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怒涛の大人の休日倶楽部パス・第2日目・特急あずさ9号と草間彌生と桜鍋 2025/01/21

スクチャイのむちゃうま旅日記011 長野>松本市(2025.01.21)

★第1日目の成田山と鳥重の話はこちら★


<序> 草間彌生を見たい

草間彌生の作品を生で見たくなった。
それで松本市美術館に行くことにした。
また、松本に行くなら桜鍋が食べたい。

「大人パス」の第2日目は松本に日帰り決定だ。

なお、「大人パス」の説明と第1日目の成田山と鳥重の話はこちら。

1.新潟から松本往復の行程

「大人パス」エリア内で新潟から松本に行く方法は上越新幹線で東京〜新宿に出て中央本線在来線特急で行く方法と、上越新幹線高崎で北陸新幹線に乗り換え長野に出て篠ノ井線で行く方法の2種類が考えられる。

高崎乗り換えで新幹線を使った長野経由の方が圧倒的に早く、新宿乗り換えの中央本線経由よりも約2時間も早着する。

どちらも新潟6:12発の上越新幹線1番列車で出発しての行程比較になるが、乗り換え回数はどちらも同じ2回だ。

運賃を気にする必要のない乗り放題切符なので、一般の考えでは単純に目的地の松本に早く着く方を選ぶだろう。

しかし吾輩は東京〜新宿経由の中央本線で行くことにした。
中央本線の在来線特急に乗るのが久しぶりなので沿線風景が非常に楽しみだ。

行程は以下の通り。

新潟6:12(13) とき300 8:11東京 自由席1-8
新宿(10)9:00 あずさ9 11:39松本4-9A
松本15:50 あずさ44 18:45新宿 12-7D 

特急あずさは全車指定席なので往復で2回分の指定席の権利を使った。
これで指定席の権利は残り4回分になる。

吾輩はえきねっとの操作で上記特急あずさ往復分の指定席を取った。
座席図を見る限り車内はガラ空きであった。
上記行程のあずさの行の右端に書いてあるのが指定席の号車番号と座席番号だ。

座席の指定だが、ネットでちょっと調べると窓枠がかからなくて窓外が見やすい席を知ることができる。

在来線の特急の多くは座席横2列に対して1つの窓があてがわれていて、窓の前側の座席に座ると窓枠が斜め前にあって視界が遮られ窓外を眺めづらい。
窓の外など眺めないという人ならどうでもいいことだろうが吾輩は眺める人なので窓枠にかからない席に座りたいのだ。
(ちなみに新幹線は一席一個の窓なのでどの席の窓も公平だ)

特急あずさについてネットで調べると、松本方面は奇数の席番、新宿方面は偶数の席番とわかった。

しかし発券後に見ると上記行程に書いたとおり新宿方面行きなのに奇数番の座席をとってしまっていたのだ。

単なる吾輩のうっかりミスだったが、このことは当日列車に乗り込んでから発覚した。

発車前なら自分で指定を簡単に変更できたのだが、乗ってから座席を変更したければ車掌に言うしかない。

発車後に車内で車掌に申し出たところ今回は席が空いていたようで気安く座席を変更してもらえた。

まあ一手間かかってしまったが特に大きな問題にはならなかった。

さて東京から帰りの新潟行きは最終列車まで以下があるので任意の列車の自由席で適当に帰るつもりだ。
 
東京 19:36(23)とき341 21:36 新潟 自由席1-7
東京 20:24(23)とき343 22:31 新潟 自由席1-8
東京 20:52(20)とき345 22:55 新潟 自由席1-8
東京 21:20(22)とき347 23:25 新潟 自由席1-8

2.新潟発の「大人パス」はナンセンス?

そもそも東京在住者が「大人パス」を使う場合、当然新潟ー東京なんて不要ですべてが東京発着で日帰りでどこでも行けるので便利!新潟発着なんて不便でしょ!

