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LanPage “是っぽっち” 考察

これは私の中での結論でしか無かった。

はじめに

今回はLanPageの新曲“是っぽっち”について考察してみました。
歌詞を引用しつつ、私個人の解釈を解説します。

まずは歌詞全文です。

「であり、でない」
で居られないDay and Light
要領得ないで言った言ってないで大失態だ
隣庭 赤い芝羨ましいらしい
積もり積もって兎に角です
ドモルガンの滲み出すとこ、不協和音
唾を呑む20時半 泥を吐く二重規範
「会いたい」と聞いて相対する
私馬鹿みたいだな 馬鹿みたいだな

観覧車の中で斃りかけている
脆くて、こぼれてこれっぽっちなんだ
考え得ることは捨てて抱きしめたっていいんだ
所詮同じ道の先

回転数78で聞いて
別に特別じゃないけど
愛してほしいのが前提なんて
苦楽、ノイズより平坦を好んだ
できない側の面被って できているくせに辛がって
取留めない時ってあるよね あるよね
あなたのいない世界グッドデイ
多分それはそれでよくって
二酸化炭素
飛べずに膨らんでくんだ

肝心なときに不慣れな化粧をする
繋ぐ手解いてもこれっぽっちなんだ
どこで乗り違えたろう
君を抱きしめたっていいかな
所詮生きづらい夜だから
観覧車の中で斃りかけている
脆くて、こぼれてこれっぽっちなんだ
考え得ることは全て抱きしめたっていいんだ
所詮同じ道の先

LanPage-是っぽっち 作詞Yaca

注意点など

これから行う解説で特に言及していない箇所は自信が無いので省略しています。
逆に言及している箇所については、極力合理的に「ここはこれで間違いないだろう」というものを採用しているのでそれなりの自信はあります。
そしてこれは飽くまで私の解釈です。

それではパート毎に分けて解説します。

解説①

「であり、でない」
で居られないDay and Light
要領得ないで言った言ってないで大失態だ
隣庭 赤い芝羨ましいらしい
積もり積もって兎に角です
ドモルガンの滲み出すとこ、不協和音
唾を呑む20時半 泥を吐く二重規範
「会いたい」と聞いて相対する
私馬鹿みたいだな 馬鹿みたいだな

LanPage-是っぽっち 作詞Yaca

隣庭 赤い芝羨ましいらしい
→日本の諺の“隣の花は赤い”、海外の諺の“隣の芝生は青い”のこと。
他人の持っているモノは自分のモノと比べてなんでも良く見え、羨ましく思うというような意味。
あの人と比べて私には何もないんだ(自分の良さにも気づかない)、という思い込み。

ドモルガンの滲み出すとこ、不協和音だな
→ド・モルガンの法則のこと。
あの人にはあるところ、私にはないところを比べて、混じり合うところがない(不協和音)=私は劣っている。

「会いたい」と聞いて相対する
私馬鹿みたいだな 馬鹿みたいだな

→「会いたい」と求められ、僅かな希望を膨らませる。
しかし、「でもこんな私だしそんなわけないよね」と言葉通りに受け取れない。

まとめ①
主人公は他者の良いところばかりを見て自分はダメな人間だと思い込んでいる。
他者は当然人なのでダメなところも沢山あるはずだが、主人公の目には他者の良いところしか映らない。そして主人公もまた人である。良いところもあるはずで、それに気づいて近づいて来てくれる人は少なからずともいた。
しかし、主人公は自分に自信がないので心を閉ざしてしまっている。

解説②

回転数78で聞いて
別に特別じゃないけど
愛してほしいのが前提なんて
苦楽、ノイズより平坦を好んだ
できない側の面被って できているくせに辛がって
取留めない時ってあるよね あるよね
あなたのいない世界グッドデイ
多分それはそれでよくって
二酸化炭素
飛べずに膨らんでくんだ

LanPage-是っぽっち 作詞Yaca

回転数78で聞いて
別に特別じゃないけど
→レコードの回転数のこと。レコードの種類は複数あり、
・LP盤-33回転/1分
・EP盤-45回転/1分
・SP盤-78回転/1分
・その他いろいろ
これらの内、SP盤が該当する。SPとはStandard Playの略。
特別なことは何もなく至って普通でいいから、という願い。

