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彼女たちのロック ~『ロックンロール!』オタク的分析レポ~

みなさんこんにちは、こんばんわ。
DIALOGUE+ WHITE BOX THE LIVE!という超ニッチ番組(音楽オタク歓喜)にゾッコンなkamuiです。

ご飯食べておねむな6歳児ときょんかわ、いいですね。

ということで、1月12日のWHITE BOXで初解禁となり、先日29日のリリースで世界にお披露目となった『ロックンロール!』がいいぞ!!ってことをつらつらと語っていきます。

2/1日付変更直後、ライブ前に書いておかないと後悔するかも知れないと思い筆を走らせています。いつも以上の駄文に備えよ

本当は他を先に書くつもりだったんだけどね…そもそもこの考えが浅はかだったのかも知れない。


本来は特に取り立てて執筆するつもりはなかったんですけどね。12日に聞いた熱い想いを振り返りながら良い音で聴いていると語らずにはいられなくなっていました。

WHITE BOXで初見の時は素直に沁みてきたものも、じっくり聴いてみるとまた違った印象を受けました。色々と見えてきた音があるからこそだなと思いますね。

12日の田淵及び林くんの絡みも思い起こしつつ、歌詞と音響について語っていきます。

クレジットについて

作詞:田淵智也

はい優勝です、何も語ることはありません。対戦ありがとうございました。

いやそうじゃん、1番DIALOGUE+というユニットのことを分かっている総合Pが作詞を担当しているんだから間違いないって。

UNISON SQUARE GARDENのベースとして、邦ロックというジャンルを永く牽引してきた彼だからこそできる、自分が手がけるユニットで魅せたい「ロックンロールとは」が存分に詰まっています。

作曲:林直大

安心と信頼のハヤシング(今調べてよだかのハヤシングなんだって知りました、ログ音楽にわかです)
もう大丈夫。特にツッコミどころはありません。手放しで浴びましょう、対戦ありがとうございました。

彼の他の携わっている作品はというと、『ぼくらのユニバース』のソングライター、『これは訓練ではない』の作詞・作曲…もうツッコミどころないやん、DIALOGUE+の重鎮様じゃないですか。

言葉遊びのウィットに富んだユニバースに、『凍てついて秒速』と共に+3の引き締め役二大巨塔を担いTDCHで年末のログっ子を存分に沸かせまくった訓練。この二曲を手掛けたって事実があればもう何もいらないです。存分に暴れてください。

という訳で、クレジット時点で外れる未来を想像することが難しいぐらいです。その期待感のまま各パートの解説行ってみましょう。

歌い分けについて

と行きたかったんですが、その前に一個語っておくべきことがありました。それは今回の歌い分けについてです。(WHITE BOXの田淵の言葉を参考に説明していきますが抜けていたり間違えていることもあるかも知れません、その時はコメントやTwitterでこっそり教えてね)

今回は3人トップの構成で「ゆりにゃ・ねーね・きょん」の3人が選ばれた訳ですが…歌い分け決定に際して、田淵からねーねに「上手ければいくらでもソロパート渡すぞ」というディレクションがあったそうです。それに燃えて本気出しまくった結果ねーね要素てんこ盛りの歌い分けになりました、なんとまぁびっくり。

もちろん安定性の塊のゆりにゃに努力の鬼のきょんのパートも多く彼女らもスリートップとして奮闘していたことが伺えます。しかし歌のねーねさんの本気は想像以上でしたね…おみそれいたしました。

分析パートでは2人の歌い分けで特筆すべき所も触れていきます。

ロックって深いね(歌詞・音響分析について)

(make some noise! can you understand?)

冒頭24拍はロック調で楽曲への期待感を高めた所で、ねーねの煽りからガラッと曲調が変わり「あ、ぼくが聴いているのはDIALOGUE+の楽曲だった」と意識させてくれる展開、とても好きです(超早口)

僕なりに意訳するなら「ほら??お前ら騒げ!!!(踊れ!!!)」って感じですかね。ねーねさんにこんな風に言われたいですね。

WHITE BOXの裏話的な所としては、この部分で田淵とかの掛け声がちょこっと入っていたらしい…そこだけ切り取って聞かされたけどイマイチ分からなかったけどね

毎日がすごい洪水のようでキャパオーバー
やりたいことこぞって立候補 投票の余地なく全員当選

まさにDIALOGUE+というユニットを象徴している歌詞ですね。それぞれのメンバーのやりたいことが集まって、それがログっ子達にも認められて、今の彼女らがある。

それを考えると『TREASURE』からの接続としても完璧な一節かも知れませんね。

彼女らのやりたい事目指したい姿、その一つ一つが宝物で、それを実現する上での困難があるのもまた当然の事。そんな中でも妥協なくやり切りたいという想い。DIALOGUE+というユニットの決意表明でもあるかも??(解釈の幅広すぎ)

