店長になった日
ある日、会社から異動命令を出された。
その時の私は早番・日勤・遅番・夜勤をごちゃ混ぜにされた仕事をし体調を崩し始めていた時だった。
かかりつけ医から【自律神経失調症】を診断されてその話を上司にした直後だった。
ごちゃ混ぜシフトから逃れられるならどこでもいい、そう思い異動命令を受けた。
そして4月、異動してから言われた言葉は「今日からこのお店の店長だからよろしくね。」であった。
一瞬、何を言われているのか理解が出来なかった。
当時の私の年齢は21歳。
そんな世間も知らない人間が店長をするなんて世も末である。
しかしあのシフトに戻るよりかはマシかと思い仕事内容の確認に入った。
世の中そう簡単ではない。
驚いたのは事務所の劣悪環境である。
デスクの上には大量の紙の山。
必要なのか不必要なのか分からない資料ばかりだ。
仕事を覚えるのも大事だがその仕事をする環境を整えるのが先決だ。
そう思いフリーな時間は片付けをした。
紙の山の中からは数年前の資料から什器の点検報告書、さらには会議資料までもが混ざっていた。
これはファイリングからしっかりしなければいけない。
そのファイルが事務所にひとつも無い。
私はその日の帰りに100均に行き、ファイル・クリアファイル・インデックス等を買い帰宅した。
もちろん、自腹である。