見出し画像

映画鑑賞月次レポート~2025年1月編~

みなさんおはようございます、こんにちわ、こんばんわ。
年間200本映画視聴を目指しているkamuiです。

ということで目標達成するだけじゃ面白くないなと思い、鑑賞した映画の超雑多レポを1作余さず書いていこう、我らが寧々さんがどれだけすごい人か知らしめよう、少しでも僕の感想で映画に触れたいと思ってくれる人を増やしたい、といった様々な思惑野望を秘めて毎月文章を認めていきます。

こんな前置き書くのも初月の今回だけです。早速本編行きましょう。前置きが長くなりすぎると途中で僕の執筆熱が冷めてしまうので

【1】ワイルドカード(Wild Card) ~ひと時の安らぎで満足?~

ジェイソン・ステイサムというと『ワイルド・スピード』シリーズだったり『MEG ザ・モンスターズ』シリーズだったり過激派インテリ完璧主義おじ(たまに人情味もあり)といった属性マシマシの印象だったのですが、この作品ではギャンブルの本質にハマりまんまと人生棒に振るダサいステイサムが見れて面白かったです。

一山当ててそれでありふれた幸せを手に入れればいいのに…人間って欲深い生き物ですよね。

しかしギャンブルで全てを失ってもバイオレンスで解決してしまうのがステイサムの持ち味。そこはしっかり表現されていました。彼の新たな二面性が垣間見れた一作でした。

【2】355(The 355) ~5人寄れば…?~

この作品はもう3回見てます。それぐらい好きです。

色々な境遇を抱えた5人が揃って世界の巨悪を挫く王道スパイものなんだけど、女性5人ってのが中々面白い。

『007』シリーズだったり男性主体のスパイ作品は沢山あるけど、女性ゆえの社会での立ち位置的な葛藤であったり男性からの圧力とかの不条理に屈せず、愛すべき家族を守ったり、敬愛する人物に認めてもらったりするために相容れないと思っていた女性5人が協働するストーリー性に感銘を受けた。

本筋はスパイものなんだけど、女性がメインとして映し出されることで一種愛すべきものを守るヒューマンドラマ的な一面があるようにも感じました。

同じような作品で『7人の秘書』ってのもあったのも思い出した…あれはドレス姿が美しいって不純な理由で見ただけで特に印象に残りませんでした

【3】ブラック・フォン(The Black Phone) ~たゆまぬ努力と踏み出す勇気~

公開当時学生で本来見にいけたものの、機会を逃してしまい結局劇場に行けず仕舞い。数年間U-NEXTのマイリス倉庫番していました。

少年少女誘拐事件の被害者となった主人公が、監禁部屋に備え付けられた黒電話や稀有な「能力」を備える妹など様々な数奇な奇跡の積み重ねで脱出を図る物語。

当初想像していた純粋ホラーといった印象はなく、チクチクと刺してくるテイストだなと感じました。誘拐された子どもたちのバックグラウンドの伏線回収や妹の援助など、それぞれの子どもたちが抱えていたモノが最終的に主人公に集約されていく展開は単なるホラーと括るには惜しいなと思います。

…でも最後の終わり方、そうなるんかいって感じは正直しました。まぁ色々と踏み出す勇気をもらって主人公が変わった事を考えればそういう結末もありか…。

【4】プロミシング・ヤング・ウーマン(Promising Young Woman) ~復讐に必要な執念~

「とある出来事」で大学を中退した少女(今はおばさん)、就職先も見つからず実家に入り浸り昼はカフェ店員として仕事をする。夜はクラブやパブに入っては泥酔を演じて引っ掛かるおバカな男を○して自分の日記に詳細を記す、そんなぶっ飛んだ生活をしていた。そんな所「とある出来事」に関する糸口を見つけ、その真相を探るべく狂気に駆られて奔走していく。

これキャスティング見てぶっ飛んだんだけど、制作側に何故かマーゴット・ロビーがいるんよね…あんた出演しないんかいって。掴みどころの無い『アムステルダム』もよかったね

よくあるサイコキラーものなんだけど、単純に「復讐最高〜〜〜〜〜!!!もっと沢山○してやるぜ〜〜〜〜!!!」って手放しに片付けられる展開じゃないんですよ。

何とも表現しづらいんだけど、どこまでも用意周到に復讐の準備をするんだよね。心境を理解すればこんな地道で終わりの無いような、報われないかもしれないような計画を立てていたら発狂してしまいそうなはずなのに。