と言うかもしれない。

吾輩は新潟在住なので「大人パス」で新幹線を利用する場合最初と最後に新潟ー東京往復がもれなく付随してくる。

しかし東京在住者が東京駅が便利と言ってもさすがに東京駅前に住んでるわけではないだろう。

大多数の東京近郊在住者は東京駅に出るまでに乗り換えもあり1時間やそれ以上かかるはずだ。

新潟ー東京の所要時間は最短で1時間半で通常は約2時間だ。

吾輩は新潟駅の目の前に住んでるので住まいから東京駅まで実際ドアto東京駅の感覚で、所要時間は1.5-2時間というわけだ。新幹線は案外本数も多くゆったり座席でくつろげるし、実はすこぶる便利で快適なのだ。

一方東京近郊住まいの人たちはどうだろう。

きっと最寄り駅まで歩くかバスに揺られ、そこから混雑の電車にすし詰め状態で立ったまま移動させられ、さらに何本もの電車に乗り換えさせられ、所要時間は家を出てから1時間以上、下手すると2時間以上でやっとこさ東京駅。

これでは東京駅に着いた時点で1日のエネルギーをほとんど使い果たしすでに疲労困憊している可能性だってある。

つまり下手な東京近郊に住んでいる人より新潟駅前に住む人の方が列車旅はよっぽど便利ということだ。

なので東京人は住所が東京&群玉千茨(ぐんたまちばらぎ)ではない吾輩のことを勝手にかわいそうと思わなくて結構だ。
(そもそも東京にいるおよそ90%の人は地方出身の似非東京人だ。それを証拠に毎回毎回帰省ラッシュのむごいこと!帰省する(=帰る)ということは東京が本拠地の住まいではない人たちだ。本物の東京人は帰るところなどない。つまりどこかへ帰る東京人ではない田舎者たちがゴマンと寝起きしているのが東京という大都市なのだ・余談)

特に今回のように乗り放題の「大人パス」を使う場合は運賃を気にしなくていいので便利さだけの比較になり、そうするとますます新潟駅前在住が東京近郊在住よりも超絶有利となるのだ。

このように新潟発着で「大人パス」を使うことは決してナンセンスではなく、むしろ快適さと時間効率で多くの東京近郊在住者よりも優っている。

再度言うが吾輩のことを気の毒がらなくていいよそこの自称東京人の川越在住の奥さん!(≧∇≦)

3.上越新幹線新潟6:12発の1番列車

新潟6:12発は上越新幹線の1番列車で、乗るのは初めてだった。
この新幹線に乗ると東京に8:11に到着する。

混雑状況がよくわからなかったので当日5:45には出発ホームに上がった。

すると、自由席側の階段を昇りきったホーム上では各自由席車の乗車口ですでにそれぞれ10名程度の列ができていた。
 
昨日乗車した2番列車の6:41発は発車20分ほど前でも各乗車口に2-3人がちらほらいるだけだった。

さすがに1番列車は2番列車よりはちょっと混むかもしれない、と思っていた。
東京に8:11に着く1番列車は大いなる魅力だからだ。

吾輩は階段を昇った後ホームをずっと歩き一番はずれの先頭自由席車両1号車の乗車口で待つことにした。

そこにはまだ誰もいなかったので吾輩が先頭だ。

1号車に乗ると発着駅ではどうしても出口に向かう階段まで歩く距離が長くなってしまうが、それでも少しでも人が少ない方が快適なのでこれからは自由席に乗るならホーム一番はずれの1号車と決めた。

