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アトランタドリーム⑱大型補強、来たる
はじめに
お久しぶりです。おこめです。
私生活が慌ただしく、更新不行届ですが私は今日も元気です。またそのうち、色々動かす予定です。動かなくても生きてるのはご存知のとおりです。
これを書き出したのはスペースをやるといった2/2.接続不良でプツプツに途切れたため、まとめの意味も込めて書き始めました。いつ頃公開かは未定ですが早いと良いですね。
それでは、どうぞ
リーグの動きから
まずはリーグ全体で大きな動きがあったのでいくつか話すんですけどもその前に昨シーズンの順位表を貼っております。
![](https://assets.st-note.com/img/1738538256-4CHJS5hMNEeqlcY1fIt6AQ3X.png?width=1200)
ということで、昨シーズンはこんな具合でした。
リーグとしては上位シードからリバティが快進撃を続け、この年悲願の優勝。このシーズン大きく補強したミネソタ・リンクスは一気にファイナルまで駆け上がる大健闘。
下位シードではシアトル・ストームにはベテランスターのスカイラー・ディギンズ・スミス、エネカ・オグミケを加え、数年ぶりにプレーオフに舞い戻ってきましたね。インディアナ・フィーバーは大注目のルーキー、ケイトリン・クラークがとんでもない勢いを見せ、6位でフィニッシュ。ドリームはいまひとつメンバーが揃いきらず、8位でのフィニッシュとなりました。
再建1年目ながらプレーオフ争いを最後まで演じてみせたシカゴ・スカイのエンジェル・リースは非常に注目の集まるシーズンだったと思います。彼女はペリカンズにいるジョーダン・ホーキンスの従姉妹ですね。また、主力選手の怪我人続出による大幅な出遅れで一昨年4位のウィングスは11位に、ACL断裂によりチームの新たな顔、キャメロン・ブリンクを欠くことになったロサンゼルス・スパークスは12位での幕引きとなりました。
リーグ全体の勢力図としては、かつて2024シーズンが始まる前にこんな話をしておりました
さて、2/1からのFAも含め、現在の勢力図としてはどうなっているかというとざっくり下記の3つに分類されますかね
①優勝争い…エーシズ、リバティ、サン
②中間層…ウィングス、ドリーム、リンクス、ストーム、マーキュリー、フィーバー
③チーム再編…ミスティックス、スパークス、スカイ
まぁ、おおよそは当たっていたと思います。想定よりもスカイの勢いが強かったことは完全に予想外してますけども。
さて、これがどのように変化したか、いくつかのビッグトレードとともにお話いたしましょう
スターたちの大移動
今年のオフはスターの大移動が見られました。来年のオフには今年の比にならないレベルで大きくチーム状況が入れ替わる部分も出てくると思います。過去に何度も言っているように来年、2026年のオフは新しいCBAに移行するという話のため、大部分の選手が全員無制限FAになるというとんでもないことになっていくためです。
今年はその序章だったわけですが、それでも数多くのすっぱ抜きによる、『ええええええ!?!?!?』という驚きを生み出しました。
Official 3-team trade breakdown involving the @seattlestorm and 2x WNBA Champions, Jewell Loyd to the @LVAces and Kelsey Plum to the @LASparks ⬇️#WNBAFreeAgency pic.twitter.com/PXySqPECa9
— WNBA (@WNBA) February 1, 2025
今年のFA戦線のはじまりというのがこのエーシズ、ストーム、スパークスの3チーム間トレードだったわけですね。3チームそれぞれの思惑を書いていくなら下記の通りです。
エーシズは昨シーズン、セミファイナルでリバティに敗れ姿を消しました。チームとしては三連覇を狙っていただけに、このオフでの補強は生え抜きで丁寧に育ててきた、攻撃力抜群のケルシー・プラムを移籍させてでも王者に返り咲くという強い意思を感じる動きだったと思います。
単体としてはケルシー・プラムより高い攻撃力を有するジュエル・ロイドの加入はチームのオフェンスにさらなる爆発力を加えることでしょう。一方懸念することがあるならばこの数年エーシズはまともに1巡目指名権で指名した選手を残さなかったり(かつてドリームにいたイリアナ・ルパートもエーシズにドラフトされておりました)、今年に至ってはサスペンションを食らって1巡目指名権がなくなっています。
その中で2026年の指名権というのはチームにとってもそれなりに大きな価値になるでしょうが、それを放出するというのはなかなかに思い切った、そして今の戦力に全力投球したということでしょうね。
