アメリカの人種差別運動
アメリカには、人種差別が根強くはびこっています。先日、フィリピン系の人がサンフランシスコの自宅の壁に『Black Lives Matter』(黒人の命は、大切だ)という最近の人種差別運動のスローガンをチョークで書いていたら、白人夫婦が『他人の家の壁に落書きをするな。私たちは、ここの住人を知っているのよ。』と問い詰めて、警察に通報した。
実際に警察が来たらしいです。でも、警察も彼の事を知っていたので軽い会話で去っていったようです。
この白人夫婦とフィリピン系の人の会話が、動画が拡散され、白人夫婦の夫の方が会社から解雇されました。妻の方は、自営業のようで閉鎖したようです。
この夫婦が責められるのは、以下の3つと読みました。
1.フィリピン人(アジア人)が地価の高いサンフランシスコに住めるわけがないという人種的偏見
2.そこの住人を知っているという嘘をついたこと
3.話し方が、まるで子供に説明するようでバカにしていたという人種的偏見
実際には、この夫婦がどう思っていたかは分かりません。この夫婦は、声明を出して、意図的にとった人種差別的な行動ではなかったと謝罪しています。果たして、そうなのかは分かりません。世論が怖いので謝罪をしたのかもしれません。
ここからは、僕の見解です。
この夫は、金融関係で働いていましたが、動画が拡散した直後に解雇されています。その会社は、こう説明しています。
『我々は、いかなる人種差別も許しません。即日に、この社員との関係を切りました』
ここが問題です。
人種差別反対を唱えるのであれば、解雇するのではなく、彼を更生させるためにボランティア活動などに参加させることもできるはずです。もちろん、彼が拒むのであれば、それだけです。
解雇すれば、関係も切れるし見栄えや聞こえは良いでしょう。しかし、根本的には何の解決にはなりません。
はっきり申しますが、責任逃れみたいな行動です。会社には、社会的責任というものがあります。それを完全に放棄したということです。
企業には、根強く組織的な人種差別が蔓延しています。僕以外にも多くの人が、その組織的人種差別のもと働いてきましたし、いまだに働いています。
僕が早期リタイアした要因の一つが組織的人種差別です。
人種差別という言葉がタブーのアメリカ企業、この件とは関わりたくない。この責任放棄も組織的人種差別と言えるかもしれません。
この会社が、彼を更生するサポートをして、人種差別運動のボランティア活動に参加するなんてことをすれば良かったのにと思います。
全く向上、改善のない決断です。
ちょっと残念ですね。