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親の介護は突然に(プロローグ)

 晴天の霹靂。
 ありがたいことに数十年こんな言葉を使わずに過ごせていた私に、妹から母が救急車で運ばれたと連絡がありました。

 ちなみに父も現在要介護状態ですが、倒れたとの連絡が来た時の驚きは「晴天の糸雨」程度だったと記憶しております。

 まぁそれはさておき、階段から転倒した母の元へと飛行機で駆け付けたのは、コロナが猛威を振るっていた時期。
 現在私は関東在住なのですが、実家はかなりの田舎で、関東からの人間を病原菌そのもののように扱っていると、当時はニュースなどでも取り扱われていました。

 因習村かよ。

 そう思いつつビクビクしながら数年ぶりに降り立った地元では、当然そんなこともなく、心配してくれた親戚も母の友人も病院の方々も皆親切で、今も本当に感謝しています。
 ただ病院などへの入館は厳しく、書類等の記載などもあり僅かに滞在できた私も、本当に短時間だけしか母を見ることは叶いませんでした。
 幸い母の意識はありましたが、ICUへと運ばれており、予断を許さない状態の中、私は実家で過ごすことになりました。
 二週間は面会に来るなと言われたものの、帰ればそこからまた二週間面会に行けなくなるため、関東の家に帰宅することもできません。
 ならばさぞ暇かと思われそうですが、この時、我が家は母だけでなく父と妹も問題を抱えていたのでした。

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