3Dスキャン日記「No1-スマホ3Dスキャン:食べ物編」
こちらのnoteでは、スマートフォンを使って3Dスキャンしたものを取り上げていきます。※なお、多少文面は変更していますが、同じ内容のブログを勤務先の方でも記載しております。
私自身、3Dスキャナ自体は2011年頃から使用しておりますが、3Dスキャン技術はとても身近になったと感じています。当時は数千万円はするイメージでしたが、今はスマホでもできますもんね(ちなみに当時は「デジタイザ」や「非接触三次元測定機」という呼び方が一般的でした)。
ということで、数年前からは想像できませんでしたが、3Dスキャンは今ではとても身近な技術です。一般の方でもスマートフォンを使って部屋の内見に使ったり、旅行先で写真代わりの撮影として利用するほどになりました。
3Dスキャン日記の初回となる今回ですが、「食欲の秋」ということで、、、iPhoneで食べ物を3Dスキャンしてみました!
左から①ハニートースト、②ハンバーグドリア(デ◯ーズ)、③ラーメン(東京駅ラーメンストリート)の3Dスキャンデータです!
どれもとても美味しそうですね。撮影は食べる前の数十秒で完了します。外食をした時は写真もいいですが3Dで残しておくのもおすすめです!
また、スマホのアプリ内で簡単に3Dデータを使ったAR(拡張現実)や、こんな感じの動画作成も行うことができます。AppleVisionやMetaQuestなどのVR(MR)デバイスを使えば、よりリアルに3Dを体感することもできますね。
なお、3Dスキャンしたデータはそのままでは3Dプリント出来ないことが多いです。理由として、スキャンデータには形状が欠落して穴が空いていたり、不要な要素が存在しています。また、解像度が低いスキャンデータなどは精度が粗いため、表面の凸凹なども多くスムージング処理なども必要になります。
具体的には次の様な作業を行ってデータを修復します。
【座標の修正→不要点除去→穴埋め→スムージング処理→底面の作成→その他必要な処理等】STLデータ(一般的な色情報が無いメッシュファイル)の場合はこれで修復完了です。この状態であれば3Dプリンターで制作可能になります。
※使用するアプリによっては、LiDARで測定した場合はメッシュではなく点群データの場合があります。点群データはメッシュ化の処理が必要です。
また、フルカラー3Dプリンターで造形する際は、ここから追加の修正が必要になる場合があります。詳しい説明は省略しますが、3Dモデル以外の色情報も修正する場合は、「テクスチャ(写真)+メッシュ」の状態を、高解像度化させた「頂点カラー(メッシュに色がついた状態)」に変更してデータを編集する場合もあります。データの拡張子も多岐に渡る為、次の工程のソフトウェアや3Dプリンターとの相性もあるので結構厄介です(フルカラー3Dデータの拡張子例:Obj、3MF、PLY、AMF、Vrml、3DS、、、等々)。
スキャンデータをCADデータに変換したい!という場合は、また別の処理が必要になります。「リバースエンジニアリング」という処理を行うことで3DCADデータを作成することが出来ますが、こちらも手法やソフトウェアが多岐にわたるため、簡単ではないのが現状です。
とはいえ、単に3Dデータを見るだけであればデータの修正は不要ですし、色情報が必要なければ3Dプリントするもの比較的簡単です!3Dスキャン自体はとても簡単に出来ますので、ぜひお試しください!
最後までお読みいただき、ありがとうございます。この記事が皆様のお役に立てば幸いです。