6:12発とき300号は発車約15分前の5:55頃に入線してきてしかも到着後すぐに暖かい車内に入ることができた。
これはすでに車内清掃が完了しているためだ。

東京駅でもそうだが、到着列車の折り返しの場合は車内清掃や点検が入るので、車内に入れるのは発車のせいぜい5分前か、短い場合は1-2分前のこともある。

今回の6:12発一番列車が早めに車内に入れるなら今後もこの列車を使うのはおおありだ、と思った。

寒いホームで出発ぎりぎりまでホームで待たされる、特に自由席の場合乗車口で並んでいなければならないので、それが結構苦痛なのだ。
(グリーン車や指定席の場合座席が確保されているので並ぶ必要がなく、直前まで暖かい待合室かどこかに居て出発直前に列車に乗り込めばいいのだ)

4.(余談)新幹線グリーン車の話

新型コロナ禍以前は頻繁に新潟東京を往復していたがその時はいつもグリーン車を利用していた。

えきねっとで事前予約するとグリーン車でも新潟ー東京は1万円以下の9千円台なので普通車指定席の正規運賃とあまり変わらないのだった。

もちろん事前予約の普通車指定席はグリーン車より2,500円ほどさらに安くなって7,000円台になるのだったが、グリーン車だとJREポイントもお得に貯まることもあってグリーン車を選んでいた。

(当時は2階建て新幹線の2階部分で、たまに走っていた1階建て車両は旧式でグリーン車も若干快適性が落ちていた。なのでどうせ乗るのなら2階建て車両を選んでいた。ちなみに現在は車両がすべて新しく統一され2階建て車両は消えてしまっており、コロナ禍以降に導入された新型車両だ。そのせいもあり普通車も以前よりかなり快適になったのだろう。トイレもウォシュレット完備だ。そういえば今の新しくなってからのグリーン車はまだ体験していないのでそのうち乗ってみるつもりだ)

以前乗っていたのでグリーン車の快適性は充分知っているつもりだが、昨日コロナ禍以降に久しぶりに新型新幹線に乗り、しかも普通車自由席だったのだが何も問題ないどころか十二分に快適だったのだ。

特に昨日は新幹線自由席に乗車直後、東京から在来線普通列車のグリーン車に乗り継いだのでそれぞれの座席の違いを顕著に体感できた。

新幹線の普通車の座席は在来線普通列車のグリーン座席よりもずっと快適だった。
座席の質感、空間の取り方、そして乗り心地。

さすがに新幹線は特別料金をせしめているだけあって、それはスピードが早いだけを売りにしているのではないということを思い知った。

これまで2,500円の差額で新潟東京間の新幹線グリーンの快適さを買っていたことになるが、これからはその間を普通車にして差額の2,500円を美味しい食べ物予算に回した方が賢いな、などと思った。
所詮小市民の発想だろうが実際吾輩は小市民なのだから仕方がない。

そもそも今はグリーン車以上のグランクラスもあるのだ。

上越新幹線にもグランクラスが導入されて久しいが、吾輩はまだ乗ったことがない。
これまでのグリーン車よりももっと快適なのだろう。
なんとなくJALの国内線ファーストクラスを想像しているがそのうち乗りたいね。

で、今乗っている上越新幹線の話に戻すと、11号車のグリーン車(さらに12号車のグランクラス)と吾輩がいる自由席1号車とはそれぞれ列車の両端に位置し、列車の先頭と後尾にあたる。

列車の前か後ろかの違いだが、新潟駅では自由席側のホームに上がる側はエスカレーターがなく階段なのだ。(エレベーターはある)

吾輩は昨日も今日も階段で上がったが、まあ今は日帰りで荷物も少ないしそれぐらいはいい運動だ。

現代人よ、エスカレーターやエレベーターに頼っていてはいかん!

