Hero's Come Back
Larry Nance Jr.
シーズン序盤では身体的に問題を抱えているように見えたが、今日の試合を終えて体の調子はどうだい?
『ここ数年でよかった時と同じくらいにいい状態だと思う。ようやくここから始まるような感覚だ。君もよく知ってるように、足首、股関節、その他にもちょっとしたものはまだ治ってはいないけど、今はただ気分がいい。スタッフ陣が費やした仕事も素晴らしいものだったし、この休養期間で自分自身を取り戻すことができたと思っている』
定期的に体を休ませた方がよいと思いますか
『いや、そういうことじゃないさ。休みたくはなかったんだ。ただ、全ては肋骨を骨折してプレーできなかったところから始まっているからね。だから休まなければならなかったというのが正しい。まぁ、普段ならリハビリして試合に向け準備を整えるところだけど、今回はなかなかそうもいかなかったんだ。その中でもトレーニングで何度も反復して行った。コンディションの変化は直結して俺の体にも変化をもたらしている。これに携わってくれたすべての人に感謝しているよ』
あなたは今日こうして戻ってきましたが、チームとしてあなたに何を求められていると思いますか
『チームが選手に何を求めるかは毎晩違うんだよ。今夜はたまたま俺のプレーが相手にハマっただけのことさ。今日の試合を見てただろ?ラウリにケリー、それからジョンコリンズみたいなストレッチビッグがいて、彼らはペリメーターを行き交うことができる。JVには苦しいマッチアップだろう。彼らがウォーカーケスラーを出してなかったらね。だからこの試合は俺が活きる展開だったってわけさ。このチームは毎晩違う選手たちがステップアップする必要があることを十分理解している。俺達がそれ程の高い才能を有しているのは天からの授かりものでもあるし、呪いでもある。例えば前半トレイ・マーフィーの得点はゼロだった。信じられるか?あの男がゼロ得点で前半折り返すなんてありえないことだ』
『しかし、それでも俺達は前半リードで折り返した。それはこのチームに多くの優秀で、才能のあるスコアラーが各ポジションに散りばめられているからだ。だからこそ毎晩必要なものが異なる。それが俺達が今後成長するには欠かせないものだ。毎晩違うんだ。ある夜はそれがZ(ザイオン)になるかもしれないし、前半だけZが、後半は別の選手が担うかもしれない。あるいはCJやみんなが素晴らしかったように、俺達はただ、そうする必要があると思ったことをしているにすぎない。この選手はこれだけ、あの選手はこれだけという固まったゲームプランではなく、今日の試合のようにそれぞれが穴を塞いで勝つしかない。それをやっていくにはこのチームは才能が有りすぎる。しかし、それだけのものをすべて使いこなせるようになれば、俺達を止めるのは本当に大変なことになるだろうね』
今日の試合は仰ったようにできることを見つけ出そうとする過程の一部だったと思います。今日はいつもとクラッチでのやり方が違うように見えましたが、それについてどう思いますか
『もっと根性を見せられれば、より簡単な試合展開になったかもしれないね。ただ、勝たないためにプレーしたり、時間を無駄にしているとは思わなかったな。この数試合は時間が早く過ぎろと時計を見ているような感じだったからね。時間を無駄に費やすのではなく、どんどん積極的に仕掛けていくべきなんだよ。だって相手が俺達を止められるわけがないんだからさ。この数試合、俺達は何故ガス抜きをするのだろうってそう思ってたよ。それから俺達には少しの根性が必要だ。今日のハーブを見てくれよ。ナジも素晴らしかった。それからトレイ・マーフィー、やつも最高だった。あれこそシューターとしての気概を感じたね。3Qまでまともにスリーがはいってなかったけど、それでもステップアップしてトンネルを掘りぬいた。あの最後の2本のスリーはまさにそういうことだろ。もし彼が試合中にシュートを打つのをやめてたら、きっと今日の勝利はなかったと思うよ。勿論全員がやるべきことをやっての勝利だと思ってるけど、今日の試合と少し前の試合の違いはそうした些細なものじゃないかな』
BIは3Qで本当によく調子を上げたと思う。スクリーンから彼を見てる人がたくさんいたように見える。それはあなたの努力だったと思うんだけど、どうかな
『BIには広い視野と駆け抜ける勢いがある。だから可能ならコートの高いところから彼のためにスクリーンを仕掛ける、そうすると彼には時間があるから長いドリブルで外に持ち出して、ペイントの中外で好きに動けるようにできる。相手チームが彼をマークするには消極的だと思っていたので、よりそう思っていた。展開の遅いプレーが彼にとって難しいとは言いたくないけど、彼を活かすならよりトランジションでプレーさせるか、あるいはビッグマンがボールスクリーンに全力疾走で来てくれるタイプのほうが彼は優れている。スクリーンから外れることもあるし、相手を引っ張り出さなきゃいけないときもある。アイソレーションの動きもあることはわかっているけど、それで多くの得点を積み重ねるのが難しいのもまた事実だろ。だから彼を自由にするために体を張るのさ。ランダムにスクリーンを仕掛けて彼をフリーに出来れば、相手はより困ったことになるからね。君は俺の仕事がいかに簡単かを知っているだろう。俺は彼らほど難しい仕事はしていないけど、彼らの道を切り開かなければいけないんだ』
トレイは最後の数分まで厳しい夜を過ごしたと思う。彼が4Qでシュートを外したのを見てベンチに下げなければならなかったと思うが、試合の終わりに彼が戻ってきたときに何か声をかけたか?
