スガダイロートリオ
『公爵月へ行く』(2019年)
千葉広樹(ベース)と今泉総之輔(ドラム)をメンバーにむかえ3年の歳月をかけて到達した新境地。新編成後、初のフルアルバムとなる本作は、今年生誕120周年を迎えたデューク・エリントンの楽曲から「Solitude」、「African Flower」を。またセロニアス・モンク「Off Minor」、ジョージ・ガーシュイン「I loves you porgy」、ハービー・ニコルス「Wild Flower」、市野元彦「Oceanus」のカバーに加え、オリジナル楽曲ではデューク・エリントンの楽曲をモチーフにした「公爵月へ行く」、『男はつらいよ』車寅次郎の名台詞からインスパイアされた「夏になったら鳴きながら、必ず帰ってくるあのツバクロさえも、何かを境にぱったり姿を見せなくなる事だって、あるんだぜ」、繊細なタッチが印象的なバラード「君の見る夢」などを収録。千葉、今泉の加入により、力強いグルーヴと透明感のある美しいサウンドに仕上がった本作は、ミニマルミュージック、ヒップホップ、ダブ、ロック、現代音楽など、メンバーのバックグラウンドを巧みに取り込み、ジャズのさらなる可能性を追求する一枚となっている。