・・・とは思うものの、宿泊を伴う旅行では荷物もあるのでやっぱり階段がつらいこともあるだろう。

新潟駅は、進行後方のグランクラス、グリーン車、指定席に上がる側にはエスカレーターが付いている。

しかし進行前方側である自由席車両の客は階段を昇りなさい、ということだ。

今までグリーン車ばかりで無意識にエスカレーターで進行後方側ホームに上がっていたので進行前方側の自由席車側が階段とは昨日まで知らなかった。

こんな風に新潟駅で自由席車両に乗ると、今までグリーンや指定席に乗っていた人には差がつけられていることに気付くわけだ。

あらかじめ心しておくのがいいね、という話だ。

5.(余談)「大人パス・グリーン車」の話

ところで「大人パス」にもグリーン車ヴァージョンがあるのだ。

JR東日本エリア版で35,000円。

吾輩の18,800円との差額は16,200円。

まあ、ほぼ倍と見ていいだろう。

で、当初吾輩はこのグリーン車用「大人パス」に食指が動いていた。

35,000円でも5日間なので1日あたり7000円でグリーン車乗り放題!?

これでもまだ安くてお得ではあ〜りませんか!

しかし説明をよく読むとグリーン車用大人パスも指定席を取れるのは6回だけだ。

特急や新幹線のグリーン車は全車指定席だ。
つまりグリーン車用のパスを買ってもグリーン車には実質6回しか乗れないのだ。
6回目以降は指定席が取れないので「普通車の」自由席を利用するしかない。

つまりグリーンパスの差額16,200円は6回分のグリーン車の価格と言うことになり1回あたり3240円支払って6回だけグリーン車に乗せてもらう感じだ。

普通車指定席とグリーン車の料金差額は新幹線新潟東京間ではえきねっとで約2,500円だ。

それなのになんで一回あたり3,240円払ってグリーンに乗るねん?という話になる。

自由席グリーン車には乗り放題だが、実際のところ自由席グリーン車は関東圏の普通列車にしかない。

そもそも普通列車のグリーン席は一回あたりJREポイントで600ポイント(600円相当)で乗れるので例えば10回乗っても6,000円相当だ。
そのために差額16,200円出して35,000円の大人パスを買うというのも非合理な話だ。

・・・というわけで「グリーン車用大人パス」は却下なのだった。

東京青森を3往復するなど思いっきり長距離6回分に集中してグリーン車に乗る、などということが今後もしあったらその時は買うかもしれない。

そうでなければ35,000円のグリーンパスなんて要らん。(≧∇≦)

6.東京から中央線で新宿へ

松本へ行く特急あずさは新宿始発だ。

定刻通り8:11に東京に到着したが、そこから新宿に行かねばならない。

恐れているのは東京のラッシュアワーだ。

昨日は総武線快速ホームに下るエスカレーターが最初人混みで見えなくて焦った。

今日は1,2番線の中央線に乗り換えだが、昨日総武線地下ホームに行く手前に中央線1,2番線へのエスカレーターを横目で見ていたので、実は今日は大船に乗った気分であった。

中央線1,2番線からのエスカレーターは大量の乗客が下ってきていた。
昇りも若干の行列だったが気にするほどのものではなかった。

中央線1,2番線は始発終点のターミナルホームということも幸いだった。

これから中央線で新宿方面に行く人はまばらで、2-3分おきに到着する電車は大量の乗客を運んで来ていたが、折り返しで新宿方面へ出発する電車は空同然だった。
吾輩はすぐに出発するがらがらの電車のシートに腰を下ろした。