『俺はいつでも奴に喋っているよ。俺達にはたくさんの選手がいる。だからこそ思うのは、トレイはあまりにも優秀すぎるんだよ。試合中静まらせておくにはあまりにも優秀すぎる。俺達にはアイツの時間が来ることはわかっていたけど、その一方でアイツに自分の時が来ることを確実に教える必要があった。俺は何度でもいうけど、彼の今日の活躍を嬉しく思う。だって、俺達にとって今日の彼の活躍は大きな一歩になったからだ』
さっき、根性について話していたけど、あなたが健康になって戻ってきたことでこのチームはあなたが求めているようなタフなチームとしてやっていくことができるだろうか
『俺が思うにタフネスってのは誰かが創りあげることじゃないんだ。例えばナジは見てわかるくらいのタフな奴だ。くっきりと彼の爪痕が残るくらいタフな奴だよ。ハーブは見た目的にはそれほどタフな奴じゃないけど、でも彼がタフであることに疑いの余地はない。色んな奴がそれぞれのレベルのタフさを持ち合わせていると思うんだ。ホゼも見た目通りタフな奴だね、ただ、そのタフさを引っ張り出してくれるのにふさわしい集団、チームが必要だと思う。今夜何度も何度も俺が探し求めていたように、彼らに火をつけた。観客をあおったり、胸を叩いたり、床に飛び込んだりもした。チームの中だと俺は年寄りだ。今年で30歳になる。その中で俺がコートに飛び込んでボールをもぎ取れるのに、俺より若い選手がそれができないなんて言い訳はなしだ。そう思う。タフさの例を出して、そこに当てはめるんじゃなく、それが当然ということにこそ、タフさってのは宿るんだ。今の俺達はまだそれが出来てない。常にそれを考え続けなきゃいけないと思うよ』
いつもゲームの振り返りをしていますが、今夜はザイオンがやってくれましたね。彼がやったことはあなたを驚かせるようなことですか?
