Tokkoさんとの初コラボです
私のコラボレーション作品の紹介記事です。
今回のお相手はTokkoさん。
その可愛らしい詩「わたしはとても雨がすき」に曲付けさせて頂きました。
このコラボは、🍀アートとメルヘンと創作の森🎨🍎さんからのご提案で実現したものです。そのお話があった時、初めてTokkoさんの詩「わたしはとても雨がすき」を拝見しました。
とても音楽的な詩だと思いました。
詩を読むと、そのままメロディになってでてくるような詩。
これは、可愛らしい童謡になる。
そう思いまして、是非この詩に曲付けさせて頂きたいと、Tokkoさんに申し上げました。
ただ、このお話があった6月は、私は別のコラボの仕事をいくつか抱えていまして、それが仕上がる頃は私の創作意欲が低下する真夏の真っ盛りということで、曲付けは秋口くらいというお話をさせて頂いておりました。
涼しくなるのを待っていましたら、ちょうどお盆ころ、一週間ほどでしたがとても涼しくなりました。ところが、あいにく例のワクチン接種の2回目を受けたばかり。大した副作用はありませんでしたが、気力が萎えてしまって、創作意欲が出てこない。そのうち、また暑い夏がぶり返してきました。
その暑さが、一段落するきっかけになったのは8月30日の夜の出来事です。
話が少々長くなりますが、ご容赦ください。
飼い猫たちはいつものように、ダイニングの窓の外側に張り付いて虫を捕食するヤモリ(やもさま)を捕らえようと待ち構えていました。やもさまが登場すると、猫たちは代わる代わるポーを伸ばしてガラスをこすります。
これは、別の日に撮影した画像ですが、うちの♂たちは、やもさまの大ファンなんです。=^_^=
mikepunchさんのおにぎりキッズ姉妹を見てるのかと思いきや・・・
狙いは、やもさまだった^^
「なぜ捕れないんだ?」と思っているのかいないのか、とにかくしぐさが面白くてついつい見ていたのですが、その時窓の外が時々光ることに気が付きました。
遠雷でした。
雷鳴は室内ではほとんど聞こえない程度。
これはその時に撮影した画像です。
その後、急に気温が下がりました。
翌日の8月31日は、気温が25℃に届かない涼しい一日でした。
涼しいうちに、と思いまして、早速Tokkoさんの詩への曲付けを始めました。
詩はこう始まります。
ちとん ちとん 雨の日は
もう出ておいでと 声がする
この「ちとん」は雨音の響きとして、とても印象的です。
私には階名で「ミソ」と聴こえました。
そして一行目と二行目が次のように脳内変換されました。
ミソ ミソ ソミミレミ
ドードレミミミド レレドレミ
あっ、この調子で説明を始めると日が暮れてしまいますね。^^;
曲の方は、日が暮れる前にはできていたのですが。^^
曲をまだ聴かれていない方は、どうぞこちらでお聴きください。
Tokkoさんから、今回のコラボをご紹介頂いた記事です。
Tokkoさん、丁寧なご紹介どうもありがとうございました。
歌の方は、とりあえずですが、AIの音声合成システムの一つで無償版のNeutrinoを使った東北ずん子です。ずん子ちゃんは、東北三姉妹の次女でして、三人の中では一番おとなしめで、その割には発音が明瞭で童謡唱歌には一番合っていると思います。
イメージカラーも、名前の由来になったずんだ餅みたいですね。^^
ところで、歌はとりあえず東北ずん子と申しました。
実はふみさんに歌って頂く予定にしていたのですが、詩に合わせて雨の季節に公開したくて、いわゆるボカロ仕様のまま出すことになりました。オケも今回時間がなくて、Kontaktのおまけに付いてきたチープな音源で間に合わせました。
ふみさんには、歌入れのご了解を頂いていまして、たぶん公開は月末近くになるかと思います。オケをブラッシュ・アップしまして、最近入手したビエンナの本格的オーケストラ音源を使う予定です。
また、これはまだ思いつきと伺っていますが、Tokkoさんから、「わたしもうまく録れたら、公開したいなぁ」と、うれしいお話も頂いています。
Tokkoさん、今度は豪華オケですよ。
カラオケ作りますから是非お願いします。^^
🍀アートとメルヘンと創作の森🎨🍎さんに取り持っていただいたご縁で始まったコラボでしたが、これからまた、いろんな展開がありそうで、とても楽しみにしております。
☆
最後に、恒例、でもないんですが、今回の音楽制作の裏話を少々させていただきます。童謡唱歌の制作にご興味のある方は、どうぞお付き合いください。
さて、童謡・唱歌は二部形式という音楽の最も基本的な形式で作られるものが多いです。二部形式は唱歌形式と呼ばれることもあるそうです。
これは、二部形式の模式図です。(出典:Wikipedia日本語版)
この模式図で、a' とa” はaの変化形で、b'はbの変化形です。
さて、Tokkoさんの「わたしはとても雨がすき」は8つのパラグラフで構成されています。仮に、8つのパラグラフを上の模式図の4つの区分 に振り分けて曲付けしようとしたら、反復(リピート)を取り入れれば簡単です。
つまり、上の4つの区分を2つ並べて要素の数を8にして割り当てれば、ばっちりです。
ただ、このような形式的な振り分けができるかどうかは、詩の構成次第です。第1パラグラフと第2パラグラフで言葉のリズムが全然違っていたなら音楽的にうまく流れません。a’ は、aと似たリズムと抑揚になっていた方がきれいに流れます。また第1と第3が似通っている場合は、音楽の流れに変化を付けるために必要なaとbの違いを、十分に際立たせることができませんから、平坦で単調な曲、言い換えればつまらない曲になります。
そこで改めて、Tokkoさんの詩で、言葉の構成がどうなっているか見てみましょう。数字はそれぞれ区切りまでの言葉を、発声を考慮して数えた音数です。例えば「もう」の発声は「モー」ですので音数は1になります。
第1パラグラフ 3・3・5・7・5
第2パラグラフ 3・3・5・7・5
第3パラグラフ 7・5・4・3・5
第4パラグラフ 7・5・3・4・5
第5パラグラフ 3・3・5・7・5
第6パラグラフ 3・3・5・7・5
第7パラグラフ 7・5・4・4・5
第8パラグラフ 7・5・3・4・5
こうして数字だけ見ますと第1と第2は同一ですし、第3と第4は極めて似ています。従って模式的にはa a' b a' ではなくて、a a' b b' と捉えますと、音楽的にも無理のない形で自然に流れそうです。
第5~第8パラグラフも同様ですので、曲全体の構成を模式的に書きますと
a a' b b' a a' b b'
になります。
ここで、先ほど挙げた二部形式の模式図をもう一度ご覧ください。
こうして見ると、Tokkoさんの詩は、典型的なa a' b b' 構成の二部形式が反復された構造の曲になるんですね。(構成の反復は、歌の1番、2番と見ることもできます)
以上、ごちゃごちゃと書きましたが、私が詩に曲を付けるとき、いちいちこのような図解まですることはありません。直感的に音楽を付けるだけなのですが、今回曲付けの過程で実に音楽が付けやすい詩だと思いまして、その理由を後付けで考えた次第です。つまりTokkoさんの詩そのものが典型的な二部形式、つまり唱歌形式の童謡になる構成になっていたんです。それでたぶん、音楽が付けやすかったのだと思います。
この形式ではほとんど実作の経験がなかった独学自己流のアマチュア音楽家の私にとりまして、今回のコラボは大変貴重な経験になりました。
あらためて、Tokkoさんに感謝したいと思います。