首を吊ったあの夜 星を見たんだ

 枕を何度涙で濡らせばいいのだろうか
日々、寝るときに将来の不安やお金のこと
色んな責任や不安、そして人恋しさから眠れなくなる日がある。

 そして、僕は涙で枕を濡らす。
だけど、人前に立つ以上僕は気丈に振る舞わないといけない。
それは無理してるとかではなく、決してそんなことではない。言葉では言い表すのは難しい。
こうやってアーティストは自ら命を絶っていくのだろうなと思った。
誰にも話せない悩みや葛藤を抱えて命を絶っていくんだろうなと。
そうはならないようにしていたが、僕もそうなりつつある。
僕らは馬鹿だから進み方を決めてしまうと止まることが出来ない。

 僕も人間だから、1人で寝ることが嫌になる日だってあるし、愛する人と一緒に横にだってなりたい。寂しいのだろうなと思った。
そんな、大きなことから小さい悩み事を日々考えていた。

 昨年の12月、公には伝えていなかったが深夜に首を吊った。結果未遂に終わった。紐がちぎれたんだ、その時走馬灯を見た。
みんなの顔と幼い頃からの記憶が全て浮かんできた、家族、幼少期、保育園の時は不登校気味だったな、いじめられた事や、友達、先生、メンバー、ライブに来てくれる人達、仲良くしてくれるバンドマン、イベンター、昔付き合ったあの娘。自ら死ぬことなんて許されないんだ、なんのために熊本から東京に上京したんだろうと考え不甲斐なさすぎて涙が止まらなかった。
枕の上ではなく地下室の中で涙をこぼした。
僕はやってられず勢いよく外を出た。
外は寒い、死ぬほど寒い。嗚咽するほど走った。自分がどこを走ってるのかなんて分からない。だけど、空を見ると星が煌めいていた。
東京の空の星は見えないと聞かされていたけど本当だった。これは本当だ。
そして、家に帰り曲をつくった。次のライブでやる新曲はその曲だ。僕にとっては暗くて、そして明るい希望の曲なんだ。
心の底から愛していきたいとおもう。

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