スパークスとしては、昨年はケイトリン・クラーク、今年はペイジ・ベッカーズのドラフト年でありながら、いずれも2位指名権と最高級のPGを招き入れるには厳しい結果でした。チームとしても今年の2位指名権をどうするかというところはまだ考えていなかったという報道も出ており、その中でケルシー・プラムの行き先として白羽の矢が立ったところもあると思います。昨年ドラフトした2人のルーキー、キャメロン・ブリンク、リケア・ジャクソンとも相性が良く、2度の優勝を知るプラムの経験値はチームに大きな成長をもたらすと思います。同チームのセンター、ディアリカ・ハンビーとはエーシズ時代からのよく知った仲ということもあり、チームへのフィットも早いことでしょう。
一方、ストームはジュエル・ロイドというアメリカ代表にも選ばれる高火力のガードを有しながらもチーム内でのハラスメント問題等があり、ストームとロイドの関係性は最後の方はかなり冷え切ったものでした。また、昨年補強したスカイラーや、エネカのようなベテランスターだけでは優勝争いに乗り込むには難しかったというのが、昨年の奇しくもエーシズとの戦いで見えてしまった部分もありますね。エーシズとの1対1のトレードであればストームは応じることはなかったでしょうが、スパークスの2位指名権が手に入るならというところが大きかったと思います。今が全盛期の選手のトレードなのもありますが、一時的なものだとしても再建モードに戻るというのはかなり勇気のいる行動だと思います。スパークスから加入したリ・ユエルもローテーションプレーヤーとして定評がある選手なので、もしかしたら彼女でもうひと商売何処かで仕掛けてくるかもしれませんね。
こうして3チームがそれぞれの思惑を叶えるような形でこのオフのFA戦線は幕を開きました。
そしてもう一つ、語らなければならない大きなトレードが起こりました。
日は沈み、水星は昇る
占い師みたいなことを言っていますが、下記のような巨大トレードも起こりました。
Alyssa Thomas, Satou Sabally, Natasha Cloud and DiJonai Carrington headline HUGE 4-team trade between the Connecticut Sun, Dallas Wings, Phoenix Mercury and Indiana Fever ⬇️ pic.twitter.com/CwTsIn4KMr
— WNBA (@WNBA) February 2, 2025
無茶苦茶長いトレードですが、2つの3角トレードが絡み合った結果、4角トレードになったということですね。指名権も含め計18人の選手が動く超巨大トレードでした。
まず、大きな動きとして、コネチカット・サンのパワーフォワード、アリッサ・トーマスがフェニックス・マーキュリーへ移籍することが発表されました。昨シーズン10.6得点-8.6リバウンド-7.9アシストを記録しチームの屋台骨としてプレーしておりました。
この選手の移籍を皮切りに、サンはこのオフ、RFAだったディジョナイ・キャリントンをウィングス、フィーバーとの三角トレードに放出し、他のスターターでFAになった選手たちとも再契約をしませんでした。この辺りはまた改めて後述することになります。
このチームは再建モードに突入していくと思われますが、育成上手なチームではあると思うのでこういうチームに後年ドラフトされるジュジュ・ワトキンスのような素晴らしい才能が組み込まれたらすぐにでも日は昇ると思いますね。
ダラス・ウィングスはシーズン終了時に来期はダラスでプレーしないと言われていたサトゥ・サバリーを数名の選手をつけて今年の8位指名権に変えると、直ちに8位指名権をサンに送りつけ、前述のディジョナイ・キャリントン獲得に使い、12位指名権をもらう形となりました。前述した通り、来期には大型のFA市場が開くため、今年トレード希望のスターの資産価値というものは例年よりも明らかに低かったと思います。その中でウィングスの新GMである、カート・ミラーはできうる限りの仕事をやってのけたと思います。彼女の放出とともにロスター整理をしながら未来に必要な選手はしれっと獲得してくる有能だなと思って見ておりました。
フィーバーは大きく動きに加わると言うよりかはロスター整理的な部分が強かったとは思いますがこの動きの後FAでベテラン選手を数名加え、チームに勢いを加えましたね。ケイトリン・クラークとシューター軍団、そしてセンターのアーリヤ・ボストンは非常に厄介なチームとして戦い抜くのでしょう。そっちまで話し出すと風呂敷を畳みきれない自信があるので一旦フィーバーについてはここまでとしましょう。