彼女を駆り立てる「復讐心」が揺らがないからこそ復讐を成就できたのだと思います。

その復讐の最期も、また面白いんだよね〜〜〜〜。これは言葉を重ねすぎるほど面白みが薄れてしまうからぜひ見て。

【5】ヒットマン・ワイフズ・ボディガード(The Hitman’s Wife’s Bodyguard) ~仕事とは、家族とは~

ライアン・レイノルズ、好きなんよね〜〜。まぁ嫌いな人いないよね。『フリー・ガイ』なんかもぶっ飛んだ世界観に馴染んだぶっ飛び具合見せてくれてよかった。

レイノルズの振り回され上手な所とクレイジーさに救われている作品も多い中、今作は周囲(特に逃避行をする殺し屋夫妻)が最高にクレイジーで、途中から絡んでくるモーガン・フリーマンらも彼本来の持ち味とは違う一面を見せていて色々カオスだった。

しかし物語の本筋としては家族や仕事に対する在り方の一説を提示したという一貫性があり、伝えたいこともしっかり乗っているなという印象だった。

まぁ最後までふざけない場面が全く無いので鑑賞後の感想は「俺は何を見せられていたんだ?(褒め言葉)」という感想になるはず

【6】アンビュランス(Ambulance) ~家族と誇りを背負う弟、二面性に葛藤する兄~

またまた来ました、当時劇場で見たかったのにU-NEXT倉庫番していた作品第二号。

当初の目的は一緒のはずだったのに、状況の変化とともに揺れ動く関係性と心境と信条。その全てが、物語全体を占めるカーアクションの中で鑑賞者の中にノンストップで入り込んで来て解釈を要求する感覚は初体験でした。

ジェイク・ギレンホールといえば『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』
での胸糞正義のヒーローの印象しかなかったので冒頭は「あーやっぱりこうゆう役所が多いんやな」って思って見ていたらの最後よ。アクターってやっぱり知れば知るほど魅力に引き込まれていくね、よくないね(いいね)

【7】ガンパウダー・ミルクシェイク(Gunpowder Milkshake) ~継承し変化していく歪な母のカタチ~

U-NEXTくんのおすすめきっかけで鑑賞したよシリーズ。

殺し屋の復讐劇という血も涙もない(血は沢山だけど)ストーリーが、母娘ってテイストが入るだけで全然違う見え方するよねっていう好例ですね。

不器用なんだけど母から授かった愛情だけは心の中に巣食っていて、それが目の前の「守りたい存在」に対しての遠回しな愛情表現に繋がるのが人間味を感じられるんだよね。

ただアクションは大分チープに感じました。そうゆう見せ方をしたいのかもしれないけど、健常な状態でも「なんか病気患っていたっけ!?!?!?」と心配になるぐらいには

【8】怪物 ~真の怪物には「スポットが当たらない」~

邦画だと安藤サクラはやっぱりいい演技するよなって信頼があります。『万引き家族』の演技で引き込まれました。

早織や湊、瑛太や校長の視点から物語の真相が鑑賞者に提示されていくけど、事件の根幹に関わる大きな部分はそういったスポットが当たる人々以外が握っていると痛感させられるストーリーでした。

何事を判断するにしても、印象的に見えるものではなく「意図的に何者かによって隠されているもの」に焦点を当てることが大事なのかもしれませんね。

【9】コンティニュー(Continue) ~残機無限の男の結末は~

ざっくりと言うとコメントの通り。しかしそこに隠された「男が死に戻りを何度したとしても辿り着きたい結末」にこそ、この作品の深みがあると思います。

身近な作品だと『Re:ゼロから始める異世界生活』などを見たことがある人には、「死に戻り」が当事者に与える甚大な影響は想像しやすいと思います。

どんなに理不尽な状況に苛まれ何度死を経験しようと、諦めず現状を変えようとする根気強さなどといった言葉では片付けられない何かが必要になると思います。(もちろん死に戻りなんて権能無いので憶測で語っています)

その何かが複雑かつ解決困難なのが、この作品を「楽観的な大酒飲みのちょっと変わったコメディー作品」と評価させない深みを生み出していると思います。

【10】グランド・イリュージョン(Now You See Me) ~最後までどんでん返し~

4人の天才的マジシャンの手捌きが美しい、しかしそこが本筋ではない。
彼らまでもが種の仕掛け人ではなく「大きな力の渦」の中で大元の仕掛け人に翻弄される演者だという階層性がミソだと思いました。

ウッディ・ハレルソン、『ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ』の時には陽気なシリアルキラーって印象が先行していましたが、かっこよさ:頼りなさ=6:4の演技で個人的に評価上がりました。
しかし『ヴェノム』の印象が鮮烈すぎたので彼の今作での役を受け入れるのにはもう何周か必要そうです(すぐストックが貯まる)

