4月25日
職場に新しく入った人に、あれこれ指示したり効率を考えて行動してほしいとか思うのは、無茶な話である。新人が纏う空気感のなかで、早くその空気を読み取ることのできる新人が、初めは重宝するのだが、長期的に見ると反対にひとつひとつを丁寧に覚えていくほうが役に立ったりもする。まだはじめの方だと、許してやる心がどこからでも湧き出てくる職場では、息をするのもつらいときがある。また自分もその言いくるめられることのできない荒波のような息苦しさに揉まれるのだ。
ああ、これをしてくれれば、ああ、こんなことできないのか、子どもをあやすように接する大人とおとな。いい加減覚えてくれ、と嘆く大人。おそらく四月はこうして過ぎていくのだろうと思う。怒涛のように職場を飲み込んで、もしかしたら一人や二人は行方が見えなくなっているかもしれない。探すこともできないままに、手放してしまう無関心も、職場には張り付いているのも確かだった。