記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

あなたという存在が私の希望(劇団四季ゴースト&レディ感想)


劇団四季ゴーストアンドレディ観ました

今回、ネタバレを一切踏まずに挑みました
原作も未読です
公式ホームページすら見ていません
わたしの大好きなお友達がこの作品を好きで好きでたまらないという、ただそれだけでチケットをとりました(というか、とってもらいました)

その代わりに、ナイチンゲールの史実を、世界の窓というサイトで少しだけ読みました!
事前にどんなお話なんだろうと妄想を膨らませて、楽しみに、楽しみにしていた観劇でした

★事前の妄想

ーーー
美しかった彼女にはジェントルマンの青年の何人かが結婚を申し込み、彼女も好意を持った男性もいたが、彼女は結婚しなかった。断わられた青年の一人はその後自殺したという。彼女は看護婦となって医療を改革しようと決心し、その結果、生涯を独身で通すこととなる。
ーーー(世界の窓より引用)

この…自殺した男が…グレイなのでは!?
生きてた時には結ばれなかった2人だけど
亡くなった後幽霊になった男が
フローの近くで見守り、それによってフローの成し遂げようとしていることを理解し、愛し合うようになるとか!?!?

もしかしてランプを持って夜中病院を見守るシーン、theナイチンゲールというかんじがするけど、もしかしてそのとき隣に幽霊が一緒にいたとか…!?!?!?

そもそも私は「ふーことユーレイ」という児童書が好きすぎて、衝撃すぎて、
(私にとってのはじめての寿命差カップルなんだよね…)
それから犬夜叉とかごめ…殺生丸とりん…などを経て、
寿命差のあるカップルのロマンスは見るのがしんどいんだけど、大丈夫かしら、という不安もありました

★実際見た感想

全然妄想とは違いましたわ!!!!
すごくよかった!!!!

まず劇として本当に面白いと言いたい!!!
ストーリーも、余計なシーンが一つもなく、
全部が繋がっていて
曲も歌も表情も仕草も本当に本当に全てがすばらしかった

そのうえで、わたしに突き刺さって抜けない棘がいくつかあって
それが何なのかを言語化できるだけしたいなって思ってます

というわけでこの先ネタバレ爆発してます!
あと私が今まで好きになった作品たちを思い起こす感想が多いのでそういうのがダメな人はここで回れ右してね、、、

・フローレンスナイチンゲール

ラブロマンスと聞いていたけど
そもそも、というか、まず第一に
わたしはフローレンスナイチンゲールのことが…すごくすごく好きになったというか…
すごくすごく尊敬してしまって
その行動、言葉、姿勢に、成し遂げたことすべてに、感銘を受けてしまった……

フローが仲間を集めてクリミアに出発するところですでに号泣
到着後、なにからはじめよう?で窓を開けて〜と歌い出すところで号泣
わたしは元々、ディズニーのit starts with you and meという概念が本当に好きなの
例えばディセンダントのyou and meとか…ラーヤとか…マイエレメントとかさ…
困難な時に、まず一歩を踏み出す物語、そのシーン、歌、そういう人物のことがだいだいだいすきなんだ…
しかも、その気持ち、その行動を、まわりにも伝染させる人のこと、本当に大好き
だからフローについてきてくれた女の人たちのこと、本当に大好き
だいぶ序盤の時点で大好きと尊敬が止まらなくなってしまった、、
そしてそこに目がいきすぎて、グレイがその時どんな顔してフローを見てたか、とかには気づけなかったの、、、、

(と、連れてきてくれたお友達に伝えたら「そう思ってもらえて…グレイがきっと喜ぶよ…涙」と言ってもらえて、それも嬉しかった)

ああ、この時代、一歩を踏み出すことが
どんだけ困難だったか…
そしてたぶんフローは、自ら輝く太陽タイプというわけではないから…
自分には自信がなくて、迷いもあって、きっと家族から反対を受けたことにも傷ついていて、
きっと元婚約者と慕ってくれてた後輩が去ってしまっていったことも悲しくて寂しくて
一緒に自分と並び立って頑張ってくれる仲間がいてくれたら、と絶対思ったと思うし
それでも、どうしても成し遂げたいことがあって、、、
やらなきゃいけないんだと責任感もあって…
そのためにひとりで立ち上がることは、唇噛んで頑張ること、頑張り続けることは、
フローにとってはものすごい勇気が必要なことだったと思う

