今シーズンからMリーグを見始めたいち視聴者の雑感
昨日、麻雀のプロリーグ戦『Mリーグ』の2021-22が終わった。
激闘の末、優勝はKADOKAWAサクラナイツに決まった。
本当におめでとうございます!
Mリーグとの出会い
わたしは今シーズンからMリーグを見始めた新参者だ。
そもそも自分自身、麻雀を始めたのが一昨年2020年の12月頃。つまり2020-21の中盤くらい。
そのシーズンの終盤頃、普段一緒に麻雀をしている人たちがMリーグの話をしていたのを聞き、最終日におもむろにABEMAの麻雀チャンネルをつけた。
そこで映った内川幸太郎選手の顔が印象に残った。
申し訳ないが、麻雀を打つ表情の話をしているのではなく、ただただ見た目の話をしている(元々ジャニーズのファンを長年やってきたせいで自分がかっこいいと思う見た目の人にすぐ飛びつく傾向があり……本当にすみません……)。
最終戦は結局ちらっと見ただけだったが、そのとき思った。
「今シーズンは間に合わなかったけど、来シーズンはMリーグを見たい。周りの人とMリーグの話をしたい」と。
実際にMリーグを見て
開幕前のサクラナイツのオンライン壮行会なども見て、内川さんがきっかけでMリーグを見ようと決めたことだしひとまずサクラナイツを応援しようという気持ちでMリーグ視聴に臨んだ。
ちなみにわたしは現在海外在住だが、ABEMAで放送される番組で海外視聴可能なものは限られている中、Mリーグは見られるようになっている。
見始めたらはじめから楽しくて仕方がなかった。
シーズンが終わって振り返ってみると、ほぼ全試合をリアルタイムで視聴していた。
初めてMリーグを見た前シーズン最終戦の時は、手牌を追いきれず、かと言って推しチームがいるわけでもないので誰かに注目する気にもなれず、見ていてもあまり楽しめない気がして途中で見るのをやめてしまった(自分で打ちたくなったというのもある)。
だがそこから自身の麻雀経験値が上がったこと、そして応援する人やチームができたことで麻雀を見ることを楽しめるようになったのだと思う。
ここからはひとつのシーズンを終えて、印象的に感じた選手について書きたいと思う。
内川幸太郎選手
冒頭で書いたように見た目に一目惚れしたわけだが、結局内川さんのことはずっと好きなままだった。
印象的だったのは、レギュラーシリーズの出だしからあまり調子がよくなかった内川さんが三倍満を和了した11/19の第1試合。
確かそれよりも前に行われた試合で清一色を和了した時もそうだったが、高い手を和了すると点棒授受の時に堪えきれずにこにこしてしまうところがすごく好きだ。
そしてファイナルシリーズ最終日の内川さんを見て、改めて好もしく感じた。
まず、1戦目の対局中の表情がすごくよかった。
特にリーチをかけて勝負に出ている場面は、顔つきが真剣そのもので、画面に映った瞬間ぞくぞくした。
対局中に感情が顔に出やすいタイプだとは思うが、あれほどの表情が見られたのは初めてだったように思う。
また、内川さんがサクラナイツのリーダーであることを、ここにきてようやく心の底から理解できた。
普段チームでいる時、内川さんはにこにこしながら他の人たちの仲介役をしているイメージだ。バランサーという言葉がよく似合う。
少々クセのある堀さん、勝ち気な岡田さん、マイペースな沢崎さん、そして選手ばりの存在感を放つ森井監督の中にいると特別目立つ印象は受けづらい。
だが最終戦後、堀さんのもとに集まった際に岡田さんや森井監督が感極まる中その様子を微笑ましく見ていたり、インタビューを受ける時のどっしり構えた様子を見ると、「この人がチームのリーダー的存在なんだな」と頭ではわかっていたことがはっきり画として見えた気がした。
ついでに書き添えておくと、内川さんがメガネを装着しているのがすごく好きなので、かけるタイミングがいまいちよくわかっていないのだが、これからもたまにかけ続けてほしい。
近藤誠一選手
Mリーグを見始めて、打ち筋に初めてどきっとさせられたのが近藤さんだった。
今季初登板の10/7の第1試合。
元々役なしでテンパイを入れていたところに白をツモって役ありに変化。
プレイヤーズ解説に来ていた風林火山の勝又さんが「リーチするんじゃないか」と話す中、この手牌からさらにリーチをせず三色変化などを狙ったダマテン続行。
