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裁判員として裁判に参加した話 #3裁判員としての業務
どうも前崎律人です。
ちょっと前に裁判員として裁判に参加してきたので、そのことをnoteに書いていきます。
今回は実際に裁判員に選ばれ、実際に裁判員として従事した期間のお話です。
前の記事はこちらから↓
最初の記事はこちらから↓
まず初めに、裁判の流れは下のリンクを参考にして頂ければと思います。
3-1.公判
裁判員として参加した当日からいきなり法廷に立つことになりました。
人生初めての裁判が傍聴人として聞いている側でもなく、争ってる側でもなく、まさかの裁判員として裁く側にいるとは思ってもなかったので妙な緊張をしていたことを覚えてます。
まず初めに全体を通して言えるのは裁判というと某逆転する裁判ゲームみたいに
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/88708463/picture_pc_63f5c541ee6fb3e593a1b152b58decd1.jpg?width=1200)
と法廷でドヤ顔で弁護士が物申すことはなかったです。まして内容的に被告は事件は認めていたこともありますし。
後、ドラマとかでよくあるハンマーも置いてありませんでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1666513701405-EiEc1jUa5F.png)
更には最初「裁判員も裁判官が着てるコート的な奴着れるのかな・・・?」と思ったんですが、特に羽織ることもなく普通に私服で入廷しました。
3-1-1.立証
初日は最初裁判所側からの手続きの説明があった後、黙秘権の説明があった後、検察及び被告人弁護側双方の立証でした。
検察側からは証拠が、また被告人弁護側からは被告人の生い立ちと持病を踏まえた事件への経緯と主張を話しておりました。
この時に防犯カメラの映像で実際に事件が起きている画像や、実際に事件に使われた凶器、そして被害者の怪我の状況を見て血の気が引いたことを覚えています。
3-1-2.証人尋問
双方の立証後、数日程証人尋問をしていました。
所謂法廷中央部にある証言台に立って検察や弁護人の質問に回答する場です。
![](https://assets.st-note.com/img/1666532231041-KEtIuvexwa.png?width=1200)
ここで話すのは被告人だけでなく
被害者
現行犯逮捕した警察官
担当の医者など
とたくさんの人物が登場し、質問に答えていました。
誰が登壇しても検察、弁護人から質問があった後、裁判官側で質問する流れでした。
裁判員も質問ができました。最初は戸惑っていましたが次第に尋問を経るごとにやり方が分かってきて、質問する量が増えてきた気がします。
ただし質問したことで得た証言に関しては後の評議の為にありとあらゆる内容をメモする必要があったので、尋問を聞きながら延々とメモるのは本当に神経使いました。
メモする量は普段の仕事より何倍もメモってた気がします。多分ここ2~3年間でペン握って書いた量よりも多かった気がする。
この期間ボールペンをずっと握っていたので、終わった後毎日腱鞘炎に悩まされてました。
3-1-3.最終弁論
証人尋問が終わった後、この発言者の方々の尋問を踏まえて被告側、検察側双方で最終弁論がありました。
それぞれの証拠や証言から刑罰の重さについての最終主張がなされ最後に被告の今の心境を話して閉廷となりました。
ここからは場所を法廷から別室に移して、裁判官と裁判員とで話し合うこととなりました。
3-2.評議
法廷での公判が完了し、以降は評議に入りました。
公判では見聞きしたものをinputする場所であるなら、評議はそのinputを裁判官と裁判員でoutputして事件の判決や量刑を決める場所でした。
ただ偏にoutputするといっても、解釈が如何様にも取れる法律であるが故、それぞれで意見の食い違いはあるし、裁量の差はあれど認識を合わせながら進めていました。
とはいえ、この評議によって「赤の他人の人生を決める」ものなので、どうすべきかこの数日ずっと悩んでいたのは確かです。
そのため裁判官と裁判員全員が真剣に考えて双方で意見を出しながら進めてました。
3-3.判決
そして裁判としての最終日、判決の日でした。
「やっと解放される」という解放される気持ちと「裁判所に行くのもこれで最後か」という寂しい気持ちが入り混じった思いでした。
そんな思いを踏みにじませつつ最後の法廷に入る時、傍聴席にたくさんの人がいらしていました。それだけ判決に興味がある人が多かったんだと思っています。
大勢の傍聴人に見舞われながら今まで評議で整理した内容を裁判長が判決文として読み上げ、判決は終わりました。
誰もが黙々と裁判長が淡々と読み上げる文章を聞いていました。この時ばかりは本当に他の人の時間が止まっているように見えました。
そして最後、被告への訓戒として
二度とこう言った事件を起こさないこと
被害者の人とその傷の深さについては忘れてはいけないこと
を裁判長が被告に話していました。
大分長かった裁判員裁判もどこか味気ない幕引きになったとはいえ、これで無事に裁判員としての役目を終えました。
3-4.判決を終えて
判決も言い渡し無事に裁判員としての役目が終わった夜、ネットニュースでこの事件のニュースが出ていないか探していました。
その日のうちに地元のメディアがいち早くニュースを掲載していたので記事を眺めてました。
他にも複数メディアが掲載していたのでどのメディアがどこを切り抜いたか比較するのが地味に楽しかったです。
またこの裁判員期間で印象に残っている固有名詞や法律用語を調べていました。
前者は単純に興味本位であるとはいえ、後者は裁判官が親切に意味を教えてくれることもあってスッとは言ってきましたが、そのまま素通りして終わらせるよりも何かしら印象に残った言葉をもっと知っておきたいと思って調べていました。
このブログを書いていることもあり、裁判員としての期間が終わってもなお、しばらく裁判のことは脳の片隅に残ってました。
-つづく-