だからこそ、わたしのフローの好きポイントは
「自分が選んだこの道 一筋に歩くために
苦しみの暗闇をてらす、ともしびになると決めたの
立ち止まることはない 命の炎 消える日まで
私が死んでも誰かが歩くでしょうこの道を 全てを捧げて私が信じたこの道を!」
です………

もう迷いも、自信のなさも消えている
自分の決めた道を、グレイがいてくれたから歩めたこの道を
間違えてなかった、そしてこの道を、誰かが追いかけてきてくれるはずと確信できている、
そういう…すごい言葉だった…

だれかが自分の後を歩く、
それって…あの…本当に私が刺さってきた過去のコンテンツの話ばかりで申し訳ないんだけども
AKBでわたしが一番好きな曲、前田敦子が卒業するときに、戦友高橋みなみと歌った曲
そして私の結婚式で家族に手紙を読む時に流していた曲
「思い出のほとんど」の中にある歌詞…
ーー
思い出のほとんどは そう一緒に作ったね
笑ったり泣いたりケンカしたりして
お互いの夢 語り合った日々
時は過ぎて
思い出はいつの日か美しい夕陽として
私の足下照らすでしょう
あなたの顔や声が地図になる
どこにいても
ーー
あなたの顔や声が…地図になる……………
本当にその通り過ぎて…

あと「暁のヨナ」で私がめちゃくちゃ好きで爆泣きした回のタイトルが「きみの靴跡に咲く花」で、
ヨナがテジュンに土地を「託してもいいかしら あなたに」と言い、
テジュンがその後、「私はさる尊い御方からこの地を 人々を 託されている!その御方が許さぬ限り、何人も、私をここから動かすことなどできない!」というシーンがあるんですけど…
それなのよ…
どうしよう…

オイルランプを持って見回る姿を見るだけで
泣けてきてしまう
全てを見た後にグッズ売り場で、ランプを渡す2人のポスター見ただけで本当に涙が落ちてきて自分にびっくりした

・グレイについて

最初幕が上がる前に「だれもしらないはなしをしよう」「人間と話すのは100年ぶり」って言ってるということは
ナイチンゲールとはもうお別れした後の世界…
人外カップルむりすぎ…
と思ってました

グレイのすべてが私の好みなんだけど
困ってます。嫌いな要素が一つもない。

まず、口調良すぎる
からかい気味の、言い合えることを楽しんでるかのような
けんかっぷる大好きだから、ふたりが言い合ったりするの最高でした

わたし、すべてを諦めたような、でもなにも諦められていないような男のことが大好き。
ニックワイルドにも似ている魂がある。
叶うはずないと思ってたことを、だれかと出会ったことで、呼び起こされ、もしかしたら俺にもまだ、できるのかもっていう希望を抱いてしまう、そういうひとと、出会ってしまう男のことが、好きなんです、、、、、

そして私はハイキューの「君たちの何も ここで終わらない これからも 何だってできる!」が大好きで、
ズートピア の「何にでもなれる」が大好きで、、、
だからこそグレイの「おまえをみてると何かが目覚める この胸の奥底で 唇を噛み締めがんばるその姿に あきらめてた願いが蘇る」が爆刺さり

グレイが自分の夢や過去を、フローに話してくれた時、2人が本当に、理解し合ったような、寄り添い合うきっかけになったような、心の距離が近づいたような、そんな気がして、嬉しかった。。。

そしてずるいのはサムシングフォーのリプライズ
わたしはリプライズが大好きなんだディズニーで生まれ育ってるから!!!!!!困った!!!
しかもディズニーでもほとんど見たことないよ
リプライズをちがうひとが…ちがうひとがやるなんて…
婚約者が言ってたことを確かにあのときグレイも見てたもんね…それをこの日にやるんだあなたは……なんてずるい男………
こんなの…こんなの好きに決まってんだよォ………

・「君は暗闇の中の光」
これはあの…呪いの子の劇の…私が一番好きなセリフでね
アルバスがスコーピウスに、スコーピウスがセブルススネイプにいう言葉。
(しかも階段の演出、めっちゃ呪いの子だったね…)