このトレード一番の勝者はフェニックス・マーキュリーですね。アリッサ・トーマス、サトゥ・サバリーを加え、チームとしては固く、強くなりました。現状の戦力とあいまって既に優勝候補と見る人もいますね。このトレードでインサイドプレーヤーのカラニ・ブラウンも加わったことでロスターの層を維持しながら、戦っていくことになるでしょう。この大型補強により、マーキュリーのキャップスペースは残りわずかとなりましたが、このスターパワーはリーグにどんな結果を生み出すのか、非常に楽しみです。この動きを行うために、フェニックス・マーキュリーは数人のベテランプレーヤーとは契約できないという流れになってしまい、その結果、ある選手が市場に現れることになるのです。
さて、ここまでが前段です。ここから、ここからようやくドリームの話ができるというわけでございます。
ドリームの動き
今年のドリームはまさに風が吹けば桶屋が儲かる理論を体現したと思います。
このオフに至るまでのロスターは必要な人と必要な契約しかしてません!トレードは無理です!という姿勢でした。基本的にこのスタンスは正しいと思います。例えばアリシャ・グレイはチームの攻守での生命線ですし、ライアン・ハワードはチームの大エース、放出なんて以ての外でしょう。資産はあるけど、売却するようなものはない、というのがオフに向かうまでの大前提だったように思います。
また、キャップスペースとしては約640,000ドルほどが残っており、リーグ内でもそれなりにキャップスペースが空いてました。感覚的には分かりにくいと思いますがこのくらいだとマックス契約2本分と余剰で20万ドルくらいが残るので、ローテーションプレーヤーが2.3人取れる見込みぐらいですね。
(これは完全な余談ですけど、今のWNBAは1チームあたり1.5Mで選手12人分を賄ってるわけですね。つまり、今期1試合も出場してませんが、コディ・ゼラーのほうが稼いでます)
かくしてドリームとしてはこの資金を元手に、チームの身を切らずに契約に至るのがこのオフの最善手だったわけです。
加えて、選手の保証契約数というものが現行のCBAにおいて定められております。
WNBAはルーキー契約でも無保証契約でして、開幕ロスターに残れば給料が発生する仕組みになっております。かつ、ロスター12枠の内半分の6枠分はチームが契約金を保証する枠があるんですね。このオフのドリームはジョーディン・カナダ、アリシャ・グレイ、ニア・コフィーの3枠分は保証契約を使っているので、残り3人分は使えるわけです。
(こうして考えるとライアン・ハワードはまだルーキー契約中なのでオリンピックに出ようが無保証契約絶賛継続中ってのがなかなかリーグ全体の懐事情淋しいもんですよね)
来年にはここまで何回も言っている通り大型FA市場が開場となるため、単年のオーバーペイになったとしても、キャップスペース内に収まっていれば、特段問題はないわけです。勿論今年はね。来年はまた色々あるでしょう…。
ま、アトランタのスーパースターであるトレイ・ヤングもよく言っている通り、'Another day, Another Opportunity💯'ということでしょうかね。
はっきり言えばドリームのFA人気は低い方だと思います。エーシズやリバティ、サンのように独自の練習場や単独のアリーナを持っているわけではないですからね(ドリームはホークスと練習場が共用だったり、ホークスレジェンドの一人、ポール・ミルサップが経営するジムとの提携契約をしていますね)
多少のオーバーペイでスターやローテーションプレーヤーが取れるなら正直安いもんです。それでも取れないっていうのは、後々補強がうまくいかなかったり、在籍する選手が残りたがらない方へつながっていきますからね。
昨今見直されてきてはいるもののWNBAは非常にシビアなリーグですから、なかなか立て直すのに時間がかかるとチームの存続にもかかわってきますからね。
という中で今期は新たに3名の選手を加える形となりました。(2/3時点)
新加入選手
Brittney Griner
ブリトニー・グライナー。206cm。C
昨シーズンスタッツ:17.8得点-2.3アシスト-6.6リバウンド-0.5スティール-1.5ブロック(FG%:57.6%,3pt%:50%)
Welcome to the 🅰️ @brittneygriner ! pic.twitter.com/xe1HiXINNK
— Atlanta Dream (@AtlantaDream) February 1, 2025
このニュースが出たときは驚きましたね。確かに全盛期を過ぎているとはいえ、しかしこのレベルの選手がドリームを選ぶとは思ってもみなかったというのが率直な感想となります。
なんと言って良いのかわかりませんが、ドリームが出来て以来FAとしては最高峰クラスの選手だと思います。
受賞歴は下記の通りです。
