七つの子|秋の童謡アレンジ2
9月は毎週火曜日に秋の童謡のクラシック風アレンジを出しています。
今週はその二回めになります。
第一回の「蟲のこゑ」はこちら。
今回は七つの子。
これは「カラスなぜ鳴くの」で始まる可愛らしい童謡です。
最初、カラスのヒナの写真を見出しに使おうと思ったのですが、止めました。
調べたら、あまり可愛くなかったので。^^;
でも、バードウォッチングをしている時に見かけるカラスの巣立ち雛は、もうほとんど親と区別できないですが、ア˝ー、ア˝ーという甘え声を出して親に餌をねだっている様子は、バカっぽくてとても可愛いです。
さて七つの子は、野鳥オタクの家内に言わせると、「絶対に秋の童謡ではない。なぜって、秋にはもうみんな大きくなっているから」だそうです。
でも、カラスというと私は枕草子のあの有名な一節が思い出されまして、敢えて今回の秋の童謡シリーズに入れることにしました。
タイトルの七つの子の七つが、何をあらわしているのか、大きく二つの説があるそうです。
七匹の子なのか、それとも七歳の子なのか。
カラスは7個も卵を産まないし、一年で成鳥になるから七歳の子はあり得ない。
この歌には、カラスに仮託して、作詞者の我が子を愛おしむ気持ちが込められているのではないかと思います。
丸い眼をしたいい子だよ
この最後の一節を聞くと、私はいつもうるうるしてしまいます。TT
七つの子
作詞:野口雨情
作曲:本居長世
歌:緑咲香澄(CeVIO)
編曲・DTM:古い音楽帳(音楽帳工房)
Art Work:わーいさん(イラストAC)
☆
アレンジの解説
曲は、ヴィオラ・ダ・ガンバの歌メロによる序奏で始まります。
ヴィオラ・ダ・ガンバは、歌が入った後も、かまわず次の歌メロを続けていますので、意表を衝かれれた方もいらっしゃると思います。これはカノンの形に作ったアレンジになっていまして、ヴィオラ・ダ・ガンバが奏する歌メロを、ボーカルが模倣して追いかける形になっています。
こういうアレンジにしますと、ずらされたメロディー同士の重なり合いによって、思いもよらないハーモニーが生れます。それを効果的に活かすために、もう一つか二つの楽器を使って、それぞれ違うメロディを重ねます。これはたまたま、二声のカノンにピアノとフルートを入れた形を取りましたが、メロディーの重ね合わせで曲を組み立てるのは、私の基本的なやり方です。コード進行は、結果的にできるもので、作る時には意識していません。
カノンになっている部分が終わりますと、間奏をはさみまして歌の最後の一節がもう一度歌われて、曲が締めくくられます。
このアレンジではフルートも使っています。フルートはほとんどボーカルとオクターブのユニゾンで重ねていますが、自由に歌わせているところもあります。またピアノは、主に四声体の補完を兼ねて、自由な旋律を担当させています。
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