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中部電力MIRAI TOWERと加藤珈琲店を紹介したい(2/4)

銀河横の回転寿司屋で腹ごしらえを済ませ、本題の塔に臨む。果たして何処までお邪魔させてもらえるのかしら、高みから次向かう方でも決めようかしら。そんなことを考えながら、近づけば近づくほどデカい、デカい

本題の塔

今は中階層のヒトなどと比較させたい。案内表示に助けられながらキョロキョロと中へ入ると、ある掲示が目に留まる。

《本日開催》スカイウォーキング
所要時間: 15分~20分程度
実施日: 毎週土曜日・日曜日・祝日
10:00~16:00(要展望料)
参加方法: 1Fチケット売り場にて展望チケットをご購入頂きスタッフにお声掛け下さい

何ぞやとよく読まずに説明すると、階段で上まで登れるらしい。鍛える努力こそしてこなかったが、散歩好きで体力には自信がある。不快な疲労をする気はない。ここはひとつ人生で一番若いと声高に叫ばれる今のうちに挑んであげましょう早く

受付でチケットを渡されながら説明を聞き流していると、「~、エレベーターのご案内でよろしいでしょうか。」と伝えられたような。
「階段の方でお願いしてもいいですか」


定型業務に生じた間は、チャレンジメニューを注文する追体験かもしれないし、あるいはお子様ランチかもしれない

再度確認のあと案内された先は、"スカイウォーキング"入口、重々しい扉の前だ。「~、全部で四百XX段、~、途中でリタイアはできませんのでご注意ください。」子どもの頃によく登らされた三千段という数字に歪められながら、リタイアできませんて何、令和よ?と聞き流しそびれる。

塔の中へ閉め出され、辺りを見回すと期待を上回る関係者以外立入禁止の濃度に胸が高鳴る。大して映えもしない写真を撮りながら非非常階段を上ると、ときたま動物園や遊園地にあるようなラミネートが貼られていた。やはり子ども向けだったようだと半分誤解しながら登り進め、ふと景色を見ると既にそこそこ高い。冷たい強風の援護に身を震わせながら、手すりを握りしめつつ天を仰ぐとそれはそれは絶景かな。


絶景

残り半分という妥当な進捗を示すラミネートの煩わしさに文句を並べる余裕もなかった。大の大人が「こわーい、こわーい」と情けなく漏らしながら、言われずとも手すりにしがみつき、そろそろと歩みを進める。次第に上がる目前の景色の高度は、麻痺で薄まる恐怖を煮詰めて慣れることを許さない。再び上など見ること敵わず、横を通るエレベーターに手を振る作法らしいので一度その気なく視線を送るとオモリの方でよかった。いよいよ景色の変化も判らなくなってきた間もなく終点のラミネートの先に、周りを不透明な壁で囲まれた扉が見えてきた

下りはエレベーターを使うよう最後のラミネートに注意され。扉を開ける。中は暖かく、行き来する人を、こちらに背を向けてスタッフが案内していた。私に気づくと労いの言葉と、少々の感想戦、またひとつ上の階には360°見渡せる鳥カゴのようなスペースがあることを教えてくれた。屋内階段を上り再び外へ出ると、一面人工芝と金網に覆われたスペースに、大きめのイスと双眼観光望遠鏡がいくつか設置されている。そこからしばらく肉眼では楽しめないビルの壁を中腰で眺めた後、入口から反対側へ向かうと聖地があった。

証明写真

そいつは違いないなと誰に用意するわけでもない証明写真を撮って中へ戻る。

ひとつ下の階へ戻りぐるりと一周して、エレベーターのやけに厳めしい扉がスタッフの手で閉ざされたことに平然を装いながら下へ降ろされる。途中外からキャーキャーと声がした、勧めた言い訳のひとつにしよう。

扉が開くと中階層に併設されたカフェの甘い香りに、良質なストレスの緩和を求めたくなる。カウンターへ向かうと、酸味の効いたメニューが並んでいた。


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