【11】シャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes) ~暴力と謎解きは紙一重~

ロバート・ダウニー・Jrの傑作の一つですね。今までタッチする機会が意外とありませんでした。

15年以上前の作品と感じさせないキャストの演技が特に印象に残りました(特にロバートの年齢に縛られない貫禄がそうさせている所は大きいかも)

現代で言えばオタク早口とされるであろう勢いで論理を展開したかと思えば、どうにも行かなくなった時には暴力で解決。『シャーロック・ホームズ』自体原作で見たことがなかったので「こんな存在なのか…」と困惑しっぱなしでした。

しかし最後の集会での悪行を阻止するための入念な計画はホームズの探偵としての才が光る場面だったのでバランスは取れていると思います…でも物理で殴る印象が強すぎてあんまり科学する姿が記憶に残らn(ry

【12】コンフィデンスマンJP 英雄編 ~「英雄」の定義~

ドタバタ3人劇でお馴染みのシリーズ三作目。今度は伝説の怪盗「ツチノコ」への想いが交錯する3人の今後を賭けた勝負でした。

毎度コメディーとヒューマンドラマが織り交ざり様々な人々の様々な時系列の出来事が目まぐるしく提示される先の読めない展開が見どころな本シリーズですが、今作ではボクちゃん(東出昌大)のダー子への想いをはじめとした暖かな心遣いが根底にあり物語を動かしているように感じました。

怪盗として、時には冷酷に私情を捨て果たすべき事を実行しないとお宝を手に入れる事は叶わない上に、最悪警察のお世話になってしまう事だってあるでしょう。

本来の目的からすると捨て置くべきボクちゃんのそんな姿が、作中の結末へと繋げたのではないかと思います。彼もツチノコに呼応して何らかの「英雄」になりたかったんだと思います。

英雄のカタチは人それぞれ、環境にも時代にも人柄にも様々な要素に左右されます。そこに正解はきっと無いんでしょうね。

【13】グランド・イリュージョン 見破られたトリック(Now You See Me 2) ~父から受け取るモノ~

観客を予想外の結末に引き込み好評を博した(当社比)前作、今回はその中心人物を中心とした「家族」というテーマを盛り込んだ内容になっていました。

三つ子の魂百までとはよく言ったもんで、子どもの頃に体験した出来事は往々にしてその人の将来に大きな影響を与えます。

しかしそこから先は、子が親の本来の姿(世間的な善し悪しに関わらず)を知り、それに付き従うのか離別して自分の道を開いていくのかで全く別の道となります。

今作は、父の遺志を受け継ぎ表面は巨悪に立ち向かうイリュージョニストと、父の意志を受け継ぎ世界を我がものにしようと画策するエンジニアとの攻防がアツいです。

【14】アナザーラウンド(Druk) ~小さなことが大きな間違いに~

マッツ作品はじめてでした。非常にシブいイケおじ演じてて痺れた〜〜〜〜〜

って感想が先行するかと思いましたが、やるせない印象を見せる場面も多く、鑑賞1作目にして「こんな顔も見せられるんだ」とより興味が湧きました。

酒はいい意味でも悪い意味でも人を変えてしまう。それが極端な例で分かる、じわじわとおもしろおかしくなっていく作品でした。

「そこまで行くのか…」って映画上の演出(展開)もありますが、酒という代物はそこまで人の姿を変えてしまうと啓発する意味合いもあると考えると、あれぐらいで良かったのかな?と納得する部分もあります。(結構ショッキングな内容があります)

自分に合った付き合い方を見つけたい、周りに迷惑をかけないように楽しむべき、そんなお酒の当たり前を冴えない(かっこいい)中年男性たちが名実ともに教えてくれます。

【15】フォールガイ(The Fall Guy) ~影の者よ立ち上がれ~

エミリー・ブラント、劇場で見た『クワイエット・プレイス2での息を呑む演技は今でも忘れられません。それだけで無く音響効果をあそこまで有効活用した映画は中々無いと思いました。普通の映画だったのに、さながらIMAXで見ているかのような没入感でした。

主人公格の2人は超大物なのに、演じるのが巨大な権威の影で必死に生きる存在という意外性とキャスティングの妙に惹かれました。様々な面で不遇ながらも、自分を影にする彼らを差し置いて業界で一花咲かせてやるというパワフルさがストーリー全体をアツい展開へと押し上げていると思いました。

作中で描かれていますが、当時『007』が保持していた「キャノンロール」という車体の回転数のギネス記録を更新するなど、スタントマン出身のリーチ監督の挑戦も果たす、多義的な映画である面白い側面も持ち合わせています。

