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ここは中国?萬福寺
こんにちは!ぽてこです。
建築と歴史を巡る旅、初回はここ最近訪れた神社仏閣の中で一番心を奪われた、萬福寺について。
今や日本の食卓に欠かせないインゲン豆、スイカ、タケノコ、レンコンは、萬福寺の開祖、隠元禅師が明(中国)から持ち込んだもの。
そして、明から持ち込まれたものは食べ物だけにあらず。
寺院を構成する伽藍の隅々にも、フロムチャイナが表れているのです。
中国文化と日本の仏教文化が融合した禅宗寺院には、大陸のオリエンタルな空気が広がっていました。
萬福寺について
■名称・黄檗山萬福寺(おうばくさんまんぷくじ)
■開創1661年(寛文元年・江戸時代)
■開祖・隠元禅師
■宗派・黄檗宗(日本三大禅宗)
■所在地・京都府宇治市五ケ庄三番割34
オリエンタルな空気の正体・明朝様式
萬福寺の三門をくぐると次々に目に入ってくるのは、一般的な日本の寺院ではあまり見かけない建築様式、意匠の数々。
これは萬福寺最大の特徴「明朝様式」と呼ばれる中国明朝末期の建築様式で、境内の七堂伽藍を彩っています。
現在、国宝になっているものはありませんが、門や堂など伽藍のほとんどが重要文化財に指定されています。
日本(しかも京都)のお寺にいるのに、どこか中国にいるような気分になるのは、この明朝様式から醸し出されるもの。
見るのも楽しく、思わず写真を撮る手が止まらなくなってしまった「ぽてこ的明朝様式ベスト8」どうぞご覧ください。
ぽてこ的明朝様式8選
1.礎盤(そばん)
三門をくぐる際、真っ先に目に入るのがこれ。堂々として見えます。
![](https://assets.st-note.com/img/1665233727188-uwwmLTLa4N.jpg?width=1200)
2.石條(せきじょう)
境内の参道に敷き詰められている石。
幾何学的な模様は龍の背をモチーフにしているそう。
![](https://assets.st-note.com/img/1665233791606-iYAh4FjopT.jpg?width=1200)
3.卍くずしの勾欄(こうらん)
法隆寺にも見られる意匠ですが、ここにも。思わず目を引かれる存在感。
![](https://assets.st-note.com/img/1665222009108-fZueI4xYnf.jpg?width=1200)
4.桃戸
中国では魔除けとされている桃が描かれた戸。丸っこい姿がキュート。
![](https://assets.st-note.com/img/1665222725441-IttDSV9HXQ.jpg?width=1200)
5.黄檗天井
龍の腹を模しているそう。天井が高く、立体感を感じられます。
![](https://assets.st-note.com/img/1665236492585-6FB7w23OKz.jpg?width=1200)
6.回廊
七堂伽藍全てが屋根付きの回廊で繋がっているのも特徴的。
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7.ギョパン
木魚の原型。
魚は眠る時も目を開けていることから、寝る前も惜しんで修行に励めという意味なのだそう。
![](https://assets.st-note.com/img/1665235417239-8hvFFsOAmd.jpg?width=1200)
8.摩伽羅(まから)
屋根の上にちょこちょこ見かけたこの物体は「摩伽羅」というガンジス川の女神の乗り物のワニ。
アジアの寺院ではよく見られるそうで、これも魔除けの意味があるのだそう。
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まとめ
いかがでしょうか?
日本の寺院ではあまりお見かけしないものばかりだったかと思います。
ぽてこは「あれもこれも珍しい!」と、ひたすらシャッターを押す指が止まりませんでした。
建築物以外にも、眺めているだけで笑顔になるほていさん、イケメンな韋駄天、歴代禅師の達筆などなど、至るところに中国を感じられる見どころに溢れている萬福寺。
訪れた際にはぜひ、禅宗寺院の中の中国を探してみてくださいね!
おまけ
2022年10月28日(金)〜2023年1月31日(火)
「黄檗ランタンフェスティバル〜境内を彩る夜の特別拝観」
(参考:https://www.obakusan.or.jp/information/2289)
準備のために境内には灯籠や人形で埋め尽くされていて、昼間でも華やかで楽しい雰囲気。宵闇に浮かび上がるカラフルなランタンや人形、これもまた一見の価値がありそうですね。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!
読んでくださった皆さんの建築と歴史を巡る旅が楽しく充実したものになりますように。