ORIENTAL DAIKANBO 旅行記
一見鉄道かバスか分からない、謎の乗り物「トロリーバス」。
日本から消滅してしまうというニュースを耳にして、トロバス取材を決定した。
1日目 11/26
学校帰り、秋が深まりすぎてすっかり寒くなった東京駅から、旅に出発した。
学校帰りに始まる旅が一番ワクワクする。
北陸新幹線、糸魚川までは過去にお世話になったけど、北陸地方に踏み入るのは今回が初めてだ。楽しみ。
結論から言うと今回の旅はハプニング続きだったのだが、早くもここで最初のハプニングが発生した。
目的地である北陸地方の荒天だ。
新幹線が運休になるかもしれない、みたいな放送が流れていた。初っ端から不安すぎる。
電車は糸魚川駅までは順調に走行。しかし糸魚川を通過したとたん、車内までその音がはっきり聞こえるほどの暴風と横殴りの雨が。。。
幸い、私が乗った新幹線は減速運転をしながら約20分の遅れを持って富山駅に到着。一日目のミッションをクリアした。
しかしどうやらこの数本後の新幹線は強風で運転見合わせになっていたそうだ。危なかった~
その後在来線と駅前にいるバス、市電を撮りに出かけた。東京じゃ見れないバスと路面電車だらけでめっちゃテンション上がった。
そんな感じでカメラ振り回して、駅舎から出たらいつの間にか外が暴風雨。傘をホテルに置いてくるというヘマをやらかしたのでびしょ濡れになりながらホテルに戻った。カメラのほうが大事だからね。
ここで一日目は終了。
と思いきや、
ハプニングが。
まさかの緊急地震速報。
びっくりした。よりによって石川沖で地震。富山も結構揺れた。
次の日の行程が心配にはなったが、とにかく寝るしかないので寝た。
2日目 11/27
いよいよ立山黒部アルペンルートへ向かう。私は当日券を買うつもりで富山に来たのだが、枚数に限りがあるのでチケットを入手すべくなるべく早く立山に向かった。
なぜか地鉄電車の写真撮るの忘れてた。何してるんだろう。再履修だね。
まあそんなことはさておき、まずは電鉄富山駅から朝6時過ぎに出る立山行に乗り込んだ。
地鉄電車、めちゃくちゃ景色良かった。こんど地鉄のためだけに富山に来るのもありかもしれない。
景色を眺めてたらあっという間に電車は立山駅に到着。7時14分。
ここでアルペンルートの当日券を買うためにチケット売り場の前で発売開始まで1時間くらい待った。3番手くらいだった。中国人らしき人が多かった。
これ後で知ったんだけど、アルペンルートの乗車券は電鉄富山駅で買えたみたいだ。これを知っていればこんなに朝早起きする必要なかった。まあいいや。
無事にチケットも購入でき、いざアルペンルートへ。最初の乗り物は立山ケーブルカー。
いきなり超急斜面だったので驚いたが、難なく走行していた。技術に感心。
美女平までおよそ7分。あっという間に到着。
続いて乗車するのは立山高原バス。使用車両はいたって普通の大型バスっていう感じだった。
このバスでおよそ20㎞も雪山を登る。景色がみるみる変わるから面白かった。美女平付近では道の周りにほとんどなかった雪が、登るにつれて道路一面が真っ白になるほどの雪になる。
美女平を出発したバスはぐんぐん山を登り、約50分後に室堂駅に到着。ここがアルペンルートの最高標高地点。標高2450メートル。高い。
この室堂駅には展望台があったから行ってみたら、圧巻の銀世界だった。立山で10℃くらいあった気温も、ここに来ると‐5℃くらいになる。結構寒かった。
ここからが例のトロリーバスだ。早速ご対面。
こんな見た目で電車の音を出すとか考えられないほど見た目はバス。乗車して大観峰駅まで向かう。乗車時間は約10分。
10分の乗車時間の割には車内の座席などはしっかり作られていた。このちょっとレトロな感じがたまらない。
トロバスは狭いトンネルの中を走ってゆく。普通のバスのように運転士のハンドル操作で方向をコントロールしているから、運転技術も相当なものなのだろう。
10分はあっという間だった。大観峰駅に到着。
この駅で今回の作品を作ることにした。理由は駅のカーブがきれいだったからだ。ここで駅の係員さんに、通常撮ることのできない、発着シーンの撮影の許可を取るべく無理なお願いをした。すると係員の方のご厚意で、撮影の許可をくださった。大感謝です。本当にありがとうございます。
この駅で1時間ほど素材を集め、再びトロバスに乗って室堂まで戻ることにした。昼ご飯を食べるためだ。
室堂駅には駅蕎麦があって、やっていると思っていたのだが、今シーズンの営業はすでに終了してしまったそうだ。昼飯にありつけるか不安だったが、幸いこの駅にはホテルがあって、温かいカレーライスを食べることができた。
ご飯を食べた後、ふとトロバス引退イベントについて思い出した。先着十名で、普段は立ち入ることのできない場所からトロリーバスを撮れる企画を引退までのラスト一週間でやっていたのだ。もちろん事前抽選制だが、現地に赴いたのが平日だったこともあり、もしかしたら枠に空きがあるのではと思いダメ元で係りの方に訊いてみた。するとやっぱり空きがあって、当日の飛び入り参加ができてしまったのだ。しかもなんと参加費用はタダ。すごく得をした気分になった。
その後も室堂で素材を集めようとしていたら、係員の人がわざわざ声をかけてくださった。ホームに入って動画を撮ってもいいよ、とのことだった。ほんとにありがたい。引退直前でオタクで荒れるイメージしかなかったのだが、全然そんなことはなかった。めちゃくちゃ平和で、係員の方の対応にも本当に驚いた。まさかあちらから声をかけてくれるなんて、ありがとうございました。
さらに、出発するときの放送とメロディーの録音をしたいという、無茶なお願いをしてしまったのだが、「鳴らしてほしいときに言って。流してあげるから。」と。ほんとうに神対応ありがとうございました。また絶対行きます。
というわけで、この動画は現地の係員の方々の多大なる親切心によってつくることができたわけだ。
素材回収を無事終えたあと、立山ロープウェイ、黒部ケーブルカー、関電トンネル電気バスと乗り継いで、アルペンルートの終点、扇沢駅まで降りてきた。
帰りは長野までの路線バスで2時間ほど走り、新幹線で帰る予定だったのだが、そのバスの経路の途中で事故があり、通行止めになってしまった。路線バスという特性上、迂回することができず、何時に長野に着くか分からないとのことだった。
急遽予定を変更し、信濃大町までバスで出て、そこから大糸線で松本、さらにそこからあずさで東京方面へ帰宅することにした。
私は予定していた時間よりも早く素材集めが終わったので、予定より一時間ほど早く扇沢まで降りてきていた。それがよかったのだ。予定通りの時間に扇沢についていたら、最終の信濃大町行きのバスが出てしまっていて、何時間かかるか分からない長野行きのバスに乗る羽目になっていたからだ。
その日中に帰宅できていなかったかもしれない。
トラブルだらけの1泊2日だったが、思い出に残る非常に良い旅だったと思っている。また行きたいと思えた。