グレイにとってのフロー、
フローにとってのグレイって、
本当にこれで
お互いがお互いにとっての希望で、光で、道しるべ。。。。。

クリスマスのシーン本当に良かった
まわりのひとたちの照明が落とされて
2人だけに光が当たって
2人にしか見えない世界で、
踊るあのシーン…美しすぎた

ーーー
そばにいて欲しいのは
前を進む勇気 私にくれる人よ

そばにいると希望湧いてくる
道しるべのない長い道を
明日へ導く不思議な絆
ーーー

と2人でも歌っているけれど
そんな2人、、、
そばにいなくても、その存在が道しるべなんだろうなっていう結末で、、、

お互いがお互いの孤独を解消した
そばにいなくても、もう孤独ではないのよね…

・結末

グレイを失ってからの54年、
それからフローを見送ってからの100年、
お互いが、そばにいなくても、
その存在を胸に抱きながら
お互いのために、自分のために、
それぞれ、自分のできることを、少しずつ積み上げてきた年月……

それって…あの…
「みんなと同じじゃなくても自分にできること見つけたいの」
「祈って願ってそれだけじゃ叶わない 自信がなくても始めるんだ いつかじゃなくて今 できるよね」
わたしの結婚式披露宴の登場曲にもした…カードキャプターさくらのオープニング「clear」なんですよ…………

最期のときをフローが迎える時に
そばにいるのが、
夫婦揃ってたのと、ずっと味方でいてくれたボブなのが、本当に嬉しかった
きっとその長い、グレイのいない年月、
支えてくれた人たちなんだろうな
フローレンスナイチンゲールが成し遂げた史実を見返して泣いてます

お迎えにグレイが来てくれた時の、
最後の、ランプを渡すあの手
あの手は…私が世界で一番好きな映画、千と千尋の神隠しのなかでも、一番好きなカット…
別れのハクと、千尋の手の…あのカットと同じすぎて…そこから先の記憶がない
あとコレットは死ぬことにした、を本当に思い出してしまって無理になってる、あの漫画も本当に本当に大好きなんだ、冥界の神、ハデスにとっての眩しい光…ペルセポネ…

そして全部見てから最初の劇が始まる部分のグレイを思い返すと、
少し楽しげだったことが嬉しかった
やりとげたぞという達成感や長くかかったなっていう哀愁だけではなくて
彼女のことを語れることが、私含めた観客に知ってもらえることがうれしい、誇らしいと思っていそうで、、、、

見せてくれてありがとね、グレイ
やっと成し遂げたんだね、グレイ

カテコで出てくるフローが、
最期の光の御許にむかったときのお衣装で
だからこそ最後のふたりのハグは
物語後のふたりなんじゃないかと思ってしまう
100年かけて成し遂げたグレイが、やっとフローと会えた時の………

なんでだろう、
何でこんなに私の好きが詰まってんだろう、
困ってます本当に

今から原作読んで、2回目の観劇もして
それからまた追記しますね………

ーーーー

追記①原作読みました

藤田先生作品は、初でした!
ぜんぜん受ける印象が違って面白かった…!
舞台化するにあたって省かれた要素もたくさんあるんだね
生き霊ってすごい、面白い解釈がいろいろできそう、まだ咀嚼できていないけれど
絵力がすごくて迫力があった…なにかすごいものをみた感…
コントラストが強いぶんだけ勢いを感じるよねぇ
あとフローの魂への攻撃が裸体なので、舞台よりも女の人感を強く感じてしまったかもしれない

・グレイについて
とにかくグレイの印象が違った!
舞台よりも、グレイが、自分はゴーストであること、フローレンスナイチンゲールとはいる世界が違う感を、理解してる感があった気がした
なんというか原作のグレイは、フローを失ってからも自分がゴーストとしてこの世にいなきゃいけないことをわかってるというか…
自分がフローと同じではないことを、すごくわかってる感じがしたんだよね…
なんでだろ、ところどころに博物館の女の人と話してるシーンが差し込まれるからかな?時間軸が、フローは昔の話!って思わされるからかも
だから最後、俺は一緒には行けないんだ、の別れのところ、
なんというか、ただ、大切な人を見送りにきた感がある
最後に一目会いたくて、感がある
演劇を作りたいという夢の話や、その舞台がこれです!の流れ、つくりがないからこそ、フローがいない世界でこの先、グレイは…ひとりぼっちでどうするの…感があって、さみしい………
この寂しい…の感情を、舞台が、優しく包み込んでくれた感じがする

