カターニアのクリスマス
~コバンザメのシチリア滞在記~
カトリックの国なのでシチリアのクリスマスはさぞかし華やかだろうと思っていた。確かに12月に入るとスーパーマーケットでパネットーネやワイン、チーズの盛り合わせが売られたり、食材はクリスマスを感じるものがとても多くなっていたが、街のイルミネーションは日本の繁華街などと比べるとそれほどでもない。
とはいえ街の中心部、大学広場あたりはクリスマスマーケットのテントが並び、周囲の歴史的建造物にマーケットの明かりが当たってなかなかの味わい。
また街のあちこちの教会ではイエスの生誕を模したプレゼピオが飾られ、これもとても興味深い。
自分のイメージするクリスマスの雰囲気となんとなくちがうなあと思ったのは気温かもしれない。夜風はマイルドで雪もなく、日本の首都圏で感じるような刺すような寒さがないのだ。もちろんそんな穏やかな空気の中、ほんわかとしたクリスマスのムードでのんびり夜の散歩をするのはとても楽しいけれど。
そして、クリスマスはいつ終わる?
12月25日が過ぎても年が明けても、クリスマスの飾りつけはそのまま。1月に入ってもお店でクリスマスソングが流れていたりする。
「Buona Befana!」と友人からメッセージが届いたのが1月6日。
1月6日はBefanaという魔女が子供たちにプレゼントを配るのだそうだ。1年間良い子だと美味しいお菓子を、悪い子には炭を、それぞれの子どもたちの靴下の中に入れるのだとか。そういえば年明けのメルカートで、子供向けの柄がプリントされた大きな靴下を売っていて、なぜこの時期にと思ったが、そうか、あれはお菓子のプレゼント用だったのね。
この地ではサンタクロースをあまり見ることがなく存在が希薄だったが、子どもたちはちゃんとプレゼントがもらえるのだ。よかった。
この1月6日は公現祭。
この日をもってクリスマスのシーズンが一区切りつくようだ。
あんなにたくさんあったパネットーネも投げ売り状態。シーズンの終わりの風景。