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sugarの語源:ことばの輸入


 イタリア語では、砂糖のことをzuccheroというらしい。ドイツ語では、Zuckerという。英語では、お馴染みのsugarだ。

  zuccheroとsugerを並べただけでは同じ意味の単語だということは一見して分からないかもしれない。けれども、zucchero, Zucker, sugarと並べると何となく流れが見えるような気がする。ヅッケロ、ツッカー、シュガー。
 
 実際にはイタリア語からドイツ語に派生して英語に派生して…という流れでは無いのだが、このことばの変遷と、砂糖というもののヨーロッパ諸国への広がりを見るとなかなか面白かった。


 砂糖はインドからイスラム圏やエジプトを経由して地中海東沿岸へ入って来た。そしてベネチアからヨーロッパ諸国へ持ち出されたらしい。

 ことばもこれと同様で、元々の語源はサンスクリット語 शर्करा śarkarāで、それがペルシャ語 شکر šakar→アラビア語سُكَّر sukkar→古イタリア語 zuccheroとなっていく。

 そして古イタリア語から古高ドイツ語 zuckar→中高ドイツ語 zuckerを経て、現在のドイツ語 Zuckerとなる。

  英語の場合は、古イタリア語から中世ラテン語 zuccarum→古フランス語 çucre→中期フランス語 sucre→中英語 sugreを経て、現在のsugerとなる。


 モノの広がりとことばの広がりが共通するのは、当たり前のようでなかなか面白い事だと思う。

 新しいモノと同時に言葉も一緒に輸入して、それがどんどんローカライズされていくのは昔から世界共通のことなのだと改めて感じさせられた。楽しい。

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