舞台のグレイは、
もちろんゴーストとしての自分、きっとフローと同じ場所にはいけないことはわかってはいるんだけど、ジャックである自分も強く残っていて、なんとなく、全体通して、フローのそばにいたい感があるように見える
最後も、ただ愛しいひとを見送りに来たのではなくて、
まだこの人のためにできることをしたい、まだこの人のために俺にもできることがある感、たぶんそれが演劇を作ることなんだけど、
フローがそばにいなくても、もう2度と会えなくても、フローと生きる未来がある感じがして、それが嬉しかった…

・もちろんフローの印象も全然違った!
私が見た舞台のフローは、夜の海に浮かぶ月のような光で、その光が真っ暗のなかで一本線になっている印象があったんだけど
もっと原作だとぎらついているというか、狂気的というか、山脈を照らす朝日で、その光線に、木や草がそれに応えるように青々と伸びていくくらいの勢いと生命力がある、そういう差があったように思える…
舞台で、霊気を分けてくれたときの「夢かしら…キスを…?」のときの弱々しさ?が、原作にはなくて、ずっとぎらついていた
看護に対しても、親に対しても、他に対しても、グレイに対しても、一貫してずっとぎらついていて、交戦的で、負けない!負けるわけにはいかない!感が強くてかっこよかった
しかしそれが逆に、あとなにかひとつで粉々になってしまいそうな悲壮感も強めていたと思う
劇のほうがフローは少しだけ飄々として見えたかも
ふざける余裕があるというか…難しい

・ボブの使い方ほんっっっとに良いと思った!漫画!
笑顔の下りとか含めて、ボブともグレイは時間を過ごしてきたんだなと思ってよかった
フローが人殺しにならないための銃弾…とりついたのは2回目…どっちもすきすぎる
そしてその銃弾をサムシングフォーにするために借りに来るのもめっっっちゃ美しい、美しすぎる構成……

というわけで漫画も最高に楽しめたんですけど
漫画を読んだ上で、わたし個人的には舞台が、わたしには優しく感じられて、好きだなあと思っています

おまけ1
アレックスという存在が最高
アレックスが最初にフローになにも刺さらないサムシングフォーをすることで
リプライズでグレイがサムシングフォーしたときの感激、喜び、切なさ、すべてが倍増する
アレックスがフローを「守りたい(だから家庭に入って欲しい)」とか「助けたい(離れた祖国から)」とか思えば思うほど、フローが求めてるのはそうではなくて、前に進む勇気くれる人…ってことで差が生じる
それでもフローが亡くなる時にそばにいてくれてありがとう、ひとりで逝かせないでくれてありがとう、きっと帰国後のフローを助けてくれたんだと思う、
そういう感謝の気持ちが彼にはあります

おまけ2
漫画を読んでやっぱり2人って、天国では再会はできないなって思って、それですごく悲しくなりました
最初劇を見た時に「また会えるわよね?」に答えてくれなかったグレイを見て、
え、これって、完全に千と千尋の神隠しのハクが、千尋にまた会えるよねって聞かれてちゃんとは答えてくれなかった、それじゃん…とは思いつつ、
でも、グレイからは、やり遂げたらもしかしたら…感はなんとなくあって、待っていますねとフローも納得?しているかんじだったし、もしかして会えるんかな…そうであってほしいな…と思って
そこからのカテコで爆裂ハグしてるからさ!!!しかもフローは亡くなった時の真っ白の服でさ!!!だからなんか!!会えるよね!!!会えたよね!!!ってなんか…思っちゃってたんだけど
よく考えたらそうだよね…
グレイは人をたくさん殺しているし、結局チリにもならずに地上にいて……
そのおかげで最後の青空を一緒に過ごせたわけだけど……
せめてその最後に過ごした時間、サムシングフォーをあげたあの歌が、あの告白が、あってよかった…とはいえ…さみしい………

そう思って悲しい気持ちになった時、
お友達が、
だけどひとつだけ2人が会える方法があるって教えてくれた
そう、演劇が続く限り、舞台の上でなら、何度でも2人は会える………

というわけで無期限ロングラン…
よろしくお願いします!!!!!!!!!!!!!!!!

いいなと思ったら応援しよう!