![](https://assets.st-note.com/img/1738558137-zrJRisy9e2WTPukm8USnAQ14.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1738558137-uEfmsOr5nXeklVZN1A6gjId7.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1738558137-elmfBT3j9SaLsFHXcMCozhkW.png?width=1200)
フェニックス・マーキュリーにドラフトされてから優勝や二度のDPOYを取得するなど、攻守での目覚ましい貢献を積み上げているレジェンド予定の選手です。今回はマーキュリーの大型補強に伴ってチームとは別の道を行くことになり、ドリームに加入することとなりました。
アメリカ代表として長らくインサイドを牽引してきているので、言われてみれば知っているという人は多いのではないでしょうかね。元々このオフにエーシズとの面談をしていたようですが、前述の通りエーシズはジュエル・ロイドの獲得に進み、以降は交渉は決裂していたらしいという話がまことしやかに囁かれていました。その為市場を仕切り直した中で今回ドリームに来ることになったというわけです。
このBGも今マイアミで行われているUnrivaled Basketballに参加しており、ドリームの選手とも触れ合う機会があることや、元々代表の合宿にもライアン・ハワードやアリシャ・グレイが参加していたためそれなりの面識があったことも移籍のきっかけになったかもしれません。
BG獲得の理由としてはドリームがチームとしてサイズのあるインサイドプレーヤー相手に攻めあぐねる展開が多かったということや、エイジャ・ウィルソンに53得点を献上したように(その試合では3ptは1本しか打っていなかったはずなので)インサイドでの失点が嵩んでいたというのは事実としてありました。昨年はティナ姐さんがうまいことやってくれてはいたものの、根本的にチームとして高いインサイドのいるチームを苦手としていたというのはあると思います。
昨年のドリームを振り返ると3pt%が30.8%でリーグの下から2番目というのもありましたが、3ptも含めたFG%は45.2%、アシストも18.4といずれもリーグ最下位とメンバー不在の時期は多々あれど全体を通してはなかなかにヤバメの数字が並んでおりました。このあたりのテコ入れは勿論彼女だけではなくHCのカール・スメスコにも大きく期待が寄せられる部分だと思います。
また、現在キャリアで通算812ブロックを記録しておりまして、故マーゴ・ダイデック氏(877)とリサ・レスリー氏(822)に次ぐ記録を持っています。昨シーズンは30試合の出場ではありますが、平均1.5ブロックと考えると来期には余程のことがなければ歴代ブロック数がリーグ2番目の選手として君臨することになるでしょう。スピードは確かに全盛期から見れば落ちてはいるものの、守護神としてはまだまだ健在なところを見せてほしいもんですね
どうしても彼女のような選手が中に陣取っていると、相手チームとしては数をかけざるを得ない部分もあり、昨年のティナ姐さん同様インサイドへの引力が働くと思われます。
また、スクリーナーとしても仕事ができるので、アリシャ・グレイやライアン・ハワードのマッチアップを引き剥がすだけではなく、チームの司令塔のジョーディン・カナダとのピック&ロールからの得点も量産してくれることにとにかく期待したいところですね。
(昨シーズン50%の3pt%ですが、これに関しては、9/18で成功している。キャリア通算では2018年頃からシュートレンジ拡大のため36.4%に留まる。ちなみにティナ姐さんは昨シーズン11/42で26.2%。やや意外な数値が出ている)
統計的にはオフェンスリバウンドよりもディフェンスリバウンドに強く、オフェンスリバウンドを取りに行く場合は他の選手が必要となる。それはナズ・ヒルモンしかり、次に紹介する選手の仕事にもなるでしょう。
釣りが好きなようで、ジョーディン・カナダ、アリシャ・グレイ、ライアン・ハワードと釣りを楽しむ姿とともにドリーム加入の報告をしてくれた。
比較選手:んー。誰だろうな。アンソニー・デイビスとか、タイプ的に近い気がしますね。
Brionna Jones
ブリオナ・ジョーンズ。194cm。PF
昨シーズンスタッツ:13.7得点-1.5アシスト-5.5リバウンド-1.2スティール-0.6ブロック(FG%:53.8%,3pt%:14.3%)
Welcome to the 🅰️ @_bjones18 ! pic.twitter.com/Nbs20Vt7k6
— Atlanta Dream (@AtlantaDream) February 1, 2025
BG加入もそりゃ驚いたけどこっちはこっちでたまげることになりました。確かにコネチカット・サンはアリッサ・トーマスの放出により、大きな解体に踏み切ることになりましたとも。でもまさかドリームに来るとは思わんじゃないかというくらいの選手です。本来FAで獲得するのは超難しいと思います。コネチカットも彼女を軸に再建するという可能性だって大いに考えられたわけですし、他のチームも彼女を放置できないからです。事実フィーバーが彼女の獲得を狙っているという話は時折見かけた記憶があります。
