装甲悪鬼村正 感想(全ルート攻略済み)
魔法少女まどか☆マギカの脚本家が在籍しているニトロプラスが創立10周年を記念に創ったエロゲ、装甲悪鬼村正。
この作品、前から気になってたのですが全ルートクリアに50時間以上掛かるみたいだったので忌避していました。
(長編のエロゲ苦手です……)
ですがSNSでの評価は非常に高く、またニトロプラスの集大成とも言える作品だったので、50時間以上掛かることを覚悟してゲームを始めました。
結論から言うと、本当に面白かったです。
点数は100点ですね。
私が今までに100点を付けたゲームは『WHITE ALBUM2』と『白昼夢の青写真』のみ。
本当にプレイして良かったです。
この作品のテーマ
装甲悪鬼村正のテーマは間違いなく『善悪相殺』でしょう。
主人公の劔冑『三世村正』は憎い者を殺したなら愛おしい者も殺さなければならない『善悪相殺』の呪いを持つ。
嫌いな人を殺したら、その代償に友人や恋人を殺してしまうとんでもない呪いです。
『善悪相殺』の呪いに苦しむ主人公の湊斗景明。
重い罪を真摯に受け止め、自分を攻め続ける景明を見るのは辛かったです。
特に第二章の『ふき＆ふな』を殺害するシーンは、衝撃を受けました。
涙を流しながら善人を殺害する景明を見て、胸が締め付けられましたね。
また、一つの疑問が芽生えました。
なぜ、景明の劔冑『村正』だけ『善悪相殺』の呪いがあるのか？
他の劔冑にはそんな呪いないのに……。
これは本当に謎でした。
その謎は三世村正の過去編で明かされました。
殺害は善と悪を緒共に断つ行為であり、戦いに正義はない。
それを正しく理解してもらうために、『善悪相殺』の戒律を『村正』に付与した。
『善悪相殺』の呪いにそんな意味があったんだ、とプレイ時は驚きましたね。
また装甲悪鬼村正全ルートプレイ後、ヒーロー系の作品が苦手になってしまいました。
はい、滅茶苦茶影響受けます。
ヒロイン
装甲悪鬼村正にはヒロインが4人います。
英雄編のメインヒロイン綾祢一条。
復讐編のメインヒロイン大鳥香奈枝
魔王編のサブヒロイン(？)足利茶々丸
魔王編のメインヒロイン三世村正。
全ヒロイン魅力的なキャラでしたね。
特に三世村正が好きです。
魔王編で赤い蜘蛛だった村正が美少女に変形した時は『え？ そんなことできるの？』と驚くと同時に、三世村正の容姿とスタイルに一目惚れしちゃいました。
クールな見た目且つスタイルの良い美女。しかも天然でドジっ子ですよ？
おいおい、最高かよ……。
好きです、結婚してください。
また、最初は反発し合っていた景明と三世村正が幾つもの死闘をくぐり抜け、仲を深めていく過程が本当に好きです。
三世村正が好きすぎてフィギュアを衝動買いしてしまいました。
ハマりすぎだろ……。
戦闘シーン
『装甲悪鬼村正』の脚本を担当した奈良原一鉄さんは、本物の古流剣術師範代で現役の剣術家。
とにかくエロゲで剣劇をやってみたかったらしいです。
剣術家の書く戦闘シーンは臨場感とリアリティを感じました。
他作品の戦闘シーンに比べてテンポが悪く、くどいと感じる方もいるかもしれませんが、自分は大好きです。
最初は癖のある文章だったため違和感がありましたが、気づいたらこの文章の虜になっていました。
湊斗景明と湊斗光の関係
装甲悪鬼村正のラスボス、湊斗光の目的は母親に奪われたものを取り戻すこと。
母親に奪われたモノとは何か？
はい、父親です。
湊斗光の父親は……菊池明堯ではありません。
菊池明堯は戦時中に負傷し、不能になってしまいました。
役目を果たせなくなった菊池明堯の代わりに景明が統と交わり、湊斗光を授かりました。
つまり、光の父親は湊斗景明。
作中で明確にされてませんが、間違いなく光の父親は景明でしょう。
光は景明に兄ではなく父親として愛されたかった。そのために、彼女は銀星号として戦い続けました。
まさか景明が父親だったとは……。
全然気づきませんでした。
一条と香奈枝のエッチシーンでチラッと出てくる巨乳の女性は統だったんですね。
魔王編の終盤で神と融合した銀星号、湊斗光との最終決戦。
その戦いで景明は『善悪相殺』の戒律を利用し、湊斗光にとどめを刺しました。
作品のテーマを使って愛を証明し、ラスボスを討伐するとは……。
この作品、一切ブレないですね。
自分はこのシーンが一番好きですし、プレイ時は泣いてしまいました。
最後に
装甲悪鬼村正の全ルートクリアに40時間以上は掛かりました。
体感的には10時間ぐらい。
中盤から本当に面白くて、寝不足になることが多々ありましたね。
また、クリア後は2日ぐらい喪失感に襲われました。
神ゲーをクリアする度に、この喪失感に襲われるんですよね。
一番好きなルートは英雄編です。
復讐編、魔王編、悪鬼編どれも大好きですが、英雄編が一番考えさせられました。
長かったけど、この作品をプレイして本当に良かったです。