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【復刻版】その男、クイン・スナイダー


はじめに

さて、そろそろ多くの人が『何言ってんだ!スナイダーさんと俺達はずっとここまでやってきたんじゃないか!』という幻覚を見る人が増えてきてる時期なので、少し懐かしい入団会見から持ってきました。スナイダーさんの話はなかなか聞いていて面白く参考になるなと思い、以降ちょくちょく聞くようにしてたので今後のスナイダーさんもお楽しみください
今回もそうですが、今後複数人が同じインタビューに登場することがあります。そのため、目次から見たいところへ飛ばせるように、見出しをつけておくのでご活用ください。


Quin Snyder


HC就任について
『ありがとう。ここにランドリーと戻ってこられて本当に嬉しい。まずはオーナーのトニーやジェイミーにこの機会をいただいたことを感謝したい。先程も言ったように、私はとてもワクワクしているだけではなく、感謝をしている。このリーグでコーチをする機会を経て16年になる。これまでもいくつかの熱狂的な組織で働く機会をいただいた。それも才能のある選手達とね。今回の就任においては、私が次の機会を探していたときに私にとって人生の岐路ともいうべき重要な決断だった。ランドリーやカイルとのやり取りを経て、彼らが重要視するものを知り、特にランドリーと共に仕事をすることを楽しみにしていた。このチームはただ才能が眩いだけではなく、創造的で革新的だと考えている。計画を組み立てるのに時間はかかるが最適な才能と私の考えについての同意をチームは示してくれたと思っている。フロントオフィスは私が求めていた素晴らしい共同運営の形だった。この状況は私にとって最適解だと思った。追い求める理想のレベルに出会うことは人生でも稀なことだ。しかし、それが現実のものとなって私の目の前に現れた。私に来るべくして訪れた運命のようなものだった。選手とは今朝ミーティングをさせてもらった』
『ミーティングの後で、私は自分が全面的に彼らのコーチをすることを楽しみにしていることに気付いた。ランドリーと話したことは主に成長についてだ。その基盤があってこそ、我々は選手たちを、チームを同時に正しく育成できる。私のこれまでもそうだったように、いつだって挑戦だ。これらの挑戦は賞賛されるし、素晴らしい機会だ。私の妻も喜んでいる。彼女もここで数年を過ごした。最後にここに住んでいたときは彼女は今よりも若かった。この街の一部としてチームに携われることを楽しみに思っている』

非常に珍しいシーズン半ばでの加入となるがどう過ごしていくか
『珍しいことだと思う。ランドリーもさっき言ったように我々の間で密接な会話があった。そこで私は彼について知ることができた。今思えばトニーやカイルは本能的に気付いていたのかもしれない。我々が互いの考えを早い段階から比べあっていたことにね。そのときにすぐに出てこなかったことのひとつが、現在のチームをどう機能させるかというところだった。私がコーチとしてチームを動かし始めたときに真っ先に考え付くところだった』

『私は勿論挑戦かもしれないと思ったが、今チームに合流しようと考えた。幸いなことに私が合流するときにチームは勢いにのっていた。これらがチームの下地を作り始めることに繋がっているわけではない。短い期間にチームを無理矢理支配するように動けば、集中的に叩かれて、チームをめちゃくちゃにする可能性というのもNBAの世界じゃよくあることだ。私は彼らと塹壕に潜り込む気になった。関係の構築を進めるにはよいタイミングだと考えていた。逆境に立ち向かい共に成長するためにはね。次の年までは待てなかった。それは当時の私も分かっていた。始めるなら、今だとね』

若いロスター、特にデジャントレイの2人がトップヘビーになっているが、オンコートやオフコートでどのように彼らを育てるか
『我々は今朝会ってきて、私は彼らと話してきた。そして私の判断は正しかったと思った。そしてそれ以上に私も同じくらい彼らから学ぶ機会をもらったということだ。そして、我々スタッフの助けが選手には必要だと思った。彼らはもっとよりよくなりたいと既に思ってる。私は最も満足したことのひとつはこの職を引き受け、選手たちが個々に成長していくことや彼らを支える機会をもらえることだと思う。それがチーム全体をより素晴らしいものにする。勿論それは簡単なことではない、しかしこの短期間でも我々は結束している。たったひとつのミーティングで私はそう思ったよ』

ランドリーはあなたをコーチ候補のトップに据えて動いていましたがそれについて
『ランドリーは私のことを無私で謙虚と言ってくれたが、それはどのコーチも同様の価値を有しているし、私が知るどの組織もそうだ。私は幾度の話し合いとその透明性、年間を通じてコーチする機会だとか考えることは多々あった。時折こうした葛藤を定義するのが難しい。そして、創造性や、革新、知性といったものが彼らが作り上げようとする強烈な景色を見せてくれた。そういった複雑な組み合わせが1つに決めることを難しくさせる。ただ話し合いを通じて我々は互いを理解した。選手たちも個人としてもプロとしても粒揃いだ。こうした機会をもらえたことをありがたいと思う』