ここの楽器隊、最初はピアノとシンプルなドラムのみであっさりしてるんですよ。それが後半からバスドラだったりギターだったり入ってきて短時間で加速度的に盛り上がりを見せるんですよね。しかしいきなり増えたからといってしっちゃかめっちゃかになったり曲の雰囲気を損なうことは無い。
歌詞とバッチリすぎる構成していて感動しちゃいますね。

どうすりゃいいの 私の体は一つだけ
余裕削ってニコニコしたって いつかは破裂しちゃう

そうなんだよ、人間の体ってひとつやねん(逆アンミカ)

でも人間って欲深い存在だから色々と手が届きそうな事にチャレンジしようとしちゃうんですよね。それでちょっと無理して色々と手を出しちゃうと観客を「へぇ、そんなことまでやれちゃうんだ。いいじゃん」って期待させちゃうんですよ。

最初は「とりあえずやってみよう!!」ってぐらいの軽い気持ちでも、それが当たり前になるといずれハードルが上がっていき他の物と同じクオリティを自然と求められるようになってしまう。そんな状況が続けば次第に体と心が追いつかなくなりプツンと切れてしまうよね。

マルチに活躍するメンバー各々の心の奥底に秘めた気持ちみたいな解釈もできそうですね。彼女らが妥協することは全く考えられませんが、「そんなことを考えることもあるよ、だって私たちだって人間だもの」って人間味を感じられますね。

ここがきょんのパートってのが最高に面白いよね。写真集出した影響で多方面から色んな期待を寄せられていそう…

だから躊躇にはサラバだ ぬるい言説も邪魔邪魔
お手本をなぞって幸せになれるのなら この世はごめん、期待外れ!

しおらしい一面を見せたかと思ったら、早速立ち直ってこのセリフ…いやーメンタル強すぎひん??????

ねーねの地声に近い(何なら地声より低い)低音とドンシャリ部隊のマッチが「そんな弱い私たちじゃないぜ」って一蹴してくれるの、最高にロックンロールしていると思いませんか???????

「規定された在り方なんて、つまんないよな。目の前に敷かれているレールなんて、取っ払ってやるぜ。」って心情に訴えかけてきますね。韻の踏み方も非常におしゃ…

世の中という、本来柵となり私たちを束縛する存在に対してもあっさりと決別を伝えて自分のストーリーを紡いでいく覚悟を常に持ち合わせているんだろうなと感じ取れますね。『流星群の向こうで』も曲調は違えど似たような印象を受けるので、この姿勢は一貫しているのだと思います。

ロックンロールっぽくやれ 派手すぎるくらいが気持ちいい
好き勝手言うだけの惑星じゃ 覚悟はあんのかって言われるぞ!

ハヤシングのユニバースリスペクト…田淵分かりてすぎるでしょ…本当にすき…

「〇〇すぎるくらいが」って来たら「丁度いい」って来ると思いきや、「気持ちいい」って来る田淵のワードセンス、本当に何食ってたらその言葉が出てくるんや?って疑問に思うね。

堅実ながら在り来たりで名を残すこともなく終えていく人生も勿論、正しい人間としてのあり方ですよね。しかしそんなマジョリティーを横目に壮絶ながらも華々しい人生を送れれば、それは確かに超気持ちいいでしょうね。

ここでは彼女ら(と田淵とハヤシング)は既に地球とは異なる全く別のユニバースに移住しているんでしょうね。
そこは在り来たりに生きる事がマイノリティーと見なされる世の中。そんな地球外生命体(?)な彼女らからの警告であり、激励であるのだと思います。