『そうなのか。俺はまだ見てないんだ。今夜も一人でやるつもりだったからね』
4Qでの強烈なダンクを振り返ってどう思いますか
『よかったよ。あれこそ俺だし、俺が誰であるかという原点に戻ることができてよかったと思っている。あそこでフローターやフックシュートも選べたけど、それは俺じゃない。それはチームが俺に求めていることじゃあない。相手のビッグマンに対してポスターダンクを決めるってのは自信につながる。それがショットブロッカーだとリーグに知られていればいるほどね』
Zion Williamson
ラリーはこの試合で大きな影響を及ぼしたと思いますか
『あぁ。それもひときわ大きい奴をね。彼が戻ってきてくれてよかったよ。ケガをしたときチームに対して何かをしなきゃいけないって気持ちがどんな感じか、俺はよく知ってる。自分がなりたい場所に戻るために何をしなければならないかもね。そこまでに至った彼の努力はそれは計り知れないものだ。そして、今夜彼は戻ってきてチームに大きな影響を与えてくれた。彼が戻ってきてくれてよかった』
あなたとブランドンとのピック&ロールで複数の得点が生まれている。あなたたちはその攻撃に無駄のない行動だと感じますか
『正直に言えば、俺達はまだパンとバターを持っていないと思う。もっと一緒に沢山の試合をこなす中で、お互いに考えていかなければならないところだ』
ラリーについて話を戻すけど、彼の活躍は数字だけからでは影響力を測るのは難しい選手だと思う。あなたはほかの誰よりもよく知っていると思いますが、彼はどんな影響力を持っているのでしょう
『ラリーの活躍がスタッツに現れる試合もあるけど、そうでない試合のほうがずっと多くて、ただ、ラリーなら多分バスケットボールを知っていれば俺のやっていることの影響もわかるからそれでいいっていうと思うんだ。彼のそうした姿勢はゲームにもよく出ているし、チームも彼のことをよくわかっている』
あなたとBI,CJが同じ試合で20得点したのはこれで3試合目だけど、今夜は何がうまくいったと思う
『俺達のオフェンスの始まる場所がそれぞれ違っていたよね。俺達はマッチアップを利用して攻めていこうと思っていた』
今夜の試合の振り返りについて聞きたいんだけど、何が君にそうさせたんだい?
『さっきも言ったけど、チームに所属せず、自分がいるべき場所に到達しなければならないときの気持ちはよくわかっている。大体そういう時の気分は最悪だ。NBA選手としてはそうしたことが沢山ある。それでも、彼は特別だ。俺がチームからケガで離れた時、戻らなきゃいけないとも思っていたし、気持ちは最悪だった。だから彼にも戻ってきてくれて嬉しいと伝えたら、彼から写真が送られてきたんだ。だから、人生初の振り返りをしてみようという気になった』
トレイが点を取ったのは試合終盤だったけど、彼に何か言っていましたか?それから彼が最後に2本のスリーを決めるのを見たことはどれだけ大きなものだったのでしょう?
『俺がやつに言ったのは、撃ち続けろってだけだった。でも何も言う必要がなかったとも思うよ。彼の自信は既に十分にあったし、今夜も彼は外したけどそれでも撃ち続けてたのはよくわかってると思う。大事な試合で大きなリードを与えてくれたし、勝つことができた』
この試合のBIのディフェンスを見てどう思った?彼はいくつかのブロックとスティールを決めていたよね。オフェンスについては色んな人が触れているんだけど、ディフェンスについてはどうだろう
『パワーを感じる。オフェンスの時に相手が彼にどれだけフィジカルなディフェンスをしているかはよくわかっているから。彼は自分に対してのディフェンスを相手に向けてやっていると思う。現にそれは上手くいっていると思う。試合ごとにどんどん良くなっていっているからね』
トレイが入ってくるとディフェンスやスリーポイントが決まるし、ディフェンスのハーブが勢いを増すと、誰もがスリーを狙うようになっている。どうやってお互いの意見を共有しているんだ
『これは戦いだからコート上に誰がいるかを見て、強みがどこにあるかがわかるし、そこで勝てる努力をしている』
終了間際に君たちがそれぞれの役割をやり遂げて勝ったことをどう思っている?
