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西利の千枚漬けが美味い

西利の千枚漬けが美味い。信じられないくらい美味い。
千枚漬けは、京野菜の「聖護院かぶら」を薄切りにして昆布で漬けたもの。
妻が気まぐれで取り寄せた千枚漬けを口にしてぶっ飛んだ。

「こんなに美味いものがあるのか…!」

「京漬物」というと塩味より酸味が勝っているという印象が強く、ぴんと来ないものの代表格だった。
しかし、年をとって味覚が変わったのだろうか。この千枚漬けには数百年という時の洗礼を受けてそれでも生き残ってきたもの(例えば、サンタマリアノヴェッラのポプリのように)だけに備わる威厳のようなものすら感じられ、思わず箸を置いて手を合わせたくなった。うめぇぇ!

こんな感じの地味な見た目をしている

強すぎない塩味と強すぎない酸味の向こうから、聖護院かぶらの甘みが顔を出している。漬物はしょっぱいものという考えは田舎者の浅薄な思い込みにすぎなかったのだ。
そして、薄く切られていることによる優しい食感。厚切りだったら、あの繊細さはない。

大原の寂光院に行ったにもかかわらず、柴漬けにまったく興味を示さず、手ぶらで帰ってきたかつての自分を殴ってやりたい。
西利は全国展開しているから私のようなあずまえびすにも届いたが、きっと京都にはたくさんの名店があるのだろう。

京都、行こうかな。



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