至るまで



男たちに『こいつヤレる!』という確信に
至らせるまでに、私は時間をかけます。



まず、初対面で行為をすることは
ほとんどありません。
だって正直怖くありませんか?
欲望を満たしたいが為にその日に初めて会った
男の一部を自分の体に挿れるなんて
かなりリスキーで、何より面白くありません。

正直、そういう気分のときもありますが……
私が初対面で行為に至るときは初手から
その男に魅力がないと見限ったときのみです。
もしくは、心底どうでもいい、興味が湧かない、
今後会う気が全くない、生理的に無理、
といった理由です。

 


なので、私は時間をかけます。

どういう生活リズムで暮らしているのか
どんな人間関係を持っているのか
家庭環境は良好だったのか
何に興味があるのか
どういった考え方をするのか
好きなこと、嫌いなことはなんなのか
何に重きを置いているのか
逆にどうでもいいと思うことはなんなのか
そして何より今後私とどうなっていきたいのか

というようなことを
お酒も飲まず、ボディタッチもせず、
LINEでの無駄なやり取りも、
思わせぶりなこともせず、
ずるずると引きずり出していくのです。



そんなことなんの魅力もない私にできないだろ
と、思っていますか?

案外できてしまうものなのです。


例えば
「好きなことはなに?」と聞かれて
「映画を観ることかな」と答えるとします。
相手が「自分もだよ」と言ってきたら
お互いに自分はどんな映画を観るのかという
話題になりませんか?

例えば
「最近このバンドが気に入ってるんだ」と言って
「え!自分も!」と相手が言うと
自然とそのバンドの話で盛り上がりませんか?




それです。それだけです。
その積み重ねをしていくのです。
まずは、地道に相手の話を聞くのです。
そして共感するのです。
もし分からない話題なのであれば
「よく分からないから詳しく知りたい」と
素直に伝えるのです。

そうやって会話を続けていくうちに
「なんとなくこういう人かな~」から
「この人はこういう人なんだ!」と
相手がどんな人間なのかが分かってきます。
ここで重要なのは、自分のことを話しすぎないということです。



何故私が自分の話をあまりせずに相手にばかり
話を振って共感し、分からなければ訪ね、
こんな回りくどいことをするのかというと
そのほうが相手の興味が全面に集中的に
私に向くからです。

「あれ?この子……俺の話をよく聞いてくれて
嬉しいし落ち着くし楽しいけど
この子は俺に興味があるんだろうか?」
と、思わせたら一旦はこちらの勝ちなのです。


まず一度、『ヤレるか、ヤレないか』を
相手の頭から引き剥がして
「この子のことをもっと知りたい」と
思わせるのです。





めちゃくちゃ遠回りだと思いませんか?
でも、思い出してください。
私はクズなのです。
相手のことや相手の手の内が分かったうえで
『ヤるか、ヤらないのか』を決めたいのです。







それでは、今回はここまで。また次回☺︎︎︎︎


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