ここで最近導入された中央線快速のグリーン車を思い出した。

現在のところ一部の導入ということになっていて、3月末頃まで無料で開放しているのだ。

4,5号車らしいが、それならば今吾輩が乗っている隣あたりの車両になるはずだったが、この電車にはグリーン車は付いていなかった。

すれ違う電車を見ていてもグリーン車があるのとないのがあった。
しかし、圧倒的にある方が多かった。

オレンジ色の帯のステンレス車両の中央線電車に、2階建てグリーン車両が2両挟まっているのはなんだか貫禄があった。

できれば今回乗ってみたかったが、つないでなければ仕方がない。
まあ慌てなくてもそのうち乗れる時がくるだろう。

電車がお茶の水に到着したら大量の乗客が乗り込んできた。
向かい側の総武線からの乗り換え客だ。

千葉方面からの通勤客だろう。
一気に車内がラッシュアワーの情況になった。

満員の乗客のほとんどは吾輩と同じ新宿で下車した。

新宿を発車して行った電車はからっぽだった。

7.新宿9:00発松本行き特急あずさ9号

中央線快速の新宿到着時の乗り換え案内放送は、真っ先に「松本行きあずさ9号」を案内した。

快速も中央本線の仲間なので何よりも中央本線の情報を優先しているのだろう。

乗り換えは階段を渡って隣のホーム・・・とのことだった。

特急あずさへの乗り換えは同じホーム向かい側・・・の場合もあるようだが、まあ隣なら昇って降りたらすぐだ。

近くて良かった。

新宿もラッシュアワーの最中だからあまりうろうろしたくない。

出発の30分近く前だがすでに10番線にあずさ9号は入線していた。

車内に入れたのは15分ほど前だ。

今朝の上越新幹線新潟6:12発の一番列車もそうだったが15分ほども前に車内に入れるのは嬉しい。

車内頭上には赤黄緑のLEDがあって、席の空き状況がわかる。
吾輩の頭上は緑で指定を受けている乗客がいることを示している。
黄色はもうすぐ乗客が来るサイン。
赤はその席は今のところ誰も予約していない空席を意味する。

特急あずさは全車指定席でありチケットレスでの乗車もできるのでこのようなシステムになっているのは便利だ。
検札を省略できるので車掌の管理も楽で確実だろうし乗客にもわかりやすい。
特急あずさは、まあそのような新しい車両ということなのだ。
(ひと昔前の列車では考えられなかったシステムなので感心しているわけだ)

9:00の発車直前に吾輩の前の席に30歳を過ぎたような女性が1人やってきた。
どこまで行くのかは知らないが、窓のブラインドを下いっぱいまで下ろしてリクライニングをいっぱい倒した。

別にいいのだが、せっかく窓外を見やすい席を取ったのに前の窓のブラインドを下ろされたら前方の視界が遮られたようなものだ。
しかしこれはさすがに仕方がない。
ブラインドはその座席の乗客に権限があるからだ。

しかし日光も差さない側なのになぜブラインドで薄暗くして窓を隠すのだろうか。
いつも見ている風景なので見飽きている?
まあ開けるも閉めるも見るも見ないも当人の自由なのでいいのだが、それにしても明るいいい天気なのに座るや否やブラインドを閉めてイヤホンか何かを耳に入れてひたすらスマホをいじっている人を見るとどうも社会から隔離されたい自閉症的な人かなとも想像してしまう。

列車は甲府手前で高台を走り右手に見晴らしのいい葡萄畑が見渡せた。
この風景は東京勤務時代から覚えていて気に入っている風景だ。
前に座っているお姐さんの肩をつついて教えてあげようかとも思ったが今の時代うっかりそういうことをやってしまうと通報されてしまう世の中だ。気を付けねばならない。

ところで東京時代は火曜水曜が公休日で山梨の温泉宿にひとりで泊まりに行っていた。
寮のある町田から横浜線で八王子に出てそこから中央本線で長坂という駅までよく通った。

