シーズン3:第3話 アーツミュア刑務所 All Debts Paid
イングランド軍に捕えられたジェイミーはアーツミュア刑務所で「マック・ドュー」と呼ばれてリーダーとなっています。このゲール語はどういう意味なのか知りたい…刑務所でのジェイミーはボロを着て煤汚れた顔をしているのですが、感情を押し殺した表情や鋭い眼光がそれはカッコイイので、シーズン2のゴージャスなフランス編とは真逆のコスチュームで味わい深いです。クレアを失った悲しみを常時陰の様にまとったジェイミーが胸に刺さる!
新任の所長としてジョン・グレイが再登場(デヴィッド・ベリー演じる大人のグレイとしては初)して、前任の所長から引継ぎをするシーンがありますが、前任の所長を演じたフレイザー・ハインズはダイアナ・ガバルドンが『アウトランダー』執筆のインスピレーションになったドラマ『ドクター・フー』にキルトを着たスコットランド人の役(その名もジェイミー)で登場したその人だそうな。へぇ~。
ジャコバイトの反乱時にフランス王家から支援されたとされる幻の金について病人から情報を聞き出す役目を負ったジェイミーが「白い魔女」の言葉に反応して脱走するところはハラハラしましたが、ジェイミーを捜索するグレイの元に戻り、彼の復讐を果たせと身を投げ出したのはなぜなんだろう?クレアがいるのではないかと期待した自分に失望して死にたい気持ちだったから?
ジェイミーが次第にグレイと心を通わせ、あの日自分の妻の貞節を守ってくれたグレイに礼を言うシーンは好き。その後で手を重ねてきたグレイを完全に拒絶する表情もいい!この時から生涯叶わぬ恋心を抱えることになるグレイの辛そうな表情もいいわ!
ジェイミーとグレイが食事を共にするシーンで、鶏料理に添えられたワインソースを1口で「ブルゴーニュ産ワイン」と当てたジェイミーの舌の洗練され具合が何もわからないイングランドなグレイと対照的。ジェイミーはフランスでワインの仕事もしていたのだものね。ところで、ブルゴーニュはイギリス英語では「ブルゴーニュ」でアメリカ英語では「バーガンディ」になるのだろうか?アメリカではブルゴーニュ通じなかったような記憶が…
夫婦仲が離婚直前状態のクレアとフランクは見るのも痛々しい。クレアは自分が引き起こしていることに対して、フランクに当たり過ぎだって。一番辛い思いをしているのはフランクだと思う。
ブリアナを連れてイギリスに行きたいというフランクに激怒するクレア。フランクに「君はブリアナに彼を重ねて見ている。あの子がいなければ時と共に忘れられたのではなかったか?」と言われて否定したクレアのセリフ “That amount of time doesn’t exist!” っていうのは、「時がたてば忘れられるもんじゃない」ってことだろうか?18世紀に行ったあの時間も経験も存在しないのだという、自己否定フェーズなのだろうか?それともあの出来事を口にしない約束をフランクとしたことをさしているのだろうか?
大げんかの末にフランクが自動車事故で死んだことを知るクレア。かつて愛して憎んだ夫の横たわった姿。「まだ声が届くかしら、愛していたのよ」とキスするクレアの涙に、胸が締め付けられました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?