ヴィーナスこっちを向け 歴史に残る運命だ!
見逃せば アーカイブとかもないもんね
ごちゃごちゃ言わずに一気見すんだよ

ヴィーナス(金星)に紐付けた考察は既に多方面でされているので僕なりの見解を。

金星ほど燦々と輝く象徴的な対象に向けても、「自分たちを見つめろ、歴史的な瞬間だぞ」と言い張るその度胸、惚れ惚れしますね…

安定性の象徴であるゆりにゃが歌う中段、これほど説得力があるフレーズもないです。

常にアップデートされているからこそ、「今」にいち早く追いついてほしい。「今」を今見ることが1番だ。それさえすれば後は一緒に「今」を共有していくだけだから。

…何だか僕がログにのめり込むきっかけを作ってくれた人物のことを思い出しますね。彼女達がそれを体現しているからログっ子からもその言葉が自然と出てくるのだと痛感します。

maybe 流行るか流行んないか ゆくゆくは関係ないよね
say cheese! 今が最高ならさ これを妥協しないだけ

そのまんまですが一応引用しておきます(僕が調べてやっと意味がわかったので)

今が1番アツい私たちを追いかけないでどうするの??そこに人気かどうか、今後があるかどうかとか関係ないよね??という煽りを感じます。
まぁログレベルでそこを気にする必要はないと思うんですけどね、現状に満足せずにひたすら貪欲に”better”を見せようとしてくれる彼女達には頭が上がりませんね…ほんとうに推せる…

最後のセリフをねーねが歌い上げて二番に入るの、これ以上説得力あるセリフはないですよ。(n回目)

メンタルやばめ 一年の半分くらい
これは統計上の有意性アリアリだそうでしゃあなしか
じゃあワクワクに各自備えようぜ 一年中
上向き傾向とかち合えば革命日和!

ここワンフレーズに色々詰まりすぎて解釈余地過多でご臨終です。

これを引用するべきかは知らん。有意性は各自調べて反芻してくれ。

サビ後や高らかに宣言した後には、ちょっと弱気な一面や挫けそうなリアルな人間らしい姿を見せてくれるの、とても親近感が湧きますね。

でもその後はすぐに上向き思考に元通りなの、本当に強靭なメンタルすぎる…見習いたい。

一年中みんなを沸かせる責務があるからこそ重圧に負けそうになる時もある、大言壮語を並べながらも結局はちっぽけな人間だから。それでも責務を必死に全うしよう、ワクワクを常に届けよう、という覚悟があるからこそ、クヨクヨタイムは一瞬なんでしょうね。

ここでの「革命」は「ログに目覚める」的な意味だと解釈しました。
「私たちは常に上を向いているよ、その流れにハマったらあなたにとってその日は運命の日になるだろうね。」そんな訴えが聞こえてきそうです。

ヒーローになれなくて キラキラな人になれなくて
いつかの私の理想と違っても 
ヒーローになれるんだ 「私の本当の強さは 下から2番目に弱いこと」
…あいつの歌で言ってたぞ!

2サビ前で珍しくクヨクヨタイムが長く続くのは、終盤のきょんのセリフでマルっと上向きに変えられるからこその振り幅の演出だと思います。

この歌詞好き好きです…1番弱いと「私なんかどれだけ頑張ってもずっとビリ欠なんだ…」という劣等感に苛まれ再起が困難になってしまう人も多いかもしれません。

しかし、ビリから2番目であれば「ビリから抜かれないようにしないと」という良くも悪くも心的動機づけがされると共に、「1番下じゃないからこれから私の努力次第で何とでも変わっていけそう」という反骨精神が備わり努力していくことができます。

予てから追い求めてきた姿と違っても、最終的に辿り着くところが必死の努力の結果であるのなら何でも受け止める。そこに貴賎はない、努力の過程こそ美しいという心意気を受け取れます。

ヒーローの在り方、キラキラの在り方だってそれぞれですからね。それが誰か(自分も含める)にとって輝いているのであれば多種多様なカタチは認められるべきだと思います。

…何だかさっぴのことを思い出してしまい泣きそうになりました…3/30は最高のライブにしような…

ロックンロールっぽくやろう! 君の手は絶対離さない!
溢れてるヒットソングの汎用性 とは違うんだ つまりは唯一
結論、やっぱり無二?バカ言え 浮かれない心
調子乗れば即行脱落残念賞 数多見てきた故のアンチテーゼ

ゆりにゃの歌声も唯一無二ですよ、ログの安寧を陰から支えてくれてありがとう。

一緒について来てきてくれるログっ子は全員裏切らない、離させもしないという直向きさに賞賛を送らざるを得ない。

しかしついてきてくれることを当たり前と思わない、天狗になればそれは敗北と一緒だよね。そんな場面をたくさん見てきたからこそ私たちはその轍は踏まない。私たちは信頼のおける存在だという証明を、9割の有限実行と、1割の強がりで演出しているのだと思います。

