました。
また、次回もよろしくお願いします。