ってか今調べたら、リーチ監督って『ブレット・トレイン』の監督でもあるじゃん…日本要素が多すぎて露骨なんて評価もありましたが、僕はブラピが普段見せないアンラッキーな姿とかキャラクター性豊かなキャスティングがすこでした。たまに見たくなる一作筆頭です。(4回鑑賞済)

【16】フェラーリ(Ferrari) ~タイヤも栄華も摩耗する~

↓で詳しく解説しているので割愛、アダム・ドライバーはいいぞ。

【17】ジーサンズ はじめての強盗(Going in Style) ~老いにも苦境にも屈せず~

確か『グランド・イリュージョン』を見たきっかけでモーガン・フリーマンとマイケル・ケインが出ているってのに惹かれたのと、純粋に面白そうな作品だと思いU-NEXTおすすめくんからピックアップしました。
(作中で『ブレット・トレイン』でかわい子ちゃんクソアマ役を演じたジョーイ・キングが出てきて沸いたよね。彼女の役どころクソっぷりと哀れな最期も痛快でした)

作中じいちゃんばあちゃんばっか!!!だからこそのモヤモヤに老体に鞭打ち立ち向かう姿が何だか微笑ましかったです。

「何も失うものがない者は何よりも強い」というコンセプトは多くの作品で多用されますが…その対象が老人、しかも一見するとこんなに可愛くて手伝ってあげたくなる存在ってのは中々無いなと思いました。

しかし無鉄砲なだけではない用意周到さもしっかりあります。ゴリゴリ強盗ものが好みって層に刺さるかは怪しいですが、ファンシーなコメディ&スリリングをご所望の方にはきっとピッタリです。

【18】パーフェクト・ケア(I Care a Lot) ~大切なのは努力、勇気と諦めない心~

ずっと気になっていた作品でした。やっと見れた…アリガト–ネーネ。

やっていることは社会貢献っぽいものの、内実を覗くと完全アウトな行為。そのツケは必ず何処かで払わなければならないという因果応報的な考えが根底にあるように思います。

しかしそれ以上に前面に出ているのが「キャリアウーマンとして必要な強かさ」だと思います。マフィアに脅されようと、不気味な人物に脅されようと、愛すべき人を粉々にされようとも、絶対に自分の野望を実現してやるという決意が揺らぐことはないのだと思いました。

…とはいえ「やべぇ」と思ったら引き下がるのも立派な大人としての選択肢ですね。死んでしまったら意味がないですから。

【19】ウルフ・オブ・ウォールストリート(The Wolf of Wall Street) ~いつか報いが来る~

図らずも『パーフェクト・ケア』の内容と似通ったコメントでした。

やっぱりレオ様いいね…『華麗なるギャツビー』で彼の演技を初めて見ましたが、圧倒的王者感が全ての所作に溢れています。まさに百獣の王さながらです。

今回のレオ様の役は、ウォール街での生存競争に自ら飛び込んでいく新進気鋭の証券会社の社長。ヤクに女に不当取引に…違法行為どんと来い稼いだもん勝ちを体現するその生き様は見る人全員を惹きつける鮮烈なカリスマ性を放っています。

彼の、そしてこの作品を通しての魅力は一貫した、絶対に揺らぐことのない強気な姿勢にあると思います。自会社の存続の危機に瀕しようと、愛する我が子の親権を妻に乗っ取られようと、「この世は全て俺のものだ、誰にも俺の世界は渡さない」という断固たる姿勢と行動には痺れっぱなしです。

しかしそんな彼も国力には敵わず…その最後(?)も一見の価値ありです。

【20】マネー・ショート 華麗な大逆転(The Big Short) ~崩壊の前兆とは~

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』とは違ったテイストのエコノミクスに関する作品を見たいと思ったら名作が転がり込んできてくれました(ニッコリ)

クリスチャン・ベール、前述の『アムステルダム』のバート役やら『ソー ラブ&サンダー』のゴア役やらと思わぬ当たりどころが多く個人的にキている俳優です。今作もいい味出しています。

レオ様が活躍していたのは20世紀後のウォール街、今作の舞台は21世紀間もない「リーマンショック」が裏で進行している不景気のウォール街で動き出す投資家たちの賭けや勝負の物語です。

彼らはウォール街を、そして世界を出し抜き巨万の利益を勝ち得ることとなりますが、その顔はどこか晴れない。

周囲は世紀末的な不況に苛まれている状況で、それぞれが抱える様々なものを投げ捨て得た彼らだけの世界は、彼らの目にはどのように映っているのでしょうね。




軽くコメントを残していただけのはずなのに、気付いたらいつもの文量になっていました…これだけの語り草に溢れる膨大なコンテンツを享受している我らがねーね神を崇め奉り末筆とします。2月からはもっとスマートにまとめたい

いいなと思ったら応援しよう!