一泊二食で5,000円で山菜天ぷらや宿の人が釣ってきた川魚など季節のものをわんさか出してくれる気さくな夫婦経営の沸かし湯の鉱泉宿だった。

いつしか親父さんが亡くなり宿もなくなってしまったみたいだが。

件の自閉的な女子は甲府で降りて行った。

彼女はブラインドを上げてリクライニングも元に戻して降りて行ったのでまだ褒められる部類の女子だった。

ここからは前方の見晴らしも良くなった。

韮崎を過ぎると右手に八ヶ岳が見えてくる。

8.くだらん話2編

8.1.八ヶ岳

昔昔富士山と高さ比べをした八ヶ岳は南アルプスの駒ヶ岳に判断を仰いだ。

駒ヶ岳は八ヶ岳の方が高いと判定した。

駒ヶ岳は八ヶ岳を指差し「奴が高けー」と言って判定したのだ。

「ヤツがたけー」「やつがたけー」「八ヶ岳」

そこで怒ったプライド高き富士山が八ヶ岳の頭をポカリと殴った。

八ヶ岳の頭は八つに割れてしまって富士山よりも低くなってしまった。

・・・誰から聞いたのか、いつまでもこのようなくだらん話が耳に残っている。

8.2.笑福亭鶴瓶

中央本線にまつわるくだらん話ついでにもう一つ。

ずっと以前の話だが、笑福亭鶴瓶があずさ8号に乗った。

便意を催してトイレに入ったが鍵をかけるのを忘れた。

車椅子も使える広いトイレだったせいで便座に座っていると鍵に届かない。

そこにガシャンと扉を開けて入ってこようとした兄ちゃん。

必死で今使用中!入らないで!と焦る鶴瓶。

兄ちゃんは驚いて扉を閉めたが、鶴瓶は鍵をかけようとおしりを出したまま中腰で扉に近づいて行った。
が、そこで列車は駅のポイントを通過したのかガクッと揺れた。

鶴瓶はおしりを出したままガクッと揺れ必死にこけないように歩きつつ扉まで行きようやく鍵をかけてまた便座に戻ることができた。

鶴瓶はこの時乗っていた列車は「あずさ8号」ではなく「東八郎」だと決めつけた。

便所でおしりを出したままよろけながら歩く自分の姿が東八郎そっくりに違いなかったからだ、とのことだ。

・・・くだらん話をいろいろ思い出す中央本線の旅である。

9.松本で桜鍋を喰う

特急あずさ9号は定刻の11:39に松本に到着した。

お腹がすいている。

吾輩は駅前から真っ直ぐに続く大通りを歩いた。

途中信号で停まった時、背後のビジネス男女がでかい声で年始から最近までインフルエンザにかかって難儀していたという話をしていた。
ともかく男女の声がでかくて背後からインフルエンザウィルスが飛んできそうで気が気でなかった。

吾輩は左に曲がり、インフルエンザ男女から逃れ、予約していた馬肉の店に入った。

桜鍋セット
桜鍋セット
桜鍋セット

想像以上に肉が多くて実にうまい桜鍋だった。

さて腹もくちくなったので松本市美術館に行こう。

10.草間彌生(松本市美術館)

松本市美術館
松本市美術館
松本市美術館
松本市美術館
松本市美術館

草間彌生の生の作品を見たのは初めてだった。

御年95歳で今なお創作力旺盛で昨年もここ松本市美術館に新作を入れている。

入ってすぐの部屋に展示しているのは巨大なチューリップ3点だ。
2023年作。納入は去年2024年。

文章には死を意識しているようなことが書いてあった。

95歳になったら死を意識するのは仕方ないことだろう。

「私が死んでも作品は永遠だ」

その通りだが、ますます創作を続けて欲しいかぎりだ。

有名な南瓜以外は撮影禁止で紹介できないが、鏡と照明を利用したいくつかの作品に圧倒された。

光もの好きには堪らない作品群だった。

吾輩は天体や夜景や蛍など、暗闇にキラキラした光が存在する空間が大好きでなんとか撮影も続けている。

そうだそうだ、こういうの、自分がやりたかったのだ!