コネチカット一筋できた彼女がここにきてドリームに加わるのは戦力としても経験値としてもとても大きな存在になると思います。彼女自身の話をすると、最初はベンチプレーヤーとして出場し、徐々に頭角を現し、MIPや6OTYをとった経験や、昨シーズンも含め3度のオールスター入りを果たすなど、進化し続けている選手ですね。2023シーズンには右アキレス腱を断裂した経験はあるものの、以降も勢いは落ちることなく戦い続けています。
彼女の魅力としては自分より大きい選手と対峙しても当たり負けしないパワー。ただの力押しではなくスピンムーブの切れ味も最高ですね。3ptは現状キャリアで5本しか決めていないのでまだまだ発展途上ではありますが、FTラインのやや後方あたりからのミッドレンジシュートは彼女を安易に空けてしまうと沈められてしまうという厄介な武器も持っております。
2020年以降はFG%ではリーグTop10に入る正確さであり、同じく昨シーズンでは40分あたりの2ポイントシュート成功数でリーグ7位、1プレイあたりの得点期待値(1.04)で15位、ペイントエリアでのシュート成功数で4位という成績を収めていることも触れるべきでしょう。
あと特筆すべき点はリバウンドでしょうか。特にオフェンスリバウンドで昨シーズン、1試合平均2.2リバウンドを記録し、リーグTop10に入っております。
BGと並べることでペイントエリアが混んでしまうのではないかという懸念はあるものの、この選手をベンチから出すのも勿体ないと思いますね。時間帯としては、センターを担ってもらうこともあるでしょうが、その辺りはあまり問題なくフィットできると思います。
これはロマンを追い求めすぎているかもしれませんが、ツインタワーは一度試してみて欲しいですけどね。どっちをハイポストに入れてどっちをローポストに入れるかは考えものですけど、この2人のハイアンドローなんてのが見れたらもう最高ですね。もしくはホーンズセットなんかも面白いかも。毎年のアップグレードでそれができる司令塔と好きに暴れて良い両ウイングもいますからね。
年齢的にも今年29歳とここから全盛期を迎えるので、ドリームにとってはそこも最高なんですよね。チームのメンバーの全盛期を迎えるタイミングが大体同じくらいなので、あとはそこで勝負に挑めるロスターを組むことが、そしてチームに合う戦術で戦えるなら、ドリームは間違いなくリーグの覇者になるでしょう。個人的には非常に期待してます。
![](https://assets.st-note.com/img/1738588425-NhFWl710mgoPIHs2jrvkUyBn.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1738588425-fXA0JOuYmMd9No6lQcUnSHiv.png?width=1200)
Shatori Walker-Kimbrough
シャトリ・ウォーカー・キンブロー。175cm。SG。
昨シーズンスタッツ:7.5得点-1.9アシスト-1.7リバウンド-1.1スティール-0.5ブロック(FG%:41.5%,3pt%:33%)
Welcome to the 🅰️ @_shatori ! pic.twitter.com/oyxQgWe1fw
— Atlanta Dream (@AtlantaDream) February 1, 2025
ドリームの弱点の中で長らく改善が難しかったのはベンチからの得点源がいなかったということだと思います。スタートの選手を下げる時間帯のヒヤヒヤ感といったら、毎回心臓が持たなくなる気持ちで見ております。
そんな私の心臓に優しい選手、それこそがシャトリです。この選手はキャリアのほとんどをワシントン・ミスティクスで過ごし、過去には町田瑠唯選手ともプレー経験のある選手です。また、彼女はメリーランド大学という、ホークスレジェンドのブルーノ・フェルナンドと同じ大学に在籍していましたが、その際に前述のブリオナ・ジョーンズとは先輩後輩の関係でした。
基本的には彼女はベンチからチームを盛り上げるシックスマンであり、ベンチのリーダーとしてチームに貢献しています。また、攻守両面でそつなくこなす選手です。昨シーズンは得点、アシストでキャリアハイを叩き出しており、284得点と40スティールはベンチ出場の選手全員でいずれも最多でした。
彼女が何故ミスティクスを出ることになったかと言うと、チームが完全に再建に踏み切ったため、再契約等はせず、権利を放棄したためです。彼女のようなシックスマンはどこのチームも欲しがる選手ではありますが、今回ドリームとの契約に合意することとなりました。
比較選手:ちょっとしっくり来ないけど、フレッド・バンブリート…?