結果はそのまま四萬のツモ和了となったが、この時の貪欲な姿勢にどきどきしたことを今でも覚えている。
それ以来、近藤さんのあっと驚くような選択に期待を寄せている。
鈴木たろう選手
おもしろい麻雀といえば雷電だが、わたしはドリブンズの選手の麻雀を見ているとすごくわくわくした。
特にたろうさんの「それ鳴くの?」とか「それ押すの?」と思わず言いたくなるような選択には、どきどきしながらも目が離せなかった。
加えて、喜怒哀楽が一発でわかる試合後のインタビューにも好感を持った。
萩原聖人選手
萩原さんの試合後のインタビューが好きだ。
登場シーンもそうだが、とにかく華がある。
さすが俳優を長年やってきた人だけあって、見せ方が上手い。
Mリーグでの対局の成績は奮っていないとデータでは出ているが、それでもこの人は必要な存在だと思わせられる。
瀬戸熊直樹選手
瀬戸熊さんのストイックな姿勢と人柄の良さに惹かれた。
今季は成績は振るわなかったが、素人目で見ていても運が悪くないか……?と思ったので、来シーズンはもっといい波が来てほしい。
黒沢咲選手
自分の打つ麻雀がメンゼン寄りなこともあり、ちょっと鳴いただけでざわつかれる黒沢さんの麻雀に興味を持った。
今年2月に発売された黒沢さんの著書『渚のリーチ!』を読み、現在の麻雀スタイルに至るルーツの一端に触れたことで、その興味はより強くなった。
迂闊に真似すると返り討ちに合う打ち筋、そしてあの凛としたたたずまいに憧れる。
いち視聴者としての来シーズンへの意気込み
上述した内容も踏まえ、来シーズンはKADOKAWAサクラナイツに加え、赤坂ドリブンズとTEAM雷電も含めた3チームを応援したいと考えている。
今シーズンはとりあえずという気持ちでサクラナイツを応援することに決めたが、まるで家族のようなチームの雰囲気は見ていて微笑ましく、麻雀の安定感も3シーズン連続のファイナル進出という事実が裏付けている。
とにかく見ていて安心するチームだ。
連覇がかかる来シーズンも引き続き“桜援”したいと思う。
ドリブンズは上述したように、たろうさんの麻雀と人柄にとても好感を持っている。
そして園田さんの鳴きと喋りも見たいし、今季は不遇だった村上さんの活躍も見たいし、年々成長している丸山さんのさらに成長した姿も見たい。
各選手に見どころがあり、それを見届けたい気持ちがある。
雷電は3選手に感じた魅力は前述の通り。加えて今季加入した本田さんの活躍にも期待したい。
今季は新加入選手が5人いたが、個人的に本田さんだけがぼんやりしたまま終わってしまったように思う。
それはMリーグという特別な舞台のせいかもしれないし、ルールのせいかもしれない。チームの成績が下がっていく中で打ち方を制限せざるを得なかったのかもしれない。
もしかしたら、原因なんてはっきりしたものはなく、ただツイていなかったのかもしれない。
来シーズンは北陸の役満プリンスの輝く姿が見たい。
そしてチームを応援するかはまだ決めかねているが、セガサミーフェニックス近藤さんの麻雀にも引き続き注目したい。
ただ吉野監督のキャラクターに面白さを感じているので、推しチームが増えるのは時間の問題かもしれない。
おわりにーMリーグがくれたものー
わたしはMリーグで初めて、チーム対抗戦のおもしろさに触れた。
スポーツでいえばプロ野球やJリーグなどがわかりやすいが、チーム同士で競い合う状況でどこかのチームを応援するという経験をしたことがこれまでなかった。
また、本来麻雀は各プロ団体のリーグ戦のように、ひとりが他のひとりたちと戦うゲームだ。
普段はひとりで戦う麻雀プロたちが、所属団体の垣根を越えてチームを組み、チームを背負って卓上で戦う。
今までしてこなかったチームを応援するという経験、そして普段は孤高の戦いを繰り広げるプロたちのチームを背負った戦い。
いわばわたしにとって、Mリーグはちょっとした『非日常』だった。
昨日の優勝チームが決まった熱戦が、まだどこか幻のように感じられる。
また明日になれば普通に試合があるんじゃないかと錯覚しそうな、ぼんやりとした気持ちのままだ。
だが明日を迎えてももう試合はない。
ちょっとした喪失感を覚えながら、徐々に『非日常』のない日常に慣れていくのだろう。
そしてすっかり慣れきった頃、また新たなシーズンが始まる。
ちょっと緊張したような新鮮な気持ちで迎えるその日が、今から楽しみだ。