愛してほしいのが前提なんて
苦楽、ノイズより平坦を好んだ

→誰かに認めてくれさえすればそれ以外は何もいらない。
苦楽(人生山あり谷あり)、ノイズ(先の見えない未来)ではなく、平坦な道(安定した平穏さ)を望んでいる。

できない側の面被って できているくせに辛がって
取留めない時ってあるよね あるよね

→技術的な面で、他者と比較して私の出来ることのレベルがとても低く感じている=私には何も出来ない、何をやってもダメだ、という思い込み。上を見過ぎているだけで実際には出来ているレベル。

あなたのいない世界グッドデイ
多分それはそれでよくって

→あなた(=もう1人のダメな自分)がいない方が私のためにも良いだろう。

二酸化炭素
飛べずに膨らんでくんだ

→自分を気球に喩えている。
気球(=自分)に穴が空いて、二酸化炭素(=不安)が溜まり続ける一方で、それが抜けて溢れる。
自信喪失でこれ以上踏み込めない、挑戦することが怖い(=飛べない)。
それだけ不安が積もっている。

まとめ②
やはり主人公は他者と自分を比較してしまい、不安は膨らみ続ける。やがてそんな自分に嫌気が差し、何もやってもダメなら何もやらない方が良いだろうという心理に陥ってしまう。
ダメな私はいらないから、あなたとして決別する。

解説③

肝心なときに不慣れな化粧をする
繋ぐ手解いてもこれっぽっちなんだ
どこで乗り違えたろう
君を抱きしめたっていいかな
所詮生きづらい夜だから
観覧車の中で斃りかけている
脆くて、こぼれてこれっぽっちなんだ
考え得ることは全て抱きしめたっていいんだ
所詮同じ道の先

LanPage-是っぽっち 作詞Yaca

肝心なときに不慣れな化粧をする
繋ぐ手解いてもこれっぽっちなんだ

→化粧は人前に出る前にすることが多い。
初歩的なことではあるが、“できない側の面被って できているくせに辛がって”にあるように、やれば出来ることすら失敗を恐れてやらなかった。だから不慣れ。

どこで乗り違えたろう
君を抱きしめたっていいかな
所詮生きづらい夜だから

→ダメな私を手放したところで“生きづらい夜”であることに変わりはない(普段と同じ)。だからそんな私を受け入れて(抱きしめて)、私自身が変わらなくてはいけない。

観覧車の中で斃りかけている
脆くて、こぼれてこれっぽっちなんだ

→観覧車は誰の目にも留まるもの、つまり誰かしらに見てもらいたいという心理状態。
主人公は不安が積もりやすく、すぐダメになってしまう。
これっぽっちな自分だけど私の中にも誰かに認められる何かが欲しい。

考え得ることは全て抱きしめたっていいんだ
所詮同じ道の先

→想定し得る良い出来事悪い出来事を受け入れる。
どう転んでも結果(道の先)でしかないから。

まとめ③
もう1人のダメな自分と決別した主人公。
結果何が残った?ダメな自分である。
決別したつもりが、全く出来ていなかった。
残ったダメな私からダメな私を切り離すには?さらに切り離すか?それとも…
いいや、それではダメだ。私自信が変わらなくてはならない。
という考えに至った主人公。自分自身が変わるために化粧という初歩的なことから手をつけてみる。
ダメな自分(=あなた)を含めてダメな自分(=私)なのだから、それを全てを受け入れる。
ダメな私だけど誰かに認められたい。
失敗を恐れて挑戦することを拒んできた私だけど。
不安になりやすく、弱く脆いこれっぽっちな私だけど。

弱気で臆病な主人公も曲全体を通して物事に挑戦するよう成長した。
良く転がっても悪く転がっても、失敗を恐れて何もしないようでは成長には繋がらない。
どう転んでも認めるべき結果でしかないから。

サビについて

観覧車の中で斃りかけている
脆くて、こぼれてこれっぽっちなんだ
考え得ることは捨てて抱きしめたっていいんだ
所詮同じ道の先

LanPage-是っぽっち 作詞Yaca

これは曲のラストではなく、中間のサビ部分です。

“考え得ることは捨てて抱きしめたっていいんだ”
“考え得ることは全て抱きしめたっていいんだ”

捨てて全て
サビとラストで一部違いがありますが、意味合いは概ね同じとして捉えています。
しかしサビ部分がラストに来ることによって、サビの答え合わせになっていると私は解釈しています。
捨ててから全てに変わるとより明るい表現だという印象を受ける。

おわりに

以上が私の導き出した結論です。
ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。

🐊🫶

LanPage “是っぽっち” 考察

終わり。

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