ここまで紹介した選手が新たに加わる選手となります。ここでお別れをする選手も紹介させてください。
退団選手
Tina Charles
Thank you for sharing your legacy with us @tinacharles31 🐐❤️ pic.twitter.com/s8poVelhHh
— Atlanta Dream (@AtlantaDream) February 3, 2025
Thank you ❤️ @tinacharles31 pic.twitter.com/RbFTqarb7i
— Atlanta Dream (@AtlantaDream) February 2, 2025
ありがとうございました、姐さん。
39試合出場と鋼の肉体と持ち合わせた技の数々。メンター呼ばわりした自分をいつまでも恥じています。シーズン初戦から気持ちのいいダブルダブルを見せつけ、まだまだ現役だという姿に強く感動しました。
在籍中にはブザービーターを決めた試合もあれば、歴代得点で2位に浮上するなど伝説の足跡を残していってくれました。姐さんは間違いなくレジェンドに名を連ねる素晴らしい選手です。
昨シーズン15勝25敗でもプレーオフになだれ込むことができたのは姐さんのインサイドでの戦いぶりがあってのものです。
次の移籍先はコネチカット・サンに決まっております。サンは姐さんのドラフトされた始まりの場所です。きっとこれから3年は現役を続けられることでしょう。いつまでもいつまでもお元気で。
本当にありがとうございました。
Laeticia Amihere
Thank you ❤️ @_Theblackqueen_ pic.twitter.com/OlWu1N8RYo
— Atlanta Dream (@AtlantaDream) February 1, 2025
あまりにも早い別れだったなと思います。
このnoteでドリームの話を始めて最初のルーキーでした。紹介をしたのがつい昨日のことのようです。
なかなか出番が来ず、この2年非常に悔しい思いをしてきたのではないかと思います。チームの体制も変わり、オーストラリアでの躍進を毎試合追いながら、今年こそはドリームでの大躍進をと考えていた矢先のことでした。
この結果は非常に悔しいです。それでも今磨き上げているスタイルは間違いなくWNBAでも代表でも通用するスキルだと思います。
この別れを後悔させる位に心身ともに強い選手になってください。
また戦いの舞台で会いましょう。
残りの日々の動きを予想する…?
と題してみましたが、恐らくFA市場をこれ以上荒らすことはないのではないかと思います。
何故なら、既にマックス契約21万ドルが2人(BG、ブリオナ)、シャトリとは15万ドルの契約を結んでいます。単純な足し引きでは、7万ドルですね。そこにレティシアの無保証サラリー分が計上されておよそ14万ドルが残ります。
今のロスターは下記のとおりです。
PG Jordin/Haley
SG Allisha/Shatori
SF Rhyne/Maya
PF Brionna/Naz/Nia
C BG/(Lorela)
ということで今10枠が決まっております。
実際はBGがベンチで休む間はブリオナがセンターに移ったりする形にはなるかと思います。
ローレラについてはドリームからQOの提示はあったものの、ローレラ側からの返答が来てないのでひとまずこの形としております。
ただし、前述の通りで、保証契約枠は使い切っているため、ここから出す契約は全て無保証契約となってしまいます。
そうすると残された道はいくつかあり、
まずはローレラとの契約をどうするかという点。
決まる場合は残り1枠は今年の18位指名権の選手かあるいは昨年ドラフトした選手、もしくはNBAでいうベテランミニマム契約のような少額の契約を行うかですね。今年もこのFA市場の影で各チームからウェイブされた選手たちがいるのでその中を模索するという選択肢もあります。
また、ローレラと再契約できない場合は2枠分上記の通り昨年のドラフトした選手を海外から連れてくるか、解雇された選手の中から見繕うか、はたまたWNBAへの復帰を望む選手を呼び寄せるか。
残りの金額で大きな選手を呼ぶというのは非常に難儀かつ不可能に近い話になると思いますが、そこをどう対処するのかは非常に楽しみな部分だと思います。
ということで長々と失礼いたしましたが、またいずれお会いしましょう。おこめでした。