鏡の部屋をつくって万華鏡のような光の世界を作りたい、と芯から思った。(いつか吾輩も実現するぞ)

美術館のスタッフは皆親切で博学で勤勉であった。

吾輩の質問にも真摯に詳しく答えてくれ、説明のための自家製メモ書きが凄かった。

スタッフの熟年スタッフ6年目というKさんは、香川の美術館の屋外に展示していた草間彌生の作品「南瓜」が水害で流れ、後日海にプカプカ浮いているのが発見された話を嬉しそうにしてくれた。

Kさん自身はあいにくタイミング的に草間彌生氏に直に会ったことも遠くからでも見たことないとのことだが、別のスタッフによると草間彌生氏が3年ほど前にこの松本市美術館に来たときはすでに車椅子だったとのことだ。

東京のアトリエではきっと若い美術制作スタッフが何人もいるのだろうが、それにしても入ってすぐのところに展示している2年前2023年の作品チューリップの3点は、完成時点で93歳だ。
こんな巨大なチューリップの作品をよく作ったものだ。
作品を見る限り、若々しく初々しい。
原形はかなり昔からあるのでそれを形にしただけだ、とのことだが・・・

美術館の展示替えは暖かくなって桜が咲く頃よ~とKさんが言った。

そのころまた行きたいね。

また新作が置かれるかもしれないのでこの美術館は目を離せない。

また行こうと思う。

11.特急あずさ44号 松本ー新宿

特急あずさには多くの駅に停まっていくタイプといくつかの駅をすっ飛ばしていくタイプの2種類がある。

来るときの特急あずさ9号は駅をすっ飛ばすタイプで、八王子から甲府までノンストップだった。

帰りの特急あずさ44号は多くの駅に停まる方で、あずさ9号ですっ飛ばした塩尻、岡谷、下諏訪、富士見、小淵沢、韮崎、石和温泉、山梨市、塩山、大月に停車する。

17:02発の甲府も過ぎ、17:17発の塩山を過ぎる頃、窓の外は暗くなった。

17:45発の大月では河口湖からの富士回遊44号と併結したようで、あずさ44号の方にも客がたくさん乗ってきた。

吾輩の隣にも客が来た。

その客は少し離れた通路側の席の子供と中国語で話し出した。
大月乗り換えなので富士山観光の中国人のようだ。
車内は満席になっていて、話し声を聞いていると半数ぐらいが中国人のように思えた。

12.東京駅で駅弁を買う

銀だら幕の内
銀だら幕の内
銀だら幕の内

東京駅で駅弁を買ったが、帰ってから自宅で食べる用である。

吾輩は昔からどうも列車の中で弁当を食べるのが好きでない。
まずは揺れるからだ。
そして、暗い夜はまだしも、昼間は景色に集中したいからだ。

よく「車窓からきれいな景色を眺めながらおいしい弁当を食べましょう!」

などと言う人がいるが、吾輩には弁当の食べ物と外の風景を同時に眺めて楽しむのは無理だ。

どっちかに集中させてほしい。

で、買った銀だら幕の内はおいしかった。

東京駅22/23番ホームの駅弁屋で買ったが、「大人パス」を見せると10%値引きしてくれるのもまた良かった。

(おわり)

★第2日目の鉄道経路と行動まとめ

新潟(13)6:12 とき300 8:11東京 自由席1-8
333.9km
東京ー新宿
10.3km
新宿(10)9:00 あずさ9 11:39松本4-9A
225.1km
12:00 桜鍋セット
13:30 松本市美術館で草間彌生作品を鑑賞
松本15:50 あずさ44 18:45新宿 12-7D
225.1km
新宿ー東京
10.3km
東京 19:36(23)とき341 21:36 新潟 自由席1-7
333.9km

走行距離合計km:1,138.6km
333.9+10.3+225.1+225.1+10.3+333.9

★★【目録】「大人パス」5日分旅日記★★

★第1日目の成田山と鳥重の話はこちら★

★第2日目(松本行き:草間彌生と桜鍋)の話はこちら★(このページ)

★第3日目 品川-仙台常磐線特急ひたちの話はこちら★

★第4日 とき312号新潟-東京で開高健邸と餃子&麻婆豆腐★ 

★第5日 はやぶさ15号で仙台セリ鍋&松島★

(おわり)

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