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「扶養」とは?「社会保険上の扶養」と「税法上の扶養」の違いをわかりやすく解説
「扶養(ふよう)」という言葉、よく聞きますよね?
ひとくちに「扶養」といっても、
「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2種類があり
それぞれ適用されるための収入や所得要件が異なるんです!
今回は混同しがちな2つの扶養について確認していきます(^^)
扶養とは
一般的に扶養とは、家族や親族から経済的な援助を受けることを言います。
所得税や社会保険(健康保険と厚生年金)には扶養の考えがあり、
課税所得の軽減や、家族分の保険料が免除される仕組みになっています。
課税所得の軽減 = 税務上の扶養
家族の保険料の免除 = 社会保険上の扶養
税法上の扶養と社会保険上の扶養は、
対象となる家族の範囲や収入・所得要件が違うため注意が必要です。
なので「社保扶養はしているが、税扶養はしていない」という事もあり得るんですね。
では税法上の扶養と社会保険上の扶養をそれぞれ見ていきましょう。
【A】税法上の扶養
「税法」とは「所得税法」の事です。
税法上の扶養は「税法上の扶養親族」と呼ばれます。
「扶養親族(養っている親族)」と認められると、所得税や住民税の負担が軽減されます。
「扶養親族」は簡単に言うと、
・範囲:扶養対象者で生計を一にしていること
・条件:扶養される方の給与収入が少額であること
という条件を満たす親族が対象となります。
詳しく見ていきましょう。
【A-1】範囲
生計を一にする6親等内の血族と3親等内の姻族が対象です。
※「生計を一にする」とは、同居だけでなく、単身赴任や学生生活のための一人暮らしなど都合上別居している場合でも生計を一にしていると認められることがあります。
※ 内縁の配偶者は対象外です!
他にも、
知事や市長から養育を委託された児童(里子)や養護を委託された老人も対象となります。
【A-2】条件
・給与収入が年間103万円以下の人(配偶者の場合は150万円以下)
・65歳未満で年金収入(公的年金)が年間108万円以下の人
・65歳以上で年金収入(公的年金)が年間158万円以下の人
・事業収入が『年間収入 ー 必要経費 = 38万円以下』の人
【A-3】「年間」の範囲
その年の1月1日から12月31日の実際の年間収入で判断します。
【B】社会保険上の扶養
社会保険とは、健康保険と厚生年金保険の総称です。
社会保険上の扶養は「健康保険の被扶養者」と呼ばれ、自分で健康保険料や年金保険料を支払うことなく健康保険と国民年金(60歳まで。第3号被保険者)に加入することができます。
「被扶養者」となるには、以下の条件を満たす必要があります。
【B-1】範囲
扶養者の配偶者や扶養者の3親等内の親族で、75歳未満の人が対象です。
ただし3親等内の親族であっても同居していないと被扶養者となれない場合があるので注意しましょう!
■ 別居でもOKな人
・配偶者(内縁関係もOK)
・実子・養子・孫・兄弟姉妹
・実両親・養父母・祖父母・曾祖父母
■ 同居でないとNGな人
・【別居でもOKな人】以外の3親等内の親族(義父母など)
・内縁の配偶者の両親や連れ子
※内縁の配偶者が死亡した後も扶養に入れることが出来る
■ 被扶養者となれる範囲を図でわかりやすく
【B-2】条件
■ 同居の場合
・1年間の見込収入が130万円未満 (60歳以上又は障害者の場合は年間収入※180万円未満)
かつ、
・収入が扶養者(被保険者)の年間収入の2分の1未満
ただし、「収入が扶養者(被保険者)の年間収入の2分の1未満」でなくても、被保険者の年間収入を上回らない場合には被扶養者となることが出来る場合もあります。
■ 別居の場合
・1年間の見込収入が130万円未満
(60歳以上又は障害者の場合は年間収入※180万円未満)
かつ、
・収入が扶養者(被保険者)からの仕送りなど援助による収入額未満
「1年間の見込収入が130万円未満」について、
給与所得等の収入がある場合は月額10万8,333円以下、
雇用保険等の受給者の場合、日額3,611円以下にする必要あり!
個人事業主も被扶養者になれますが、年間収入の算定は事業所得の金額を計算する時と控除できる経費が異なるので注意!
【B-3】「1年間」の範囲
これから先1年の収入見込で判断します。
例えば7月から社会保険の被扶養者となる場合、
今年の7月~翌年6月までの収入見込が130万円未満であればOKです(^^)
【C】ちなみに、国民健康保険の扶養
国民健康保険には扶養という概念はありません!
同居家族だとしても扶養にはならず、全員が被保険者となり、それぞれが保険料を支払うことになります。
○○万円の壁
扶養の話をする際に「○○万円の壁」とよく聞きますよね。
扶養に関する金額は複数あるので、ここで整理しましょう。
※ 金額は年間の給与収入の金額です。
※(税)税務上の扶養に関わる壁
(社)社会保険上の扶養に関わる壁
・100万円の壁(税):
100万円を超えると自治体によって住民税が発生します
・103万円の壁(税):
103万円を超えると所得税が発生します。
配偶者控除を受けるためには、配偶者の年収を103万円未満にしなければなりません。
・130万円の壁(社):
130万円を超えると社会保険上の被扶養者となることができなくなります。
・150万円の壁(税):
150万円を超えると配偶者特別控除の満額(38万円)を受けることが出来なくなります。
※ただし納税者の年収が1,120万円を超えると控除額は段階的に減額されます
・201万円の壁(税):
201万円を超えると配偶者特別控除を受けられなくなります。
※配偶者特別控除は、配偶者の収入が103万円を超えて約201万円以下までが適用対象です。201万円以上になると控除額はゼロとなります。
最後に
今回はよく聞く「扶養」について確認しました。
次回は社会保険上の扶養の番外編として
『これって被扶養者になれる?3つの事例』
を紹介したいと思います(^^)
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今回も読んでくださりありがとうございます!
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