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何事もチャレンジできる子になってほしい、自信が持てるようになってほしい、と願うときに知っておきたいこと

『苦手なことより得意なことを伸ばそう』

一度や二度は耳にしたことがある言葉ですが、子どもを育てるときには注意が必要だなーと感じることがよくあります。


『苦手なことより得意なことを伸ばす』というのは、

苦手なことやできないことを、無理させてまでがんばらせるのではなく

得意なことやその子が夢中になってできることを、応援したりサポートしたりすること


これは、わたしの解釈です。



苦手なことやできないことを

「もっと努力しなさいよ」「あきらめてどうするの」「がんばったらできるよ」と根性論で乗り越えさせようとしたくなること、

親なら「ない」とは言えないですよね。


なぜなら、その親としての気持ちの奥に

『自信が持てるように育ってほしい』『できない姿を見たくない』

があるからなんだと思います。


苦手なことやできないことって、本人の意識の中に『自信がない』と思う気持ちがあるんですよね。子どもに限らず。

自分には難しい、自分にはうまくできない、そんなふうに思ってる状態にあるところに対して


努力、あきらめない力、やればできるといった親のエゴから子どもに伝わっていくのは

『あなたはできない』『今のままではいけない』

そんなメッセージだったりするのです。



ならば

苦手なことやできないことにフォーカスするのではなくて

得意なことや夢中になってできることにフォーカスしていくほうがいい


『苦手なことより得意なことを伸ばす』の言葉が意味する本来の意味は、そんなことだろうというのがわたしの見解です。



ですが、ときに

だったら苦手なことはやらせないほうがいい、嫌がることはやらせなくてもいい、やりたがらないことをさせなくてもいい

という極端な解釈をする場合も一定数あるのが事実。


ここが重要で、

苦手なこと、嫌がること、やりたがらないことに〈挑戦することを避ける〉〈遠ざけ逃げる〉を時間をかけて学ばせているかもしれない


ということを知っておく必要もあるのです。



苦手だ、できない、やりたくないそう思うことに接触しなくてもいい選択肢しかない環境が、あたりまえだと学んだ子どもは、


自分は『チャレンジできる』とも知らずに育ち、

『イヤならやめればいいだけだ』『気に入らなければ休めばいい』『今うまくいかないのは周りの理解がないからだ』

と、『うまくいかない自分や未熟な自分を目の当たりにしないでいられる』ような方法を無意識のうちに選んでいきます。


そして、

『チャレンジした結果に関わらず、その結果を次に活かすことができる』と知らずに育ち、

自分への自信として身につけられず、ストレス耐性が低くなりがちです。



具体的な事例を挙げると、

イヤな思いをする自分を目の当たりにすることから逃げるために、もっともらしい理由をつくりだし、「仕方ないよね…」と思われるような状況にしていくのですが、


例えば

頭がいたい、お腹がいたい、気持ちがわるいといった、からだの症状を訴えるようになる

などで、

これを『疾病利得』『身体症状症』といい


イヤなことやできないことにチャレンジすることから逃げて、不様な自分、失敗する自分を見ずにいられる選択をするのです。


これはまったくの無意識で痛みをつくりだしているのです。

だから、本当に痛みを感じるのです。



からだの症状があれば、その症状に自分や周りの人の意識が向くので、

症状をなんとかしなきゃいけないよね!という方向に、自分や周りの人の目的がすり替わるのです。



お腹がいたい

もしも子どもがそう訴えてきたとしたら、親ならだれでも心配になるし、学校を休ませよう、病院に行って診てもらおうと考えるかと思います。


からだの症状が、本当に病気によるものではないかどうかは、必ず診てもらうことは必要です。


その上で、もしも、からだの異常や病気ではないことが明らかだったら

それは『疾病利得』『身体症状症』の可能性があるのです。



痛みの訴えが平日の朝に多い、痛みを訴える場所がいろいろ変わる、休ませた後はけろっとしている

などの様子が見られるかどうかは、その後の判断材料になります。



『苦手なことより得意なことを伸ばす』この言葉の解釈には注意が必要だと思うことについて書きました。


子どもが

『自分はチャレンジできる』『チャレンジした結果に関わらず、その結果を次に活かすことができる』

そう気づくように育てていきたいし、

そう育っている子どもの姿を見ることで、『自信が持てるようになってほしい』という親としての願いも叶うように思うのです。



苦手なことややりたがらないことを

〈挑戦することを避ける〉〈遠ざけ逃げる〉環境を用意するのではなくて、

〈チャレンジしてみよう〉〈やってみてもいいかな〉〈結果の良し悪しが自分を評価するのではない〉と子どもが思えるような環境を用意すること

プラス

得意なことやその子が夢中になってできることを、応援したりサポートしたりすること

これが、

『苦手なことより得意なことを伸ばす』なのかなと思っています。

















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