CryptoVCが最近注目しているWeb3領域プロジェクト一覧
・始めに
前回のnoteでは、
「エンタメ×生成AIという軸で投資すべき・注目すべき領域」
というタイトルで記事を書き、6月現在でエンタメ業界のgenerative AI startupsにフォーカスを当てた展望と、各領域の将来性についてまとめました。
さて今回のnoteではgenerative AI から一旦離れ、SVのもう一つの投資軸であるWeb3業界と他VCの投資動向についてリサーチしました。
調査基準として、
APAC地域を本拠地としてオペレーションを行っている(※本籍地がオフショアでも実質稼働がAPACのものも含む)
Web3,ブロックチェーン及び仮想通貨に関連するプロジェクトに特化している
投資先を公開している
上記を満たしたベンチャーキャピタル4社対象に、2022年9月以降に資金調達ラウンドを行ったプロジェクトの中でも注目度の高いものを3種類ずつ(Hash Globalのみ1種類)ピックアップしています。
・ベンチャーキャピタル
Binance Labs (バイナンスラボ) https://labs.binance.com/
Fenbushi Capital
(フェンブシ) https://www.fenbushicapital.vc/index_en.htmlIOSG Ventures https://iosg.vc/
Hash Global (ハッシュ・グローバル) https://www.hashglobal.io/
・各VCの注目度の高い投資プロジェクト
Binance Labs
①レイヤーゼロ Layerzero https://layerzero.network/
調達ラウンド:シリーズB
調達額:1億2000万ドル
調達時期:2023年4月
LayerZeroは、複数存在する各ブロックチェーン間の共通のコミュニケーション規格として機能し、今までのブリッジが抱えていたコスト・遅さ・安全性を改善するプロダクトとして期待が寄せられています。
②セレスティア Celestia https://celestia.org/
調達ラウンド:シリーズB
調達額:5500万ドル
調達時期:2022年10月
Celestiaは企業向けソフトウェアで、ブロックチェーン上の各処理(実行処理、決済処理、コンセンサス処理等)を分担することでレイヤーを分離し、独自ブロックチェーンの構築の難易度を大きく引き下げることを可能とします。
③インプロバブル Improbable http://improbable.io/
調達ラウンド:レイターステージ
調達額:1億1200万ドル
調達時期:2022年10月
Improbableは2012年に創業したメタバース特化スタートアップで、高クオリティで高いユーザー体験を追求する総合支援プラットフォームを開発しています。近年では多くのエンタメ企業と提携し、事業の多角化を進めています。
Fenbushi Capital
①アーフ Arf https://www.arf.one/
調達ラウンド:シード
調達額:1300万ドル
調達時期:2022年10月
Arfは国際的な決済・清算プラットフォームで、現状の国際的決済に係る複雑性と規格の曖昧さを解消するために創業されました。一元化された信用システムのもとで国家間の経済活動を効率化することに期待が寄せられ、VISAやCircle(ステーブルコイン$USDCの開発)等と戦略的提携を組んでいます。
②エアスタック Airstack https://www.airstack.xyz/
調達ラウンド:シード
調達額:700万ドル
調達時期:2023年5月
Airstackは、ブロックチェーン開発者のWeb3オンチェーンデータやオフチェーンデータの照会や検証を容易にし、アプリケーションへの統合をスムーズにします。自前のインフラを構築せずにエンドユーザーと接続できる機能を提供しています。
③アズテック・プロトコル Aztec Network http://aztec.network/
調達ラウンド:シリーズB
調達額:1億ドル
調達時期:2022年12月
Aztec Networkは、パブリックチェーン上でもセキュリティとプライバシーを担保できるzkRollupで、匿名性と機密性を保ったままレイヤー1のアプリケーションにアクセスすることを可能とします。コスト面でもトランザクション費用を抑えることができ、プライバシーを必要とする企業等に対しブロックチェーンの普及を促す効果があると見られています。
IOSG Ventures
①シンセティックス Synthetix http://synthetix.io/
調達ラウンド:シード
調達額:2000万ドル
調達時期:2023年3月
Synthetixではユーザーが仮想通貨以外にもフィアット通貨(米ドル、日本円等)や株式・金・石油等コモディティの価格と連動するトークンを発行または取引することを可能とするプロトコルです。独自トークン$SNXを発行し、DEXとしても非常に高い流動性を持ちます。
②トランザック Transak http://transak.com/
調達ラウンド:シリーズA
調達額:2000万ドル
調達時期:2023年5月
Transakはデベロッパー向けにフィアット通貨/仮想通貨ペアでの売買・取引における決済インフラを開発しています。過去の決済システムに比べて、本人認証やバックグラウンドチェックを効率化し、また実装も早い点でユーザー/デベロッパー双方の需要を満たしているといいます。
③タイコ Taiko Labs https://taiko.xyz/
調達ラウンド:シード
調達額:1200万ドル
調達時期:2023年6月
Taikoはイーサリアムに近いType1のZk-EVM(レイヤー2のゼロ知識証明ロールアップ)を開発しており、また今までのType1 Zk-EVMが抱えていたトランザクション処理の遅さやコストの高さを解決する方法を持ちます。rollupとして理想的と認識される初のType1として他VCやエンジェル投資家から高い期待を寄せられています。
Hash Global
ゼロエックススコープ 0xScope https://0xscope.com/
調達ラウンド:シード
調達額:300万ドル
調達時期:2022年9月
0xScopeは、トランザクションを通して接続されるあらゆるアドレスデータを収集し、社会的繋がりを示す「ソーシャルグラフ」の開発と提供を行っています。知識マップと評されるこのデータはプロジェクトや事業開発者にとってユーザーデータの活用の深度を向上させることが出来るため、新たなソーシャルメディアの形態としての発展が期待されています。
・その他プロジェクトリスト
お読みいただきありがとうございます。上記ではリサーチ対象となったプロジェクトの中でも他VCの投資が多かったりメディア露出が多かったりと注目度の高いもののみを掲載しましたが、上記VCが投資を行っている他のプロジェクトを整理したスプレッドシートも是非ご覧ください。
なお、上記のリストに記載されたプロジェクトは例示と広報を目的としたものであり、投資アドバイスとみなされるべきではありません。投資を決定する前に、十分な調査をと確認をお願いできればと存じます。
また、転用・参照をされる場合はこちらのnoteの出典記載をお願いします。
・最後に
いかがだったでしょうか。Web3及び仮想通貨業界のVCは、金融、ブロックチェーン、Decentralizationの未来を再定義する画期的なプロジェクトを調査、支援し続けています。上記のプロジェクトは、一部のVCによる一部投資例に過ぎませんが、この他にも業界の成長と発展に貢献している事業は無数に存在します。今後もこれらのスタートアップに目を向け、調査と投資を続けていくことが推奨されるのではないかと考えます。
最後までお読みいただきありがとうございました!
Ric
https://twitter.com/rice_vc