シーズン途中からの加入にどのような利益がありますか
『まずは挑戦に応えること。大事なのは現状理解と、私がどのように今のチームを育てていくかを考えることだった。そこに座ってる彼ら(会見を見に来た選手たち)やこうした機会をもうけてくれたフロントに多大な愛を示したい。我々がひとつとなることで、あるときは勝ったり負けたりというムラを減らしていきたい。この2戦、ジョーは素晴らしい仕事をした。懸命に彼らはプレーして、共に戦った。そういったことを彼らが経験したいと思い、ようやくそれを形にした。それこそがチームの形成の根幹だと考える。それが成功か失敗かはさておき、私はこのチームの一員でありたいし、それは一方向だけではなくお互いにそうでありたいと思う』

HCとしてイースタンカンファレンスにやってきたこと
『西、東どっちも知っていて、今は東にいる。私にとっていい気付きのきっかけになる質問だと思う。君が言ったように沢山の挑戦をしていかなきゃいけない。勝ち続けること、勝ちかたを知ること、成長すること、それからチームとして同時によくなっていくこと。それから下地を作りあげること。チームとしてよくなることとチームの下地を作ることは排他的ではない。今朝選手たちには、'やるべきことはいくらでも頭に詰め込ませる。本能でプレーしなくなるまでね'。そう伝えた。何故なら我々はよりよいバスケットボールを目指しているからだ』

『リーグには馴染みがある。多くのことをフィルムから学び、コーチたちと交流をとることも必要だ。選手たちがよりよく感じるものを我々は話し合って見つけていく必要がある。彼らから聞き、学び、こちらからも要求する。小さいことからでも大きな変化に繋がる。1シーズンのなかでもレギュラーシーズンがあればプレーオフがあるように、学び活用する。そしてチームの最適なバランスを見極める。幸運なことに残りの試合でも達成できることはいくらでもある』

選手との交流や文化を作ることは時折言及されるがNBAでどのように選手との関係性を構築していくのか
『私が思うに選手というものは総じてよりよくなりたがっている。また彼らは指導されることを欲している。関係性に関しては彼らに効率的に指導してもよいと思ってもらうことが大事だし今から始めたかった理由のひとつには我々は互いを信頼する必要があると考えたからだ。コーチとしてまず考えることであり、規制ではなく信頼によってチームを活性化させたい。それが行動として出るには時間がかかるだろうが、我々は互いに隠し事をしてはいけない』

『関係性を築くことは、信じるものや理解できるものに嘘偽りのないことだと思っている。チームでも選手でも信頼関係はより多くの喜びを生み出すことに繋がっている。時折私が楽しいと感じるのは、そういう場面であり、選手を指導するだけではなく、選手やランドリーや私が信頼によって繋がっていることを感じるときだと思う』

チームやコーチングスタッフに期待していること
『我々全員がよくなりたいと思うことは簡単なことだ。今朝様々な形でスタッフと話し合いをしてきた。私はコーチたちに「私は皆の助けを必要としてる」と言った。それから、我々が出来ること、私が求めるものを示すのを助けてほしいと言った。』

『彼らの思いを実現するために、多くのことが必要になる。しかし、同じものを選手に求めるのは逆効果になる。結局のところ選手は様々だし、我々は人間だ。それぞれが違った貢献の仕方があり、異なった性格を有してる。ランドリーも言ってくれたとおり、私は無私ではあるが、競争心は尊重している。我々が共に競いあうことで正しいチームになる助けになってくれる。彼らをコーチするのが待ち遠しい。もっと彼らを観察する必要がある。今朝彼らとあったときに、明らかな力を感じた。私は彼らそれぞれに必要なものをもたらせると思う』

アトランタの思い出と、コーバーとの関係について
『最初のアトランタの思い出は今すぐに出せないかもしれない。というのも大学時代にまで遡ることになるからね。カイルとはここにいたときから親しい間柄だ。私は腰痛もちなんだが、彼と働くと、私が動かなくて済むことに気付いたからだ(笑) ここは独特な街だ。短い間住んでいたが、ここは心から楽しめる場所だった。ユタに移ったときにも時々そう思うときがあった。別々の道を進むことになったとしても、そう思うもんさ。ごめん、2つめの質問はなんだっけ。すぐ忘れてしまうものでね』

