4月23日
4月後半、夕暮れ時の風が肌に染みる。自然と瞼が落ちてくるようで、時間はゆっくりと過ぎていく感じがする。遠くのほうで子どもの声が響いて、風に乗って小鳥の囀りも聞こえてくるようだった。待ち侘びたような涼しい風に、熱を持った身体は快く溶けていく。
西の空は雲が薄くかかっていて、疎らに沈む太陽の色をうつしていた。八本の電線が静かに揺れて、つがいの小鳥がひと休みしていた。何かを話しているようで、でも実際は単調に聞こえる高い音だった。主婦同士が会話するようなリズムや声色を窺えないために、話しているのではなくて発信しているだけのようにも思った。そしてつがちは、長くその場にとどまることもなく次の場所へと移動するのだった。