見出し画像

【漫画レビュー】約束のネバーランド

オススメ度:★★★★★

名作。全20巻で完結済。
少なくとも漫画原作に関しては間違いなく名作だ。決してアニメの話をしてはいけない(大声)

※この漫画をレビューしようとするとどうしてもネタバレになります。注意願います。

〈大まかなストーリー〉
孤児が集まる施設で幸せに暮らしていた主人公達はある日、自分達が孤児ではなく鬼という生物に食われる為の食用児であり、この施設は食用児を育てる為の農園だという事を知ってしまう。
物語は鬼から施設の家族を守る為に施設からの脱獄を試みる所から始まる。主人公達は最初こそ皆で生き残る為に行動しますがやがて、鬼と人間が共存している社会の複雑さやその歴史的背景、そして鬼、人間、食用児それぞれの思惑を目の当たりにする。
全てを知った主人公は人間も鬼も幸せに暮らせる世界を望み、最終的にこの世界の神と新たな約束を結ぶという話。

ストーリーは大まかにGFハウス脱獄編→ミネルヴァ探訪編〜ゴールディ・ポンド編→7つの壁〜王都決戦の3つに分かれており、全体を通して主人公達は食用児達に世界の真実を知るヒントを与え続けたウィリアム・ミネルヴァという人物を追いかけていく。
バトルや恋愛の要素は殆どなく、基本的には謎解きと冒険をベースにしたファンタジーである。


この漫画は画力や徐々に謎が明かされるストーリー構成力も素晴らしいが1番の評価ポイントは世界観の設定が良く練られており、社会の複雑性が凄く良く伝わってくる点である。
一例として鬼の設定について、一見すると鬼は人間(食用児)を食べる残虐な存在に見えるが鬼にも食用児を食べなければいけない事情があり、食用児という存在が生まれた背景があり、鬼にも家族や社会がある。そして鬼は一枚岩ではなく、各々の政治的な思惑であったり欲望があったりと鬼1つとってもその背景は複雑になっている。当然、食用児や人間にもそれぞれの思惑があり、主人公はそういった複雑な事情を鑑みて最終的に神と新たな約束を結ぶ決断をしたと思われる。

色々小難しく感想を書きましたがぶっちゃけこの漫画を端的に説明するのは不可能なので興味が湧いたら読んでみてください。個人的にはかなり面白かったです。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?