3Dスキャン日記 「No4-スマホ3Dスキャン:スマホアプリの比較」
こちらのnoteでは、スマートフォンを使って3Dスキャンしたものを取り上げていきます。※なお、多少文面は変更していますが、同じ内容のブログを勤務先の方でも記載しております。
私自身、3Dスキャナ自体は2011年頃から使用しておりますが、3Dスキャン技術はとても身近になったと感じています。当時は数千万円はするイメージでしたが、今はスマホでもできますもんね(ちなみに当時は「デジタイザ」や「非接触三次元測定機」という呼び方が一般的でした)。
第4回となる今回は、スマホアプリ(主にiphone)について説明したいと思います。
スマートフォンを使った3Dスキャンアプリケーションには、現在様々なアプリケーションがありますが、対応端末、スキャン方式、料金形態など様々です。ただ、スマホアプリということで情報量も多い為、情報収集もしやすい時代になりました。
スマートフォンを使った3Dスキャンアプリケーションの種類を分類すると、①LiDAR(Light Detection and Ranging)/②フォトグラメトリ(Photogrammetry)/③3DGS(3D Gaussian Splatting)/④ NeRf (Neural Radiance Fields)等の方式に分かれます。
これまで~現在主流となっている方式は①「LiDAR」と②「フォトグラメトリ」で、今後期待されるのが③「3DGS」と④「NeRf」という技術です。
詳しくは調べていただくと良いのですが、簡単に記載すると、、、
①スマートフォンの「LiDAR」センサーは、一般的に「ToF(Time of Flight)」を採用し、レーザー光の反射時間を主に利用して距離を測定するセンシングする方式。②「フォトグラメトリ」は複数の方向から撮影した大量の写真で3Dモデルを生成する方式。③「3DGS」は少し説明が難いのですが、フォトグラメトリに似た方式で、拡散点を用いることでより少ない画像から高品質な3D”シーン”を生成する方式。④「NeRf」はニューラルネットワークを用いた、AIで3Dモデルを生成する方式。とのことです。
アプリにはかなりの種類がありますが、これまでのnoteで使用してものは全て「Scaniverse」で撮影したものです。「Scaniverse」は使いやすく無料で使用できるため、最初に使うならまずはこちらをお勧めします。
ですが、端末が対応していない、機能が不足している、より高品質な3Dモデルをクラウドを使って生成したい、などという場合には他のアプリを使用することを検討してください。代表的な一部のアプリを下記に記載いたします。
【 Scaniverse 】
操作性も使いやすく機能が豊富です。Scaniverseで満足できない場合に他のアプリを検討することを推奨します。ローカル処理が可能な為処理も早く、3Dデータの共有や動画の生成も簡単に実行可能です。
【 Sakura3DScan 】
国産の3Dスキャンアプリ。点群の生データ出力も可能でスキャン後はPCでの後処理を推奨(トップの画像は一部ぼかしていますが、こちらのアプリで3Dスキャンした"点群"を、GeomagicWrapへ読込んだ状態のものです)。
開発元のアルモニコス社では、製造業/建築/土木の業務用ソフトウェアも開発しており、勤務先でも同社のソフトウェア(spScan/spGauge/spGate)は使用しています。
また、点群処理ソフトウェア開発屋さんの視点から検証した技術ブログも分かり易いのでとても参考になります。(ClassNK PEERLESS技術ブログ: https://www.armonicos.co.jp/cp_blog/page/2/)。
【 RealityScan 】
ゲーム開発エンジンで有名な企業(Unreal Engine)が提供するアプリ。フォトグラメトリが使いやすいが、処理はクラウドで行われるためデータ通信料やバッテリー残量に注意が必要です。アカウントは必須です。
【 Luma 3D Capture 】
生成AIで3Dモデルを作成してくれることで有名なLumaが提供するアプリ。3DS(ガウススプラッティング)で、スキャンしたデータからメッシュモデルの生成が可能です。アカウントは必須です。
この他にも建築土木業務に特化したものや、フォトグラメトリに特化したものなど色々なアプリがあります。
操作感や機能などについて詳しく知りたい場合は、私なんかよりも詳しい方々が情報を発信されておりますので、ぜひそちらをご参照ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。この記事が皆様のお役に立てば幸いです。