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辻村深月さんの『傲慢と善良』
先日息子が結婚する話を書いた中で少し紹介させてもらった辻村深月さんの『傲慢と善良』📖
読んだきっかけはたまたまだったのだけど
読んで良かった
出会えて良かった
と心から思えた本だったので、記録も兼ねて少し詳しくご紹介しようと思う。
『傲慢と善良』とは
ご存知の方もきっと多いと思うけど
発行部数100万部を突破した(2024年10月時点)辻村深月さんの小説。
2019年3月に刊行され、その年の第7回ブクログ大賞・小説部門大賞受賞作品。
2024年9月には映画化もされている人気作品。
タイトルを見た時に、ジェイン・オースティンの『高慢と偏見』みたい👀と思ったけど
実際それに着想を得ていると辻村さん本人がインタビューで語っている。
ジャンルとしては恋愛小説になるのだろうけど
それだけではない内容で
人の心の奥底にある自分では気付いていない部分を突きつけられる、とても学びのある作品。
『傲慢と善良』を読んだきっかけ
今までもnoteに書いてきたけど
最近の私は、読む本が手元になくなると落ち着かなくなる。
この間も、何を読んでいいか分からなくなって
本好きな息子に
「何かおすすめ本ない?」
ときいてみた。
そして、息子がドサッと5,6冊貸してくれた中にあった1冊👀✨
貸してくれた時、息子は内容をあまり覚えていなかったみたいだけど
後になって内容を思い出し
まさにこれから結婚するもう1人の息子にピッタリの内容だと教えてくれた。
今の婚活事情や結婚に関するいろんな問題に関わる話ということになるかな。
結婚を控えてる息子は本を読まない子だけれど
「読んだほうがいいで!」
と強くオススメされていた
多分読まないと思うけど🙄
婚約者が失踪って…サスペンス?と思ったけど
息子がすごくオススメするので
私は一番最初にこの『傲慢と善良』を読むことにした。
とにかく心に刺さる、気づきの多い作品
話は、婚活で知り合い結婚を控えた婚約者である女性が突然姿を消してしまうところから始まる。
婚約者の行方を追い失踪した理由を探っていく謎解きの一面もありながら
物語前半は彼女を探す彼目線で描かれ
後半は自ら姿を消した彼女目線で語られていく。
双方の親や友人関係など周りの人との関わりなども描かれ
人間の内面を深く鋭く描写したものだった。
子を持つ親としても考えさせられることも多い内容だった。
結婚を考えようとする時
相手に対して抱く
「ピンとくる」
「ピンとこない」
という感覚は何なのか?
その感覚の正体。
無意識のうちに自分と相手に点数をつけている
謙虚で自己評価が低いのに自己愛が強い
親は結婚している人生しか知らないから子にもそれを当然のこととして求める
等など…
心に突き刺さる言葉や描写が沢山だった。
誰もがこの小説の中の誰かに自身を投影することができると思う。
私の場合は、恋愛をしていた頃の自分の傲慢さに気付き
親としての自分は自分の経験や価値観に固執しがちであることを反省した。
そして息子たちはどうなのだろうと考えた。
いろいろと考えさせられる小説だった。
これから結婚を考える人、その親である人のみならず誰が読んでも自分自身を振り返るキッカケになる本だと思う。