『カイルをHCとしてコーチングしたときもあったが、今では別のキャリアを歩んでる。以前は彼をコーチしていた。色んな選手と関わることは当然あるが、特に彼とは色んな話をした。バスケットボールに関しての哲学なんかね。フットワークやパワートレーニング、コンディションの整え方とか思い付くままに色々話した記憶がある。さぞうるさかったろうけど、彼は暖かい人だった。今年彼がアシスタントGMになったときに、彼に対して嬉しくなったのを覚えてる。彼とは長い友人だ。いつだっていい友人だ。彼伝いにランドリーのことも聞いた』

ホークスのHCになるまでの期間について
『まず前提として、今年は家族との時間を過ごそうと思っていた。この仕事をしているとなかなかそういう時間をとれないからね。ただ、コーチ業を引退するつもりはなく、長くはならないと思っていた。そして、今まさにHCになっている。いいオフシーズンだった。車で40分かけて学校に送り迎えしたり、家族に沢山の時間をかけられた。正しいことと間違ってることというのが世の中には沢山ある。もしかしたら君は私が間違ってるというかもしれないけど、それは君と私が違う考え方をしているからだ。ただ、私はどんな状況でも挑戦できるならそうするだろう。チームの数だけプレーの仕方も当然異なる。準備の仕方とかもね。今はただ目の前のことが楽しみだ。よい組織やよい人に囲まれて仕事ができる。そして、何をすべきかを理解していくことが楽しみだ』


Landry Fields


フィールズさん
インタビューの前に
『我々にとって今日は非常に素晴らしい日だ。いつもはフロントから王座を狙うチームとして、個人の価値や、チームの結束、発展の強烈な刺激となるだろう今宵のような出来事は我々がフロントとして動き出してからそう起こるものではなかった。彼は求められたことを成し遂げることで我々を助けてくれる。彼は本物であり、'True To Atlanta'を体現してくれる。クインとその家族を今日アトランタに迎えられたことはこのフランチャイズにとって、非常に、非常に大きなものとなるだろう。私は彼がもたらすものであったり、この集団を牽引することで我々を助けてくれるだろう。今日を迎えられたことに感謝したい』

あなたがクインをHCとして招聘しようと思っていたのはいつからですか
『我々はネイトと分かれ、まずカイルにクインと連絡してもらった。それが最初の電話だった。私は彼に「我々は積極的に交渉する。何故なら我々には既に次のHCを待ち望んでいるからだ。」そう彼との電話で話したんだ。彼はHCとしては謙虚で無私な人だ。彼がバスケットボールチームに求めるものであったり、フロントとしての動向を彼に伝えた。そこで我々は合意にこぎ着けた。その時間は非常に有意義なものだった。その時間を通じて彼という人間をよく知ることが出来たからだ』

Kyle Korver


プレーだけじゃなく、アシスタントコーチとしてクインと仕事をしたあなたにとってスナイダーさんに最初に連絡をしたときの心境
『クインを長く知ってる。彼とはアシスタントコーチとしても働かせてもらったしね。アトランタで彼とプレーしたときからはもう何年もたってしまったけどね。NBAでは多くの素晴らしいコーチがいるわけだけど、クインのようにNBAを長く渡り歩いてきた創造性のあるHCは誰もいないと思ってる。新しい道を作り出したり、古いムーブを引っ張り出してきたり、そういう人は彼くらいしか思い付かないね。彼とACとして過ごした年はとにかく彼の考えを頭に叩き込み続ける日々だった。そして、今、次のHCを探そうと色んな可能性を考えたときに「そうだ、彼なら多くの選択肢を模索してくれる」そう思ったんだ。彼には高い尊敬の念を持ってるし、コーチとしても私を色んな場面で助けてくれたから』

クインやランドリーと話し合いをしたと聞いたが、何をこのチームで作ろうとしているのか
『一番最初に開いたズーム会議では、クインは我々と違う思いを話していたのかもしれない。ただ今は同じ道を歩いている。クインは健全な組織とスタッフが同じ方向に向けて、革新を進めていくことを。共に育ち、共に発達していくことを求めていた。それが話し合いの場で起こったことの大枠さ。私はそれを聞いて、素晴らしいことができると思った。スクリーンの向こうでは彼も同じようにわくわくを隠しきれない様子だった。我々と彼は素晴らしい関係になるだろうとそのとき確信した。もうじきそれは始まる。それはまだ道のりの途中だけど、目的に向かって進んでいくだろう。彼は我々の求める人材だった』

彼が明日からチームに帯同することについて
『素晴らしいよね。理想的というだけじゃなく、彼は素晴らしいコーチだと思ってるから。彼はビジョンを投げ掛けるのが上手だから。我々がゲームにもたらしたいものを彼は的確にチームに届けてくれる。何度でも何度でもね。どんな風にプレーさせるか、どんな風にお互い経験を積んでいくのか、楽しみだ。彼はすぐにでも自分のやりたいことを追い求めてくれるからね』

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