きらきら星のキラキラアレンジを作りました
「いちねんのうた」のコラボでお付き合い頂いているTokkoさんは、Webで子供向けの英会話教室を運営されていますが、そのTokkoさんから、こんなお話を聞きました。
私が思いついたのは、替え歌です。
みんなが知っているメロディで替え歌を作れば、歌いやすく覚えやすいと考えまして、「きらきら星」の替え歌で作ってみようと思い立ちました。
替え歌は同じメロディですから、きらきら星のアレンジを作れば、流用できます。そこで、まずはきらきら星のアレンジを作りました。
きらきら星にちなんで、キラキラアレンジです。^^
歌は、マルチリンガルの女声バーチャルシンガーSaki AIを使いました。
歌詞は、英語のものを使いました。
歌の中にDiamondという言葉が出てきます。
それは後で聴いて頂くとして、このボカロちゃんの発音は「だいもん」と聞こえました。
「ど」は聞こえないとしても「あ」が聴こえてこないのは何故だ?
そう思って英語辞典で発音記号を調べましたら、
dάɪ(ə)mənd
となっていました。
「あ」は()の中に入っている
つまり、だいもんでもいいわけだ
ところが、音節を見ますと、
di・a・mond
と、3つに分かれている。
ということは、二つ目の音節を発音しない場合もあるわけです。
こんな些細なことに何故こだわるかと言いますと、英語歌詞は音節単位で譜割する原則があるからです。
三つの音節があるなら、音符が三つ必要ですが、音節が二つなら一つ少なくしないといけない。
そう思って、きらきら星の楽譜がどうなっているのか調べてみました。
Diamondは第7小節にあります。
音節は、dia・mond と2つの区切りになっています。
これは困りました。
辞書が正しいなら、楽譜の表記は誤っていることになる。
楽譜を載せた編集者が「だいもん」と発音する人だったので、間違って2音節にしてしまったのかもしれませんが、あるいは、「あ」を発音してもしなくてもいいように、曖昧にしたのかもしれません。
そうだとしますと、「あ」を発音するなら四分音符を二つの八分音符に分割して「ダイ・ア」と歌えばいいことになります。
そのあたりは、厳密に考える必要はないのかもしれませんが、今後の課題にしておきたいと思います。
☆
ここからはアレンジのお話です。
上の楽譜は普通に歌われているものです。
私のアレンジではリズムをかなり変えました。
その理由は、原曲のタン・タン・タン・タンというリズムのアレンジでは平凡でつまらないと思ったから。
タン・タンは、「淡々」に掛けても面白いのですが、「坦々」と書きたいです。
坦々には「平ら・平凡」という意味があるそうです。
なので、タン・タン・タン・タンは、文字通り「坦々」リズム!
(これを言いたかった^^)
ただ平凡といっても、それは旋律進行の話です。
これに歌詞が付くと変わります。
例えば英語で歌う場合はどうかと言いますと、
Twin-kle[twíŋkəl]Twin-kle[twíŋkəl]
と始まりますから、発音のアクセントとメロディの四拍子のアクセント(第一拍と第三拍)が一致しまして、英語特有の躍動感が得られます。
ですから、このリズムは歌の要素として決して平凡ではないと思います。
ただ、アレンジャーとしては、ちょいと捻りたくなるんですね。^^
何をひねったかと言いますと、その躍動感を強める工夫をしました。
といっても具体的には、アクセントが付いた音節を長めにしまして、タンタ・タンタというリズムに変えただけなのですが。
楽譜にするとこんな感じです。
4拍めの区切り以外、すべて三連符のタンタのリズムに統一しています。
こうして見ますと、ワードの音節アクセントだけでなく、センテンスのイントネーションの強弱も、強が「タン」に、弱が「タ」という具合に比較的よく一致することがわかりました。
さて、アレンジの話題はリズムのことばかりでしたが、これは何といってもキラキラアレンジです。
それは、言葉で説明するより聴いて頂くのがいちばん。
ということで、キラキラにご興味のある方も、是非ご視聴ください。^^
バーチャルシンガーは、歌はお上手ですが、所詮機械。
人間味がないし、発音も信用できん!という方もいらっしゃると思いますので、このアレンジを、バイリンガルのリアルシンガーTokkoさんに歌って頂きました。
Tokkoさんのお話では、思わず声を張り上げて歌ってしまったとか。
それはたぶん、タンタのリズムのせいでしょう。^^
でも、とてもきれいに録れていました。
私がミックスした音源は、近くTokkoさんから公開されると思います。
是非お聴き下さい。
人間味があって発音もばっちりのきらきら星が聴けますよ。