『よかったと思うな。正しい方に向かって進んでいる。ただ、俺は最後にフリースローを決めていかないとね。フリースローを外したら負ける試合にだってなりかねないから。まだ改善している部分も多いけど、チームは正しい方に向かっていくよ』
2試合連続2桁リバウンドですが、それはボールのはね方のせいですか、それとも意識してのプレーですか
『コーチJBとはよく話をする。俺とコーチの間で考えが一致していることがあるんだけど、それは俺がトランジションでのオフェンスがうまいから、俺がリバウンドを取れば相手のディフェンスを整える余裕がほとんどないと言ってくれている。それに向けて俺はもっと積極的になる必要があると思っている』
CJ McCollum
今夜の試合ラリーが戻ってきてどう思いましたか
『彼は俺達の救世主さ。見えないところで一生懸命に努力して、準備ができているかどうかを入念に確認していた。彼の肋骨と全てが完治したときに、彼がもともと持っていた瞬発力や後ろにいる頼もしさを感じることができると思う。この夏は手術を受けたり、体調を整えたりするのが忙しかったからね。彼の肋骨のケガのせいでしばらく休みになったことで、本来迎えられなかったプレシーズンの時間を迎えられたこともよかったと思う。彼の賢さや多様性は一切失われていなかった。今日も彼は5スティールを記録したし、9得点7リバウンドも記録している。彼に至ってはボールに触れなくてもゲームを支配するような独特の力を持っている。リーグで長くプレーしているし、審判からも尊敬されている。俺達にとって大きな後押しになる素晴らしいプレーをしたと思う』
今日のオフェンスで意識していたことは何だったのでしょうか
『そうだね。他のチームと同じようにフィルムを見て、オフェンスが停滞しないようにどうすればマッチアップを見極められるか、それを考えていた。今日の試合ではハイピックからハンドラーにボールを渡すプレーも出せたし、いつフィニッシュするか、いつパスするかの正しい判断ができた。メンフィス戦ではジャズは17ブロックを記録していたけど、これはとんでもないことだと思うし、いつ仕掛けるか、いつキックアウトするかの的確な判断ができたことは大事だったと思う。トレイがスリーを撃ったのもいいことだと思うし、俺のフローターもよく入ったと思う。ZがBIにスクリーンをかけたのもいいプレーだったと思う。彼もステップアップを求められていたし、俺達が点を取ったように、同じ形ではなくても、いい形を生み出すことができたと思っている。外れたシュートに関しても、形としては悪くなかったと思う。俺達が終盤のプレーの質に磨きをかけていることはよくわかっていると思う。』
あなたとBI,ザイオンが同じ試合で20得点したのはこれで3試合目だけど、今夜は何がうまくいったと思う
『ペースがよかったと思う。それについては話し合ったし、もっと早くプレーしなきゃいけないこともわかっている。プレーが遅すぎるのが問題だったからね。トランジションでペースを上げれば点を取るのはたやすい。それからマッチアップを見極めること、スリーを決めることもそうだね。今日の試合は最初から俺は積極的に行くつもりだった。この試合の重要性と、この数試合、いかに精彩を欠いたスタートだったかはわかっていたから。俺達全員がバランスをとるのにいい仕事をしたと思っている。BIは積極的に点を取りに行ってたし、Zはほぼ全部を決めていた。それにいくつかのいいアシストもあったね。ラリーのダンクのために彼にパスしなきゃいけなかったし、トレイにもキックアウトしなきゃいけなかった。その最たる部分はザイオンがスクリーンしている時間があったこと、角度を変えてスクリーンに全力疾走すること、それらは彼が俺達のためにスクリーンしているのか、あるいは点を取りに来ているのかを見極めるのが難しいからこそ、簡単に点を取ることにもつながっていたと思う。俺達は全員がコートのどこに行くのか学んでいるさなかだけど、全てがシンプルに点を取ることに繋がっているんだ』
ラリーは統計上彼の活躍を測るのが難しい選手だけど、同じコートでプレーをして彼がチームに何をもたらしているかわかるかい
『彼はもう一人の大人だ。30歳になるし、誰が準備をするべきかわかっている。彼はどのポゼッションでもチームのためにプレーする選手だ。ディフェンスでは手を抜かないし、リムを守ってくれる。いくつかのブロックをしてくれるし、点も取れる。彼は多彩なディフェンスの仕方を理解している。いつだって緊迫感をもって、いつスイッチしてもいいように準備している。キャリアの折り返しとまではいわないけど、終わりの始まりに近付いてきているから、ささやかな点から理解が深まっていると思う。彼は本当に優れたバスケットボール選手だ』
ZとBIのスクリーンについて言及していましたが、あの二人のプレーが今後のチームのオフェンスにとって重要なものになるのでしょうか
『俺達にとって重要なプレーとなると思う。突っ立っている代わりにあれだけの選手をゲームの中に組み込めたら、他の動きもできるようになると思う。Zはダイナミックなプレーをするから、彼を止めるのは難しいし、マッチアップとしては俺はPGとしてボールを持ったか、あるいはSGとしてボールを持ったかでも変わってくる。俺とZでスイッチすればディフェンスにとってはチャンスがなくなるし、BIも大きい選手とのマッチアップはあっても重量のある選手が彼につくことは少ないからそこでもミスマッチになる。俺達はこのプレーをもっと練習して試合で再現する必要がある』