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ばあちゃんと電話
疲れた金曜日
疲れるとばあちゃんと話したくなる。
話したくなると、疲れてきてるんだなぁと自覚する。
なんとなく20年先くらいのことを考えて悲しくなった。
まだばあちゃんいるのに。
起きてないことで泣くくらいならと、電話をかけた。
電話にばあちゃんが出た。
少しせかせかした声で何かしてたんだろうなと思った。
今日は、美容院に行って綺麗になった日なんよと話してくれた。
最近は近所の同級生とお互いの家に行き来しお茶をしていること、たまに近所のお好み焼きやにも一緒に食べにいくことを話してくれた。
ふと、ばあちゃんが「長く生きるもんじゃないよ〜」と言った。
最近のばあちゃんのお決まりの言葉。
色んなことがわからなくなるらしい。
今まで受けてきたインフル予防接種の種類が変わった、なんで変わったのかが分からないとかのレベル。
ボケてるわけじゃない。
新しいものについていくのがしんどくなってきたというニュアンスな気がする。
ばあちゃんは、のんびりしたいらしい。
生まれた時(戦前)から今にかけて大きく変化しすぎていて疲れるらしい。
昔のことはもうよく覚えてないけど、今よりかは確実にシンプルだったらしい。
選択肢がないから、これはここで買う、これはこれといつも迷わなかったらしい。
今は選択肢が多すぎて、私たちはあまり真剣に理解せず直感で物事を選ぶことも多いと思う。
ばあちゃんはそういった時代に生まれていないから、何を取るにもしっかり理解した上で選ぶのかな。
そうなると今の時代は選択肢が多すぎるのかな。
ばあちゃんの話を聞いてると、毎日がとてもルーティンな感じがした。
小麦粉はこれ、バターはこれ、美容院はここ、買い物するならここというように。
私は毎日すぐ飽きてしまうから、いつも気分転換を心がけてるのに。
もしかしたら気分転換の心がけも負担なのかな。
ばあちゃんの話は面白い。
辻褄が合ってなくたっていい。
ばあちゃん視点で見る世界の話が聞けるから私は楽しいんだ。
正しさなんか必要ない。
私が子供の頃、朝早く起きてよくばあちゃんの家に行ったよねという話をした。
私は平日より早起きする子供で、家族は誰も起きてない。
隣に住む祖母の家に私はいく。
じいちゃんとばあちゃんが起きてるのを知ってるから。
「おはよう!」と裏を開けると、じいちゃんは座ってテレビを観てる。
膝に座って一緒にゲゲゲの鬼太郎を観た。
ばあちゃんに朝ご飯いるかと聞かれて「いる!」と返事する。
しばらくすると、ふわふわな緑の葉っぱにプチトマト、卵焼きにおにぎりの朝ごはんが机に並ぶ。
3人で食べるのが好きだった。
この話をばあちゃんにしたら、全然覚えてないと言われた笑
覚えてなくてもあんまり悲しくなかった笑
きっと、隣に住んでるのにお泊まりさせてもらったことも覚えてないんだろうなと思った。
私は覚えてる。とても楽しかったから。
高校生になって、親にも悩みを相談できなくなった時ばあちゃんちで泣いたのも覚えてる。
夜ご飯も食べずにいた私に、スイカを出して「とりあえず食べんさい」と、とにかく居てくれた。
「話聞いても分からんから、何も言えんけど」とばあちゃんは言っていた。
逆にそれが良かった。
人は、いつも答えを出そうとする。
まだ答えを出す心の準備ができてないのに、本人より先に解決してくれようとする。
ばあちゃんが大好き。
ばあちゃんは、グミが分からないらしい。
今度美味しいグミを持って行こうと思った。
おしまい。
ばあちゃんが大好きという話でした。
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