「脱落」って表現を使っているのが個人的に面白いと思いました。天狗になった人たちは軒並み「好き勝手言うだけの惑星」から脱落の烙印を押された存在と成り下がったはずです。
それを反面教師としつつ「私たちの前にしくじってくれてありがとう、貴方がいたから私たちはしくじらなくて済むよ」と一種のアイロニーも感じられました。解釈の幅、まじで深い。

ここの間奏好き、特にエレクトロニクスなグルーヴ大好き。
若干ユニバースみも感じるよね。

ロックンロールっぽくやれ 派手すぎるくらいが気持ちいい
好き勝手言うだけの惑星じゃ 覚悟はあんのかって言われるぞ!

転調後のラスサビ、すこすこマンです。

ここまでスリートップで進んできて、最後にユニゾンで「私たちは同じ気持ちだぞ」と安心させてくれるDIALOGUE+というユニットの度量の広さに感服です。

ヴィーナスこっちを向け 歴史に残る運命だ!
そうつまりは一瞬の隙もないような
楽しみ尽くしだ 乗んなきゃ損だよ

ワイトもそう思います(約半年前の自分へ)

DIALOGUE+ほど「楽しみ尽くし」という表現が似合う存在も中々いないと思います。

「決められたレギュを遵守しつつその範囲内で思う存分暴れていい、むしろこれだけやれるんだってことを大御所やお偉いさん方に見せつけてやろうぜ」と言い張ってくれる総合Pがまさにこの歌詞を体現していると思います。

そこに一切付け入る隙はないと言えるでしょう。そしてそこにオールインしないのはなんて勿体無い事なんだろうと、今であれば分かる気がします。

彼女達は、自分達にベットしようと思わせるだけの魅力を日々の活動の中で全力で示してくれていますが、自分達をダイマするような言葉を口にすることは殆どないと思っています。
それを珍しく口にする彼女達の姿が曲中で見られることが、普段はあまり垣間見えない一面である「ロックンロール」をタイトルとして銘打っているもう一つの理由だと考えられます。

maybe 行き着いた先には 何があるか知らないけど
say cheese! 今が最高ならさ 未来も最高ってこと!

「未来なんて神様でも分からない代物、どんな結末を迎えるかで気を揉むことなんて時間の無駄でしょ!今を最高に楽しむ努力をしようよ!」という自分たちのアーティスト生命が長くないことを自覚している彼女らだからこその言葉が紡がれています。

この瞬間が素晴らしいものであれば、その瞬間が結びつけてくれた人との繋がりや思い出はきっと当事者達の中で永遠に生き続ける。そんな期待があるのだから「今」を最大限、一緒に楽しもうというインビテーションを彼女達は送ってくれているのだと思います。

本心本音はさ、つまるところ 「この世に期待してんだよ!」

色々尊大な言葉や強がりを言いながら、私たちについて来てくれる人たちに精一杯応えたいという気持ちが1番にはありながらも、結局は今この世にいるありとあらゆる人々に対しても「私たちを見つけて、私たちのユニバースで最高を体感してほしい」という想いがあるという締め方をしていると思いました。

日頃は反発してくる人も、実は何かやるせない気持ちを抱えているのかも知れない。そういった人たちも「私たちのロックンロール」で救いたい。ロックで伝えることは上手では無いから上手く伝わらないかも知れない。拙い言葉で字面通りに通じないかも知れない。しかし私たちを見て何かを感じ取ってくれれば、上向き傾向にできる自信はある。

そんな事を5年間の軌跡を紡いできた自信とちょっとの強がりと共に紡ぎ始めているのだと感じました。

終わりに

前述の通り、初見で聴いた時と執筆直前と執筆中(今現在)とで解釈が180度変わったような印象を抱いています。

それだけ歌詞の深層性が高いし、作詞家としての田淵智也の才能に驚かされます。

そんな鬼才のリリックを我が物にするDIALOGUE+という声優ユニットの歌唱と表現力の底の見えない可能性にも改めて触れることができました。

…知れば知るほど彼女らを声優音楽という括りで語るのは非常に失礼なことだと自覚しています…今後とも彼女達の音楽に触れられる時代に生まれてきたことに感謝しつつ生きていきます…

彼女らに恥ずかしくないロックンロールな生き方をしていきたいですね。

(締めは今回も大活躍なねーねさんのWピンキーで)

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